「医師の働き方改革」施行から1年、依然医師の6割が労働時間短縮を実感できず

「医療現場の働き方に関する意識調査」を実施

Ubie株式会社

 Ubie株式会社(本社:東京都中央区、共同代表取締役:阿部吉倫・久保恒太、以下「Ubie」)は、2024年4月に施行された「医師の働き方改革」から約1年が経過したことを受け、全国の病院に勤務する医師を対象に「医療現場の働き方に関する意識調査」を実施しました。調査の結果、労働時間が短縮された・多少短縮された医師の割合は39.7%(前回調査比+7.8ポイント)と、改善の兆しが見られたものの、依然として60.3%が労働時間短縮を実感できていない状況が明らかになりました。

また、本調査は2024年8月に実施した医師調査の継続調査として位置付けられ、今回は医療現場の実態をより包括的に把握するため、医師の働き方改革におけるタスク・シフト/シェア先の一つである看護師も調査対象に加えました。その結果、看護師においては77.7%が労働時間の短縮を実感できていないことが判明し、医療現場全体における働き方の課題が浮き彫りとなりました。

【調査結果概要】

・医師の60.3%が「医師の働き方改革」で労働時間は「短縮されていない」・「増加した」と回答。一方で、多少短縮されたと回答した医師は39.7%と改善傾向(前回調査比+7.8ポイント)
・タスク・シフト/シェア先の一つである看護師は、77.7%が労働時間は「短縮されていない」・「増加した」と回答
・「隠れ残業」をする職員が増えていると感じる割合は医師58.7%、看護師62.4%
・労働時間が短縮されない理由として、医師は「業務量過多」「人員不足」(ともに34.9%)が最多。看護師は「業務量過多」(52.4%)、「人員不足」(48.5%)、「離職者多数」(46.8%)が上位を占める
・効率化すべき業務として、医師は「会議や研修への参加と準備」、看護師は「患者の入退院手続きと調整業務」が上位
・医療機関でのDX推進が「不十分」と感じる割合は医師70.3%(全くできていない17.9%、あまりできていない52.4%)、看護師は79.4%
・DXが職場選択の重要基準と回答した割合は医師67.5%(とても重要14.7%、ある程度重要52.8%)、看護師57.7%(とても重要9.7%、ある程度重要48.0%)といずれも高い割合
・AI技術による業務効率化に期待を寄せる割合は医師65.1%、看護師45.3%
・生成AIの活用について、医師の「すでに活用している」「活用する予定がある」の合計が21.9%と倍増(2024年8月調査の10.3%から11.6ポイント増加)

<医療現場の働き方に関する意識調査について>

調査期間:2025年2月27日~2025年3月10日
調査対象:病床20以上の病院に勤務する医師および看護師
調査方法:インターネット調査
有効回答数:医師252名、看護師300名

■医療現場の働き方に関する意識調査

労働時間短縮は改善傾向も依然6割が実感なし、隠れ残業も約6割が増加と回答

2024年4月施行の「医師の働き方改革」による効果について、医師の労働時間が「短縮された」・「多少短縮された」は39.7%(前回調査比+7.8ポイント)と改善傾向が見られるものの、60.3%は依然として「労働時間は短縮されていない」または「増加した」という状況です。また、タスク・シフト/シェア先である看護師はさらに厳しい結果となり、77.7%が「労働時間は短縮されていない」または「増加した」と回答しています。

さらに、「隠れ残業」をする職員が増えていると感じる割合は医師で58.7%、看護師で62.4%に上りました。これは、表面的な労働時間の管理だけでは捉えきれない、医療現場における実質的な労働環境の課題を示唆しています。

<隠れ残業で行っている業務>

・研究関連、教育関連業務は、時間外に行う(医師 40代 大阪府)
・医師不足で患者対応の為に終業時間が毎日22時近くになる(医師 40代 福岡県)
・ほぼ全ての職員の記録業務や翌日の準備など(医師 50代 兵庫県)
・患者さんの情報収集を仕事開始前にする。病状が悪い方が多ければ多い程、情報収集に時間がかかるし、点滴の準備も時間がかかる(看護師 50代 長崎県)
・患者さんと接する業務は交代時間にほぼ引き継げるが、その他の業務は時間内に終わらない(看護師 30代 福岡県)

医師・看護師ともに人員不足と採用難が労働時間短縮を阻む要因

労働時間が短縮されない理由について、医師からは「業務量が多く、新しく改善策を講じる余裕がない」「職員採用が難しく、人員不足が続いている」(ともに34.9%)が最も多く挙げられました。

