オルツ、LLMを活用した「計算アーキテクチャ生成モデル(Computational Architecture Generation Model)」を構築開始
~産業特化型GPUの開発を加速し、AIが自らのための計算基盤を創る時代へ~
株式会社オルツ(本社:東京都港区、代表取締役:米倉 千貴)は、世界的なコンピュータアーキテクチャの権威である Duc-Minh Nguyen教授(Vice Dean, School of Electrical and Electronic Engineering, Hanoi University of Science and Technology)と共同研究を開始しました。本研究を通じて、大規模言語モデル(LLM)を活用して産業特化型GPUの設計プロセスを変革し、従来のGPU設計コストの約80%、年間最大226億ドル削減 ※することを目指します。
※年間最大226億ドル削減:世界の主要なファブレスGPUメーカーの合算年間開発費用を当社エンジニアチームが算出。LLMによる自動化がGPU設計プロセスに与える影響ならびに削減コストを試算の上、年間約226億ドルの削減を目指す。
(2025年2月14日時点。自社調べ)
![](https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/111359/131/111359-131-fe9f3df48ee44e39e178bc0f00b8ccc4-1200x630.png?width=1950&height=1350&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff)
■LLMが変えるGPU設計の未来
近年、AIワークロードの多様化に伴い、従来の汎用GPUでは最適な演算処理が難しくなりつつあります。HPC(高性能計算)、自動運転、医療AI、エッジデバイスなどの分野では、用途特化型のカスタムチップ設計が求められています。しかし、現在のGPU設計プロセスは複雑かつコストが高く、特定用途向けのチップ開発は依然として多くの企業にとって高い障壁となっています。
本プロジェクトでは、LLMを活用した「計算アーキテクチャ生成モデル(Computational Architecture Generation Model)」を構築し、次の課題を解決します。
・LLM主導のGPUアーキテクチャ設計
◦各産業のワークロードを分析し、最適なアーキテクチャをLLMが生成
◦設計の初期段階から、論理設計・回路配置・試作までを自動化
・高効率なハードウェア/ソフトウェア協調設計(Co-Design)
◦Minh教授が専門とするSRAMベースのスパイキングニューラルネットワーク(SNN)設計の
知見を活かし、ソフトウェア/ハードウェア統合の最適化を実現
・シリコン実装の試作回数を大幅に削減
◦AIシミュレーションにより、設計変更のコストと時間を削減
◦シリコン試作回数を減らし、ファウンドリの負担を軽減
■GPU設計のコスト構造を根本から変える
現在、ファブレスGPU設計には世界全体で年間約283億ドルのコストがかかっています。従来のGPU設計プロセスは、エンジニアリングの属人性、試作・検証フェーズの非効率性、最適な設計仕様の見極めの難しさという課題を抱えています。
本プロジェクトでは、LLMを活用することで、GPU開発に必要なコストを劇的に削減し、以下の効果をもたらします。
・設計プロセスの自動化により、年間最大226億ドルのコスト削減が可能
・80%のコスト削減が達成されれば、GPU設計費用はわずか57億ドルに圧縮
・新規チップ開発のハードルが下がり、多様な用途向けのカスタムGPUが誕生
これにより、GPU開発の民主化が進み、特定用途向けの最適化が迅速かつ低コストで実現可能となります。
■オルツが本プロジェクトを主導する意義:国家レベルのAI技術開発と結びつく戦略的研究
当社が描く未来は、AI・ロボティクスが自身の計算基盤を進化させる時代です。人間の手を借りずとも、AIが必要なハードウェアを設計し、それを最適化していく世界、ならびに自己進化(Self-Evolution)・自己適応(Self-Adaptation)のビジョンを実現するために、その基盤技術となる本研究を推進します。
GPUはAIの計算基盤として不可欠な存在であるにもかかわらず、その設計・開発プロセスは依然として非効率であり、従来の手法に依存しています。当社は、AIが自身の成長に必要な計算基盤を創る未来を現実のものとするため、GPU設計のあり方を変革してまいります。
当社は、GENIACプログラムに採択され、国家予算を獲得している数少ないLLM開発企業です。当社は、P.A.I.(Personal Artificial Intelligence)技術を開発し、LLMの高度な適用領域を拡大することに注力しており、その一環として、AI自らが計算基盤を最適化する「AIによるハードウェア設計の自動化」に挑戦しています。
本プロジェクトは、当社が有するLLM開発の知見と、Minh教授のソフトウェア/ハードウェア協調設計(Co-Design)の専門知識を融合させた研究であり、次世代のAIアクセラレーション技術の基盤を形成する重要なステップとなります。
Minh教授は、「Software/Hardware Co-Design for a SRAM-Based Spiking Neuron Network」プロジェクトで2025年 “Code-a-Chip” competition の賞を受賞しており、次世代AIアーキテクチャの設計最適化において世界的な評価を受けている研究者です。Minh教授の専門知識と、当社のLLM技術が融合することで、従来のGPU設計におけるボトルネックを取り除き、計算アーキテクチャのパラダイムシフトを引き起こすことを目指します。
■Duc-Minh Nguyen教授からのコメント
「LLMを用いたGPU設計は、従来のハードウェア設計の概念を一新する可能性を秘めています。本プロジェクトでは、産業ごとに最適化されたGPUを、より迅速かつ精密に設計できる手法の確立を目指します。」
Duc-Minh Nguyen教授について:
https://scholar.google.com/citations?hl=en&authuser=1&user=zuj2xSwAAAAJ
▶LHTM-2/LHTM-OPT/GPT など大規模言語処理ソリューションに関するお問い合わせ先
https://alt.ai/aiprojects/gpt/
■株式会社オルツについて
2014年11月に設立された当社は、「P.A.I.」(パーソナル人工知能)、AIクローンをつくり出すことによって「人の非生産的労働からの解放を目指す」企業です。また、AIの対話エンジンの開発から生まれた音声認識テクノロジーを活用したCommunication Intelligence「AI GIJIROKU」を筆頭として、そのほか、PoC(Proof of Concept、概念実証)により様々なビジネス上の課題を切り口としてソリューション展開するプロダクト(「altBRAIN」、「CLONEdev」、「altTalk」など)を開発・提供しています。
商号 :株式会社オルツ(東証グロース:260A)
代表者 :代表取締役社長 米倉 千貴
事業内容:デジタルクローン、P.A.I.の開発を最終目的とした要素技術の研究開発とそれらを応用した
製品群(Communication Intelligence「AI GIJIROKU」等)の展開、AIソリューションの提供
創業 :2014年11月
所在地 :東京都港区六本木七丁目15番7号
<報道関係者からのお問い合わせ先>
株式会社オルツ 広報 西澤
e-mail:press@alt.ai
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像