タイガー魔法瓶の技術が再び宇宙から地球へ 当社が開発に携わった「真空二重構造断熱・保温輸送容器」がSpaceX社の宇宙船「ドラゴン24号機」に搭載され、2度目の帰還へ
熱制御テクノロジーで世界をリードするタイガー魔法瓶株式会社(社長:菊池嘉聡、本社:大阪府門真市)は、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)、株式会社テクノソルバと開発した宇宙実験サンプルを保冷状態で格納する「真空二重構造断熱・保温輸送容器」が2021年7月に続き、再び使用されましたのでお知らせいたします。
実験試料は本容器に収納され、2021年12月21日19時7分(日本時間)に米国SpaceX社のドラゴン補給船運用24号機にて国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられました。約1カ月におよぶ宇宙実験ののち、タンパク質結晶を格納した本容器は、ドラゴン補給船運用24号機に搭載され、2022年1月25日午前6時05分(日本時間)にフロリダ州半島沖に着水、無事に帰還いたしました。本容器の利用により、往路、復路ともに、温度は規定範囲で維持されていたとのことです。
当社が開発に携わった真空二重断熱容器が宇宙で初めて使用されたのは、2018年11月。その後、複数回利用など新たな要求事項をクリアした現在の容器を新たに開発し、2021年7月に使用、無事に帰還しました。当社が携わった容器が宇宙でのミッションに使用されるのは今回のフライトで通算3度目となりました。
■複数回の利用に耐えうる設計
本容器はJAXAが繰り返し実施している宇宙実験用として継続的に使用したいという要望から、 1回限りの使い切りではなく複数回利用に耐えうる設計を要求されました。複数回利用を可能にするために、真空保持設計や真空度を維持するための部品について、民生設計より高いレベルでの設計を行っています。今回で2回目の使用となった本容器は今後も宇宙実験用として繰り返し使われる予定です。
当社は真空断熱ボトルにおいて、2020年より「NO・紛争鉱物」「NO・フッ素コート」「NO・丸投げ生産」「NO・プラスチックごみ」の“4つの約束”を掲げており、地球の未来のために、人権・健康・環境の社会課題にチャレンジしております。また、持続可能な社会の実現を目指し、 2021年7月より使用済みステンレス製ボトル(水筒)の回収と再資源化の取り組みをスタートさせています。
本容器に関しても使い切りではなく複数回利用に耐えうる設計にすることで、宇宙分野でのサステナブルな取り組みに貢献したいという想いを持ち、開発に携わりました。今後も魔法瓶技術を向上させ、持続可能な社会の実現にむけて努力してまいります。
■真空二重断熱容器の開発経緯について
当社は2018年11月、日本初のチャレンジであった国際宇宙ステーション(ISS)から実験試料を地球へと回収する技術実証において、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機が運ぶ小型回収カプセル内に搭載された真空二重断熱容器をJAXAと開発しました。当社が創業100年近い歴史で培った知見と高精度の保冷技術を活用することで、真空二重断熱容器は保冷剤を用いて「4度±2度の範囲で4日間以上の断熱性能、かつカプセル内に入った状態で、最大40Gという着水時の衝撃に耐える強度」という条件をクリアし、無事に宇宙実験サンプルをダメージなく地球に持ち帰ることができました。
その後、第二フェーズのさらなる挑戦として、新たな保冷性能条件や容器再利用という要求事項を満たした真空二重断熱容器の開発をJAXAより依頼されました。ISSとの往復時に、恒温での輸送が必要なタンパク質サンプルを12日間以上に渡って、20度±2度に保つという厳しい条件を求められましたが、JAXAや株式会社テクノソルバと共に、長時間保温でる構造の議論を重ね、複数回にわたる温度実験を経て、完成しました。
■第二フェーズで設定された3つの要求事項
・厳格なまでの保冷温度管理
打ち上げからISSまでの実験試料の温度維持のため、保冷剤を同梱することで20度±2度を12日間以上保つ。ISSから地上に回収するまでの期間も、20度±2度で7.5日以上保つ。
・大幅な軽量化・サイズダウン
