<保育士配置基準見直し|まもなく1歳児の職員配置改善加算開始>「期待している」保育士は63.0% 「保育士の精神的・身体的負担軽減」や「子ども一人ひとりに十分な目が行き届く」の期待あり

〜一方で、「処遇改善」や「人材確保」といった課題も浮き彫りに〜

株式会社 明日香

 株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、現役保育士・保育教諭108名を対象に、保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する定点調査を実施しましたので、お知らせいたします。

 なお、本調査では、2024年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。

  • 01|令和7年度の「保育士の配置基準見直し」について、63.0%から期待の声、2024年の63.4%と同水準

  • 02|配置基準見直しに対する期待、「保育士の精神的・身体的負担の軽減」(73.5%)や「子ども一人ひとりに目が行き届く」(63.2%)など

  • 03|国や自治体に求めたい支援策、第1位「保育士の処遇改善」(73.1%) 第2位「人材確保への支援」(45.4%)

本調査のダウンロードはこちら:https://bit.ly/43EpkTD

■調査概要

  • 調査名称:保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する定点調査

  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査

  • 調査期間:2025年2月18日〜同年2月20日

  • 有効回答:現役保育士・保育教諭108名

※1|【2024年版】保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する定点調査:2024年5月1日〜同年5月3日|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000043389.html

※2|合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。

≪利用条件≫

1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。

2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。

URL:https://konnect-labo.jp/

■現役保育士の70.4%が、勤務先の「配置数」または「処遇」が不十分と回答、2024年比7.8ポイント増

 「Q1.今現在、勤務している園の配置数と処遇について、どのように感じていますか。」(n=108)と質問したところ、「配置数・処遇ともに十分」が29.6%、「配置数は十分だが、処遇が不十分」が28.7%という回答となりました。

Q1.今現在、勤務している園の配置数と処遇について、どのように感じていますか。

<2025年(n=108)>

・配置数・処遇ともに十分:29.6%

・配置数は十分だが、処遇が不十分:28.7%

・処遇は十分だが、配置数が不十分:17.6%

・配置数・処遇ともに不十分:24.1%

<2024年(n=104)>

・配置数・処遇ともに十分:32.6%

・配置数は十分だが、処遇が不十分:18.3%

・処遇は十分だが、配置数が不十分:5.8%

・配置数・処遇ともに不十分:38.5%

・わからない:4.8%

■「保育士の配置基準見直し」について、63.0%から期待の声、2024年の63.4%と同水準

 「Q2.令和7年度に予定されている1歳児クラスの配置基準の見直しについて、どの程度期待していますか。」(n=108)と質問したところ、「非常に期待している」が27.8%、「やや期待している」が35.2%という回答となりました。

Q2.令和7年度に予定されている1歳児クラスの配置基準の見直しについて、どの程度期待していますか。

<2025年(n=108)>

・非常に期待している:27.8%

・やや期待している:35.2%

・あまり期待していない:23.1%

・全く期待していない:4.6%

・わからない:9.3%

<2024年(n=104)>

・非常に期待している:33.6%

・やや期待している:29.8%

・あまり期待していない:26.9%

・全く期待していない:8.7%

・わからない:1.0%

■配置基準見直しに対する期待、「保育士の精神的・身体的負担が軽減される」や「子ども一人ひとりに十分な目が行き届く」が上位

 Q2で「非常に期待している」「やや期待している」と回答した方に、「Q3.どのような点に期待しているか、具体的に教えてください。(複数回答)」(n=68)と質問したところ、「保育士の精神的・身体的負担が軽減される」が73.5%、「子ども一人ひとりに十分な目が行き届くようになる」が63.2%、「安全面での配慮が行き届くようになる」が60.3%という回答となりました。

Q3.どのような点に期待しているか、具体的に教えてください。(複数回答)

・保育士の精神的・身体的負担が軽減される:73.5%

・子ども一人ひとりに十分な目が行き届くようになる:63.2%

・安全面での配慮が行き届くようになる:60.3%

・働きやすい環境が整備される:47.1%

・給与などの待遇が改善される:32.4%

・該当クラスだけでなく施設全体の保育の質が向上する:30.9%

・休憩時間が確実に取れるようになる:30.9%

・保育時間以外の業務(書類作成など)の時間が確保できる:26.5%

・有給休暇が取得しやすくなる:23.5%

・その他:1.5%

・わからない/答えられない:0.0%

■「他の年齢についても前向きに検討して欲しい」や「発達課題への対応」などに期待する声も

 Q3で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q4.Q3で回答した以外に、配置基準の見直しに期待することがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=68)と質問したところ、「他の年齢についても前向きに検討して欲しい」や「発達課題への対応」など39の回答を得ることができました。

