高齢犬への幹細胞投与によるQOLの改善および診療費抑制効果を確認
高齢化が進むペットの健康維持に光
※1:シェアは、各社の2022年の契約件数から算出。(株)富士経済発行「2023年ペット関連市場マーケティング総覧」調査
本研究の概要
アニコム先進医療研究所では、「治らない病気を治す」ことを目指し、2021年4月より再生医療を中心とした高度な医療技術およびサービスを提供しています(※2)。再生医療はヒトの医療分野においても、治療だけではなく若返りの効果が報告されており(※3)、ペットにおいてもQOLの向上や病気の予防的な効果が期待できることから、本研究を開始いたしました。
本研究では、アニコム先進医療研究所が運営する動物病院の患者様、当社のペット保険ご契約者にご協力いただき、9歳以上の犬に皮下脂肪由来の他家間葉系幹細胞を投与し、投与前後でQOLと診療費を比較しました。
※2:2021年2月10日付 ニュースリリース『動物の再生医療・細胞治療に係る事業を、アニコム先進医療研究所にて承継』
https://www.anicom-med.co.jp/news/20210210.html
※3:Adipose-Derived Stem Cells for Facial Rejuvenation. Surowiecka A, et al. J Pers Med. 2022.
① QOLの改善効果
9歳以上の犬36頭に幹細胞を投与し、投与前と投与一ヶ月後に食事や歩行等に関する11項目について比較したところ、投与した8割(30頭)の犬において何等かの項目の改善が見られました。特に食事や活動性に関する項目で改善割合が高くなっていました。
■幹細胞投与を実施した犬の一例(15歳 柴犬)
【投与前】
ぎこちなく、ゆっくりとした歩き方をしています。
【投与後】
全ての足を使って自然に歩いています。歩くスピードも速くなりました。
② 診療費抑制効果
次に幹細胞を投与した11歳以上の12頭について、投与前後半年間の動物病院での診療費を比較したところ、10頭で診療費の低減が確認されました。通常は加齢に伴い診療費が増加するにもかかわらず、診療費が低くなっている、つまり幹細胞投与には若返りの効果があると言えるのではないかと考えられます。
これらの結果は、従来ペットの老化に伴うさまざまな不調に対して為す術がなかったところ、幹細胞の投与により、健康に暮らす時間を長くすることが出来るようになる可能性を示しています。
『予防型保険』を目指す当社においては、保険会社の果たすべきロスプリベンションとして本研究の成果を活用するとともに、ペット業界のリーディングカンパニーとして果たすべき動物福祉(※4)の向上に向けた取り組みを進めてまいります。
※4:動物福祉における5つの自由のうち、特に『3.痛み・傷害・病気からの自由』への貢献に資するもの
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