真空断熱技術による高性能な保冷機能を保ちながら、容器の質量を保冷剤を含んだ状態で4.7キロ以下に、容器サイズをコンパクトに製作する。
・複数回利用に耐え得る設計
長期的な利用を想定し、1回限りの使い切りではなく、3年以上または6回以上の再利用を可能にする。
▼2018年納品の真空二重断熱容器NPL-A100(右)との比較
(右)NPL-A100 合計質量:約10kg /外径:約290mm
[参考情報|タイガー魔法瓶]
タイガー魔法瓶の歴史は、その名のとおり、魔法瓶づくりから始まりました。1923年に当社として初の日本国内向け「虎印」のガラス製魔法瓶を作って以来、独創的な工夫の積み重ねと真摯なモノづくりで、ぜいたく品だった魔法瓶を日常品として皆様のご家庭にお届けしてきました。
それ以来、真空断熱ボトルや保温ポットに代表される「真空断熱技術」と、1970年に誕生した電子ジャーを初めとする炊飯器などの「熱コントロール技術」を用いた製品づくりで、さまざまな暮らしのシーンに快適さと便利さを提供しています。
当社のコア技術である「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を応用し、民間向け製品以外に、宇宙でのミッションをはじめ、シビアな温度管理が要求される検体・試薬などの医療輸送、ハイブリッド車のエンジン冷却水蓄熱システム、南極などの過酷な気象条件でも性能劣化せず高断熱住宅を実現する次世代建材の開発など、時代をリードする最先端産業分野においても、チャレンジを続けています。
<本プロジェクトの特設サイトURL>
プロジェクトの詳細やこれまでの歩み、スペシャル動画をご覧いただけます。
タイガー魔法瓶NEXT100年ステートメントムービー
「Do Hot! Do Cool!」公開中!
創立以来、「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を用いた、高次元の熱制御にこだわり続けてきました。
次の100年も変わらずこの技術を活かして、「世界中に幸せな団らんを広める。」ことを実現してまいります。
「Do Hot! Do Cool!」100年を、あたたかく。100年を、カッコよく。https://youtu.be/MQe_G1aveuM/
実験試料は本容器に収納され、2021年12月21日19時7分(日本時間)に米国SpaceX社のドラゴン補給船運用24号機にて国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられました。約1カ月におよぶ宇宙実験ののち、タンパク質結晶を格納した本容器は、ドラゴン補給船運用24号機に搭載され、2022年1月25日午前6時05分(日本時間)にフロリダ州半島沖に着水、無事に帰還いたしました。本容器の利用により、往路、復路ともに、温度は規定範囲で維持されていたとのことです。
当社が開発に携わった真空二重断熱容器が宇宙で初めて使用されたのは、2018年11月。その後、複数回利用など新たな要求事項をクリアした現在の容器を新たに開発し、2021年7月に使用、無事に帰還しました。当社が携わった容器が宇宙でのミッションに使用されるのは今回のフライトで通算3度目となりました。
■複数回の利用に耐えうる設計
本容器はJAXAが繰り返し実施している宇宙実験用として継続的に使用したいという要望から、 1回限りの使い切りではなく複数回利用に耐えうる設計を要求されました。複数回利用を可能にするために、真空保持設計や真空度を維持するための部品について、民生設計より高いレベルでの設計を行っています。今回で2回目の使用となった本容器は今後も宇宙実験用として繰り返し使われる予定です。
当社は真空断熱ボトルにおいて、2020年より「NO・紛争鉱物」「NO・フッ素コート」「NO・丸投げ生産」「NO・プラスチックごみ」の“4つの約束”を掲げており、地球の未来のために、人権・健康・環境の社会課題にチャレンジしております。また、持続可能な社会の実現を目指し、 2021年7月より使用済みステンレス製ボトル(水筒)の回収と再資源化の取り組みをスタートさせています。
本容器に関しても使い切りではなく複数回利用に耐えうる設計にすることで、宇宙分野でのサステナブルな取り組みに貢献したいという想いを持ち、開発に携わりました。今後も魔法瓶技術を向上させ、持続可能な社会の実現にむけて努力してまいります。