看護師においては、「業務量が多く、新しく改善策を講じる余裕がない」(52.4%)が最多となり、続いて「職員採用が難しく、人員不足が続いている」(48.5%)、「離職者が多く、安定した人員配置が維持できない」(46.8%)と、人員に関する課題が上位を占める結果となりました。

効率化ニーズの高い業務、医師は会議・研修、看護師は入退院業務が最多

費やす時間が多く、効率化すべきだと感じる業務について、医師からは「会議や研修への参加と準備」(17.1%)が最多となり、続いて「患者さんへの治療説明と生活指導」(13.5%)、「電子カルテを用いた診療記録の作成と更新」「紙書類の整理とファイリング作業」(ともに12.7%)が挙げられました。一方、看護師では「患者さんの入退院手続きと調整業務」(22.0%)が最も多く、「電子カルテを用いた診療記録の作成と更新」(13.7%)、「会議や研修への参加と準備」(11.3%)と続きました。

医療機関のDXは7割以上が不十分と評価、一方職場選択の重要基準にも

医療機関でのDX推進について、医師の70.3%、看護師の79.4%が「全くできていない」「あまりできていない」と回答。一方で、DXの推進状況が「職場を選ぶ上で重要」と回答した割合は医師67.5%、看護師57.7%に上り、DXへの関心の高さが表れる結果となりました。

医師の65.1%、看護師の45.3%がAI技術での業務効率化に期待

AI技術による労働時間短縮への期待について、医師の65.1%、看護師の45.3%が「効果がある/効果が見込める」と回答。特に期待が高い業務として、医師からは「診療記録の自動生成」「書類作成の時間短縮」「患者向け資料の迅速な作成」が、看護師からは「データ入力作業の軽減」「記録業務の効率化」が挙げられました。

医師の生成AI活用・導入予定が半年で倍増

生成AIの活用状況と今後の予定について、医師の「すでに活用している」「活用する予定がある」の合計が21.9%(2024年8月調査10.3%から11.6ポイント増加)となり、半年間で大きく上昇しました。特に「活用する予定がある」が7.0%から17.1%へと10.1ポイント増加しており、多くの医療機関で生成AI導入の具体的な検討が進んでいることが示唆されます。「活用する予定はないが興味はある」についても医師が32.9%、看護師が31.3%存在することから、適切な活用事例の共有や導入支援により、さらなる普及の可能性が考えられます。

参考:2024年8月実施:「医師の働き方改革に関する意識調査」/Ubie株式会社

■Ubie株式会社 共同代表取締役 医師 阿部 吉倫 コメント

今回の調査結果では、医師の働き方改革施行から1年が経過し、わずかながら改善の兆しが見られるものの、医療現場全体の労働環境改善には依然として課題が残されていることが明らかになりました。一方で、医師・看護師ともにAI技術による業務効率化に高い期待を寄せている点、医師の生成AI活用予定者がわずか半年で2倍に増加したことは、DXが今後の医療機関の運営の鍵となることを示唆しています。当社も引き続き、業務効率化支援サービス『ユビー生成AI』等の提供を通じ、医療現場の皆様の効率化と働きやすい環境づくりにより一層貢献してまいります。

【医療機関向け「ユビー生成AI」について】

「ユビー生成AI」は、複数の生成AIを活用し、病院内のさまざまな業務効率化を支援するサービスです。2024年12月に「生成AI大賞2024」にて特別賞と優秀賞を受賞しました。

ユビー生成AI:https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp

【Ubie株式会社が提供するサービス一覧】

▽生活者向け 症状検索エンジン「ユビー」

日本版:https://ubie.app/

US版:https://ubiehealth.com

▽医療機関向け「ユビーメディカルナビ」

https://intro.dr-ubie.com/

▽医療機関向け「ユビー生成AI」https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp

▽製薬企業向け「ユビー for Pharma」

https://ph-ubie.com/

【Ubie株式会社について】

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」等を開発・提供。誰もが自分にあった医療にアクセスできる社会づくりを進めています。

所在地  :〒103-0023 東京都中央区日本橋本町三丁目8番4号 日本橋ライフサイエンスビルディング4 5F

設立   :2017年5月

代表者  :共同代表取締役 医師 阿部 吉倫・共同代表取締役 久保 恒太

URL   :https://ubie.life

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業種
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代表者名
阿部吉倫・久保恒太
上場
未上場
資本金
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設立
2017年05月