10月30日は『全国一斉商慣習見直しの日』 食品ロス削減のための商慣習見直し等の調査結果を公表

日配品の納品期限緩和・リードタイム延長の取組や、取引先からの提案の「受け入れ意向」も新たに公表

流研

公益財団法人 流通経済研究所 (理事長:加藤 弘貴) は、2012年より設置している「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」の活動の一環として、食品メーカー、小売事業者を対象とし、2026年も「商慣習見直しの取り組み等」に関する調査を実施いたしました。消費者の皆様にも食品ロス削減に積極的に取り組む事業者の商品や店舗を応援していただけるよう、今回の調査結果を広く社会に発信します。また、事業者の皆様に取り組みを拡大するよう呼びかけ、食品ロスの削減に貢献してまいります。 

調査概要

調査対象

食品メーカー、小売事業者等

調査期間

2026年9月1日~2026年9月30日

調査機関(主体)

公益財団法人 流通経済研究所
「食品ロス削減のための商慣習見直し検討ワーキングチーム」

調査・集計方法

質問票による調査

有効回答数

515社

調査実施の背景と目的 

「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」は、農林水産省と公益財団法人流通経済研究所が連携して運営している組織です。過剰在庫や返品などによって発生する食品ロス等は、フードチェーン全体で解決する必要があります。このため、食品メーカー、卸売業、小売業、有識者の意見交換の場を設置し、その取り組みを支援しています。 

食品ロス削減への社会的な要請が高まる中、食品流通業界における商慣習の見直しが着実に進展している状況を把握し、その取り組みを社会に広く発信することで、さらなる業界全体の取り組みを促進することを目的に、本調査を実施しています。 

2026年調査報告 ~主な取組と事業者数の推移 

食品メーカーの主な取組と事業者数、小売事業者の主な取り組みと事業者数は以下の通りです。 

※数値のない箇所は調査が行われていない。                                                                                                           ※小売事業者は納品期限の緩和、販売期限の延長、フードバンクへの食品寄贈、及びてまえどりについては常温加工食品と日配品のそれぞれにおける取組の有無を尋ねており、ここではそれぞれの回答事業者数を単純合計した。そのため事業者の重複がある。 

調査結果のポイント 

納品期限の緩和(常温加工食品)は393社に拡大し、400社まであと7社となりました(前年比16社増)。食品メーカー側では「賞味期限表示の大括り化」は377社(前年比12社増)、「賞味期限の延長」が420社(前年比27社増)、「安全係数を0.8以上で設定」が524社(同19社増)に拡大しており、食品メーカーと小売の取組が、引き続き両輪となって進んでいます。食品メーカーにおける「取引先への納品条件の見直しの提案や物流効率化の取組」が469社と、前年比60社増で既存の調査項目の中で最も大きく伸びました。小売事業者でも常温加工食品の「納品条件の見直しや物流効率化の取組」が34社増の247社となり、納品条件見直しや物流改善に向けた取組が活発となっています。本年度から、小売事業者の日配品の「納品期限の緩和」(49社)と「発注リードタイムの延長」(98社)についても取組事業者数の調査を開始、一定の取組が行われていることが確認されました。

新たに取引先からの提案を受け入れる意向のある小売事業者を公表 

サプライチェーン全体での食品ロス削減の一層の促進に向けて、今回から、食品メーカーや卸売業などの取引先からの納品期限緩和や発注リードタイム延長の提案があった場合に受け入れる意向のある小売事業者の社名を以下に公表します。本公表を参考に、食品メーカー・卸売業・小売業間での商慣習見直しに向けた連携強化につなげていただければ幸いです。

※ 提案を受け入れる意向のある小売事業者の一覧では、納品期限の緩和については、納品期限を賞味期限までの期間の最初の2分の1とする提案を受け入れる場合を「◎」、3分の1と2分の1の間とする提案を受け入れる場合を「○」としています。  

研究員コメント (まとめと今後の展望 )

食品メーカー側では賞味期限に関する見直しが引き続き拡大傾向にあり、さらに取引先への納品条件の見直しの提案や物流効率化の取組も進んでいます。小売側でも、納品期限緩和や発注リードタイム延長の取組、常温加工食品の納品条件の見直しや物流効率化の取組が活発化しており、サプライチェーン全体でのさらなる取組促進が期待される状況となっています。今後は、取引先からの提案を受け入れる意向のある小売事業者の公表を拡大し、食品メーカー・卸売業・小売業の連携によるサプライチェーン全体での食品ロス削減の一層の促進につなげていきたいと考えています。

事業者名の公表について 

取組事業者名は、当研究所の以下の公式サイトにて公表しております。 (公表を希望する事業者のみ掲載) 