■真空二重断熱容器の開発経緯について
当社は2018年11月、日本初のチャレンジであった国際宇宙ステーション(ISS)から実験試料を地球へと回収する技術実証において、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機が運ぶ小型回収カプセル内に搭載された真空二重断熱容器をJAXAと開発しました。当社が創業100年近い歴史で培った知見と高精度の保冷技術を活用することで、真空二重断熱容器は保冷剤を用いて「4度±2度の範囲で4日間以上の断熱性能、かつカプセル内に入った状態で、最大40Gという着水時の衝撃に耐える強度」という条件をクリアし、無事に宇宙実験サンプルをダメージなく地球に持ち帰ることができました。
その後、第二フェーズのさらなる挑戦として、新たな保冷性能条件や容器再利用という要求事項を満たした真空二重断熱容器の開発をJAXAより依頼されました。ISSとの往復時に、恒温での輸送が必要なタンパク質サンプルを12日間以上に渡って、20度±2度に保つという厳しい条件を求められましたが、JAXAや株式会社テクノソルバと共に、長時間保温でる構造の議論を重ね、複数回にわたる温度実験を経て、完成しました。
■第二フェーズで設定された3つの要求事項
・厳格なまでの保冷温度管理
打ち上げからISSまでの実験試料の温度維持のため、保冷剤を同梱することで20度±2度を12日間以上保つ。ISSから地上に回収するまでの期間も、20度±2度で7.5日以上保つ。
・大幅な軽量化・サイズダウン
真空断熱技術による高性能な保冷機能を保ちながら、容器の質量を保冷剤を含んだ状態で4.7キロ以下に、容器サイズをコンパクトに製作する。
・複数回利用に耐え得る設計
長期的な利用を想定し、1回限りの使い切りではなく、3年以上または6回以上の再利用を可能にする。
▼2018年納品の真空二重断熱容器NPL-A100(右)との比較
(左)NPS-A100 合計質量:約2.9kg/外径:約130mm
(右)NPL-A100 合計質量:約10kg /外径:約290mm
[参考情報|タイガー魔法瓶]
タイガー魔法瓶の歴史は、その名のとおり、魔法瓶づくりから始まりました。1923年に当社として初の日本国内向け「虎印」のガラス製魔法瓶を作って以来、独創的な工夫の積み重ねと真摯なモノづくりで、ぜいたく品だった魔法瓶を日常品として皆様のご家庭にお届けしてきました。
それ以来、真空断熱ボトルや保温ポットに代表される「真空断熱技術」と、1970年に誕生した電子ジャーを初めとする炊飯器などの「熱コントロール技術」を用いた製品づくりで、さまざまな暮らしのシーンに快適さと便利さを提供しています。
当社のコア技術である「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を応用し、民間向け製品以外に、宇宙でのミッションをはじめ、シビアな温度管理が要求される検体・試薬などの医療輸送、ハイブリッド車のエンジン冷却水蓄熱システム、南極などの過酷な気象条件でも性能劣化せず高断熱住宅を実現する次世代建材の開発など、時代をリードする最先端産業分野においても、チャレンジを続けています。
<本プロジェクトの特設サイトURL>
https://www.tiger.jp/feature/space/
プロジェクトの詳細やこれまでの歩み、スペシャル動画をご覧いただけます。
タイガー魔法瓶NEXT100年ステートメントムービー
「Do Hot! Do Cool!」公開中!
タイガー魔法瓶は2023年に創立100周年を迎えます。
創立以来、「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を用いた、高次元の熱制御にこだわり続けてきました。
次の100年も変わらずこの技術を活かして、「世界中に幸せな団らんを広める。」ことを実現してまいります。
「Do Hot! Do Cool!」100年を、あたたかく。100年を、カッコよく。https://youtu.be/MQe_G1aveuM/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像