<2025年(n=68):自由回答・一部抜粋>

  • 他の年齢についても前向きに検討して欲しい。

  • 発達課題への対応。

  • できれば4対1までやってもらいたい。

  • 配置基準が5対1になることで、保育士の負担(精神的、書類、安全確保)などが軽減され、保育士になりたい人材が増えることを期待します。

  • 夜間を厚めに。

  • 子ども1人ひとりをしっかり見ることができる。特に1歳児はイヤイヤ期なので1人がイヤというと周りの子もつられたりでやることができなくなる。主体的に動くとはいえ、配置基準が見直されないと叶わない。例えば1人は外、他は室内にいたい、室内でも部屋がいい子もいれば他教室で遊びたい等もあったら6人に対して1人で見るのは困難。

  • 子どもにも保護者にもより丁寧なかかわりができるようになる。何より今の基準が安全を満たせないほど不十分のため、早く適正人数にしてほしい。

<2024年(n=66):自由回答・一部抜粋>

  • 制度ができたことで職場環境や待遇の改善に期待できると感じたから。

  • 現代の子どもの姿や保育者への対応は、以前とは違い、子ども保護者ともに支援が必要な家庭が多い。そのため、子どもの人数に対する職員の数の比率を低くしてほしい。

  • 現代の保育にあわせた人員や必要に応じた加配の配置。

  • 人員配置により子どもたちとの時間が増える。

  • 保育士の負担が減り、より良い保育につながる。

  • 保育士のみならず、保育園勤務の栄養士や調理士他への処遇も考えてほしいです。保育園は保育士だけで成り立っているのではないです。

  • 認定こども園でほとんどが保育園部のため、3、4、5歳児の担任が1名だと休憩や書類作成の時間が取れず、休みも取りにくい。補助で入る介助員も免許がないので、免許所持している保育教諭が複数担任制になれば、もっと負担が少なく子どもとじっくり向き合えると思う。

■配置基準見直しによる業務改善、「より安全を確保できる」が70.6%で最多、2024年から29.2ポイント増加

 Q2で「非常に期待している」「やや期待している」と回答した方に、「Q5.配置基準が見直しされることによって業務のどのような部分が改善されると思いますか。(複数回答)」(n=68)と質問したところ、「より安全を確保できる」が70.6%、「精神的な負担が減る」が61.8%、「「目」が増えることで、子ども一人ひとりの成長に見合った保育が実践できる」が48.5%という回答となりました。

Q5.配置基準が見直しされることによって業務のどのような部分が改善されると思いますか。(複数回答)

<2025年(n=68)>

・より安全を確保できる:70.6%

・精神的な負担が減る:61.8%

・「目」が増えることで、子ども一人ひとりの成長に見合った保育が実践できる:48.5%

・時間外労働が減る:41.2%

・書類業務の見直しに使える時間が増える:38.2%

・保育者同士のコミュニケーションに割ける時間が増える:35.3%

・保護者とのコミュニケーションに割ける時間が増える:17.6%

・その他:0.0%

・特にない/わからない/答えられない:0.0%

<2024年(n=58)>

・精神的な負担が減る:53.4%

・保育者同士のコミュニケーションに割ける時間が増える:50.0%

・「目」が増えることで、子ども一人ひとりの成長に見合った保育が実践できる:44.8%

・より安全を確保できる:41.4%

・時間外労働が減る:37.9%

・書類業務の見直しに使える時間が増える:37.9%

・保護者とのコミュニケーションに割ける時間が増える:34.5%

・その他:1.7%

 ー41歳:子どもとじっくり向き合える

・わからない/答えられない:1.7%

■「不適切保育が起こりにくくなることや、働き方が改善されて持ち帰り残業が減ること」や「主体的保育の実現ができる」などの改善点も

 Q5で「特にない/わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q6.Q5で回答した以外に、「保育士の配置基準が見直されることによって改善される」と思う業務があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=68)と質問したところ、「保育士の精神的負担が軽減され、不適切保育が起こりにくくなることや、働き方が改善されて持ち帰り残業が減ること」や「主体的保育の実現ができる」など38の回答を得ることができました。

<2025年(n=68):自由回答・一部抜粋>

  • 保育士の精神的負担が軽減され、不適切保育が起こりにくくなることや、働き方が改善されて持ち帰り残業が減ること。

  • 書類の負担が減る。

  • 園児の年齢ごとに、配置する。

  • 噛みつきや引っ掻き専用に見る保育士をつくる。

  • 配置基準の見直しにより、職員が増えることは日誌や連絡ノート、行事の担当など、様々な業務がまわる回数が減り、一人が担う仕事量(=時間的、精神的負担)が改善されると思う。

  • 主体的保育の実現ができる。

<2024年(n=57):自由回答・一部抜粋>

  • さまざまなカリキュラムの充実。

  • 時差勤務の見直し。

  • 連絡ノートや書類などの作業も分担する人が増えれば一人一人の負担が減る。

  • 次の日の保育の準備に職員数が増えれば、手分けして効率的に作業ができる。

  • より良い保育についての話し合いの時間が増えることにより、保育の質が上がると考えます。新卒の保育士の就職も期待できる。

  • 行事の準備などの業務負担の軽減。

  • 愛着面に課題のある子どもや障がいのある子どもにもよりじっくり向き合えるようになる。

■約半数が、1歳児クラスの配置基準を見直しても「保育の質が向上しない」と回答

 「Q7.1歳児クラスの配置基準を見直しても、保育の質が向上しないと思いますか。」(n=108)と質問したところ、「非常にそう思う」が15.7%、「ややそう思う」が32.5%という回答となりました。

Q7.1歳児クラスの配置基準を見直しても、保育の質が向上しないと思いますか。

・非常にそう思う:15.7%

・ややそう思う:32.5%

・あまりそう思わない:31.5%

・全くそう思わない:12.0%

・わからない/答えられない:8.3%

■保育の質が向上しない理由、「保育士の確保自体が難しいから」が約6割

 Q7で「非常にそう思う」「ややそう思う」を回答した方に、「Q8.1歳児クラスの配置基準を見直しても、保育の質が向上しないと思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=52)と質問したところ、「保育士の確保自体が難しいから」が57.7%、「配置基準の見直しだけでは根本的な解決にならないから」が48.1%、「現場の実態を反映していないから」が32.7%という回答となりました。

Q8.1歳児クラスの配置基準を見直しても、保育の質が向上しないと思う理由を教えてください。(複数回答)

・保育士の確保自体が難しいから:57.7%

・配置基準の見直しだけでは根本的な解決にならないから:48.1%

・現場の実態を反映していないから:32.7%

・保育の質は人数だけの問題ではないから:30.8%

・現時点ので処遇改善が不十分だから:26.9%

・園の運営方針や体制に問題があるから:17.3%

・実効性に疑問があるから:17.3%

・経営面での負担が大きいから:17.3%

・その他:0.0%

・わからない/答えられない:1.9%

■国や自治体に求めたい支援策、第1位「保育士の処遇改善」

 「Q9.配置基準の見直しと併せて、国や自治体に求めたい支援策を教えてください。(複数回答)」(n=108)と質問したところ、「保育士の処遇改善」が73.1%、「人材確保への支援」が45.4%、「事務作業の効率化支援」が38.0%という回答となりました。

Q9.配置基準の見直しと併せて、国や自治体に求めたい支援策を教えてください。(複数回答)

・保育士の処遇改善:73.1%

・人材確保への支援:45.4%

・事務作業の効率化支援:38.0%

・施設整備への補助:33.3%

・保育者要件の定義変更・規制緩和:25.9%

・研修機会の提供:22.2%

・ICT化への支援:21.3%

・園運営に関する相談体制の整備:18.5%

・その他:2.8%

 ー保育士の質の向上

 ー基本給の見直し

 ー保護者の質。園からのお願いを素直に聞き入れてほしい

・特にない:0.0%

・わからない/答えられない:3.7%

■まとめ

 今回は、現役保育士・保育教諭108名を対象に、保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する定点調査を実施しました。

 まず、「保育士の配置基準見直し」について、現役保育士の63.0%から期待の声が寄せられ、2024年の63.4%と同水準になりました。また、配置基準見直しに対する期待としては、「保育士の精神的・身体的負担の軽減」(73.5%)や「子ども一人ひとりに目が行き届く」(63.2%)などが挙げられ、配置基準見直しによる業務改善については、「より安全を確保できる」が70.6%(2024年比29.2ポイント増)で最多となっています。一方で、約半数が、1歳児クラスの配置基準を見直しても「保育の質が向上しない」と感じており、その理由について、約6割が「保育士の確保自体が難しいから」と回答しました。最後に、国や自治体に求めたい支援策については、第1位「保育士の処遇改善」(73.1%)、第2位「人材確保への支援」(45.4%)の結果が出ています。

 今回の調査では、多くの保育士が配置基準の見直しに期待を寄せる一方、それだけでは保育の質が向上しないと感じている実態が明らかになりました。処遇改善や人材確保など、包括的な支援を求める声も多く寄せられています。保育士の確保が難しい現状で、配置基準見直しの実効性を高めるためには、処遇改善や業務効率化といった施策をあわせて進めることが不可欠でしょう。

本調査のダウンロードはこちら:https://bit.ly/43EpkTD


■「子ねくとラボ」について

「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。

事業名   :子ねくとラボ

事業責任者 :末廣 剛

URL   :https://konnect-labo.jp/

サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス

       ・保育施設向け研修&巡回サービス

       ・保育専門実証実験 コーディネートサービス

       ・スタートアップ支援サービス


■会社概要

会社名  :株式会社 明日香

設立   :1994年8月30日

代表取締役:