【研究者の転職における現状と課題】研究職以外での転職、9割以上が「研究職で培った経験が活かされている」と実感
〜73.6%が「研究職で得た経験や知識を違う領域に活かしたかった」とポジティブな転職理由多数〜
技術者・研究者のキャリア支援に特化した事業を15年にわたって続けている株式会社アカリク(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山田諒、以下 アカリク)は、研究者(研究職)から研究職以外へ転職し、現在もビジネス職として仕事をおこなっている方110名に、研究者の転職に関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
- 調査サマリー
- 調査概要
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年3月2日〜同年3月6日
有効回答:研究者(研究職)から研究職以外へ転職し、現在もビジネス職として仕事をおこなっている方110名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
- 研究職以外への転職理由、「経験や知識を他の領域に活かしたかった」や「社会にダイレクトに影響を与えたいと感じたから」など
・研究職で得た経験や知識をそれ以外の領域に活かしたかったから:73.6%
・研究職以外で、社会にダイレクトに影響を与えたいと感じたから:62.7%
・研究職よりも「安定性が高い」と感じたから:56.4%
・新しいことをしてみたいと感じたから:56.4%
・今後のために、研究職以外で培える「スキルが欲しい」と感じたから:44.5%
・その他:0.9%
ー38歳:人間関係に疲れた
・わからない/答えられない:0.0%
- 他にも「給料が高いから」や「視野を広げるため」などの理由も
<自由回答・一部抜粋>
・35歳:給料が高いから。
・39歳:視野を広げるため。
・34歳:研究職では花を咲かせることは難しいと思ったから。
・30歳:やりたいことがあった。
・37歳:転用しやすいから。
・43歳:家庭との両立を考えた。
・45歳:研究に疲れた。
・38歳:コンサルタントを含めた領域に興味を持ったから。
- 研究職以外の仕事をする中で、91.9%が「研究職で培った経験が活きている」と実感
・非常に活かされている:51.9%
・やや活かされている:40.0%
・あまり活かされていない:4.5%
・全く活かされていない:3.6%
- 経験が活きる場面として、「仕事全般の問題解決能力」や「コンサルティング業務での論理的思考力」など様々
・問題解決能力が仕事全般で活かされている:77.2%
・論理的思考力がコンサルティング業務で活かされている:66.3%・正解がないことを模索する力が新規事業開発等で活かされている:62.4%
・コミュニケーション力が営業など対人業務で活かされている:54.5%
・分析力が市場調査・分析などの業務で活かされている:52.5%
・専門的な知見が品質管理等の業務で活かされている:38.6%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:1.0%
- 他にも「根拠を求めて行動できる点」や「改善や追求する探究心」などで経験が活きたという声も
<自由回答・一部抜粋>
・32歳:根拠を求めて行動できる点。
・34歳:改善や追求する探究心。
・35歳:落ち着いて行動できる。
・37歳:組み立てのロジック。
・37歳:知識によるトラブル対応。
・39歳:物事の向き合い方。
・38歳:分析力。
・42歳:地味な作業の積み重ね。
- 一方で経験が活かされていない理由は、「研究職で得た知識を使う場面がない」や「研究職で培った専門性よりも他のスキルが重視されている」など
・研究職で得た知識を使う場面がないから:44.4%
・研究職で培った専門性よりも他のスキルが重視されているから:44.4%
・研究職で培った専門性を評価される場面がないから:33.3%
・研究職で培えなかったスキルの方に目が行ってしまうから:22.2%
・研究職で培った知識を使う場面があってもそれが企業の利益につながっていると実感できないから:22.2%
・その他:11.1%
ー36歳:求められることに差があるから
・わからない/答えられない:0.0%
- 他にも「全く違う分野だから」や「ビジネスにおける成果に直結する行動が求められているから」などの理由も
<自由回答・一部抜粋>
・38歳:全く違う分野だから。
・36歳:ビジネスにおける成果に直結する行動が求められているから。研究はある種直結しないこともやっている。
・35歳:今ついている職業が研究とかけ離れている。
- 研究職以外への転職を悩む研究者へも、9割以上が「転職を薦める」と回答
・非常に推奨する:51.0%
・やや推奨する:40.0%
・あまり推奨しない:4.5%
・全く推奨しない:0.9%
・どちらとも言えない:3.6%
- 転職活動を行う際に利用したもの、「エージェントサービス(人材紹介)」が75.5%で最多
・エージェントサービス(人材紹介):75.5%
・ナビサイト:70.0%
・ヘッドハンター:60.9%
・スカウトサービス:57.3%
・SNS(Linkedin):52.7%
・SNS(Twitter):46.4%
・SNS(その他):40.0%
・知人からの紹介:34.5%
・該当企業への直接応募:34.5%
・その他:0.0%
- まとめ
研究職以外への転職理由として、「経験や知識を他の領域に活かしたかった」や「社会にダイレクトに影響を与えたいと感じたから」などポジティブな意見を持って行動した人が多く、実際に異業種への転職を果たした91.9%が、「研究職で培った経験が活きている」と実感していることが分かりました。そこで、経験が活きていると感じる場面を伺うと、「仕事全般の問題解決能力」や「コンサルティング業務での論理的思考力」など多様な場面で研究職のスキルが活かしやすい実態が明らかになりました。
研究者という仕事から異業種への転職を検討する人は年々増えており、その理由は研究者のスキルはもっと社会で活用できるものだと考えられていることにあるようです。実際にビジネス職へ転職した経験者からも、転職に悩む研究者を後押しする声が多数挙がり、自信を持って転職に挑んでほしいという思いが強いようです。また、研究者の転職が増えていることから、企業側からのニーズの高まりも伺える結果であると判断できます。元研究者のビジネス領域での活躍により、今後さらに研究者スキルを求める企業が増えることは明らかでしょう。
- 技術者・研究者のキャリア支援コンサルタントからのコメント|株式会社アカリク 大学院生就職支援 転職支援事業 執行役員 川口 博久
研究職以外への転職者への調査として、非常に興味深い結果がでたと思います。まず、Q1の「社会にダイレクトに影響を与えたい」という項目については、希望のキャリアを叶える上で非常に重要な項目の一つでもあります。自身が身に付けてきた能力(知見・知識を含む)を社会に還元していきたいという思いが根本にある求職者の方が多いので、複数オファーをもらった際に意思決定の軸となることが非常に多いです。
また、Q4の具体的にどのように活かされているかの回答で、問題解決能力77.2%という結果は、弊社が企業様へご推薦ポイントとしている点でもあります。これはどんな仕事にも重要であり必要なものです。この点は、求職者の皆様も意識してほしいところで、研究職で培った経験とは、研究テーマそのものの知見や手技のみではなく、このような研究者(大学院生)のコンピテンシーを自覚し気づくことでキャリアの幅も拡がるかと思います。
一方、Q6の「経験が活かされていない」に関しては課題を感じます。就活時に、技術職でオファー(または総合職だが技術職希望)をもらっていたが、いわゆる「配属ガチャ」によって、全く専門性が活かされない部署・職種への配属となり、転職を検討される方が多数いらっしゃいます。正にコメント通りの転職理由です。
- 会社概要
創業 :2006年11月
代表者:代表取締役社長 山田 諒
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
資本金:1億1500万円
事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリク」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 就職・転職・人材派遣・アルバイトマーケティング・リサーチ
- ダウンロード