URL:https://www.dei.or.jp/research/research08/data/20261030.pdf

取引先からの提案を受け入れる意向のある小売事業者の公表について 

提案を受け入れる意向のある小売事業者は、当研究所の以下の公式サイトにて公表しております。

URL:https://www.dei.or.jp/research/research08/data/20261030_002.pdf

取組内容と公表対象についての解説 

賞味期限表示の大括り化

賞味期限を「日付」ではなく「月」や「旬」で表示することを「大括り化」といいます。細かい日別管理でなくなることから納品期限切れを回避して出荷できる機会が拡大し、食品ロスの削減につながります。
賞味期限表示を大括り化(年月表示、日まとめ表示、旬表示など)を実施した(実施予定ありを含む)商品がある場合が公表の対象です。

賞味期限の延長

賞味期限の延長によって、在庫や消費のための期間が長くなり、食品ロス削減につながります。

2012年以降に賞味期限延長を実施した(実施予定ありを含む)商品がある場合が公表の対象です。

安全係数を80%以上で運用

安全係数とは賞味期限の実力値にかける一定の係数率のことで、乗じた結果が商品の賞味期限日数になります。事業者が決定しますが、安全係数を過度に低くすることなく、一定水準以上で設定できれば賞味期限が長くなり、流通や販売・消費のための期間が延びて、食品ロス削減には有効です。

現在、安全係数を80%以上で運用 している場合が公表の対象です。

フードバンクへの食品寄贈 

フードバンクへの余剰食品の寄贈は、食品を必要とする人々のために役立てられることに加え、食品廃棄のための費用や環境負荷を抑制します。

現在、フードバンクに対して、事業活動で発生する余剰食品、備蓄品、フードドライブで集めた食品、仕入先から集めた余剰食品等を寄贈している場合が公表の対象です。

納品条件の見直しや物流効率化の取組

サプライチェーン全体での食品ロス削減や物流効率化に資する場合には、食品メーカーが取引先に対して、納品条件の見直しや配送頻度の削減等の提案を積極的に行っていくことや、小売業が提案を積極的に検討することが期待されます。

取引先に対する納品期限緩和の提案や、受注日の翌々日納品・休配日の設定を行う食品メーカーを公表しています。また、常温加工食品の納品日の前々日発注や休配日の設定を実施している小売業を公表しています。

納品期限の緩和

商品の鮮度を確保するための基準で、通常、商品が店舗に納入できる期間を指します。これまで、日本では納品期限は一般的に「賞味期限の 2/3 残し」(いわゆる1/3ルール)が適用されてきました。

納品期限を賞味期限の最初の1/3よりも緩和している(緩和実施予定ありを含む)商品がある場合が公表の対象です。

リードタイムの延長

日配品は、食品メーカーが納品のために必要な量の生産を日々行っています。この際、小売業へのリードタイムが短いと、食品メーカーは受注後の生産では納品に間に合わないため、受注数量を予測し見込生産を行います。見込生産数と受注数に乖離が生じると、食品メーカー側で余剰が生じ、食品ロス発生につながります。小売業が発注を前倒ししリードタイムを長くすることによって、食品メーカーでは見込生産ではなく受注生産で対応できるようになり、食品ロスの削減につながります。食品メーカーでの効率的な車両手配にも寄与します。
日配品の発注リードタイムを2日以上に設定している場合が公表の対象です。

販売期限の延長

小売事業者等が設定するメーカーからの納品期限及び店頭での販売期限は、商慣習として製造 日から賞味期限までの期間を概ね3等分して設 定されている場合が多かったとされ(いわゆる「3分の1ルール」)、販売期限を過ぎた食品の多くは賞味期限に達する前に廃棄され、食品ロス発生の一つの要因とされています。

常温加工食品の場合、販売期限を賞味期限の残り1カ月よりも延長している場合が対象。日配品の場合、賞味/消費期限当日まで販売している場合が公表の対象です。

てまえどり

消費者が食品を購入する際、すぐに食べる予定がある場合に、商品棚の手前にある商品や、販売期限が近い商品を積極的に選ぶ購買行動のことです。消費者庁や環境省、農林水産省などが推進しており、「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」で消費者に求められる行動の一つに挙げられています。
本公表の対象となっているのは、調査において、店舗にて消費者に対し商品の「てまえどり」を促す啓発を行っていると回答した事業者です。

公益財団法人 流通経済研究所について

公益財団法人流通経済研究所は、流通・マーケティング分野を専門とするシンクタンクです。設立以来、流通・マーケティング分野において広く社会に貢献することを目的に研究調査活動を展開しております。

本件に関するお問い合わせ先

食品ロス削減のための商慣習見直し検討ワーキングチーム 事務局
公益財団法人 流通経済研究所
担当: 石川  寺田
HP:https://www.dei.or.jp 
〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル10階 

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会社概要

公益財団法人流通経済研究所

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URL
http://www.dei.or.jp
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル 10F
電話番号
03-5213-4531
代表者名
加藤弘貴
上場
未上場
資本金
-
設立
1966年10月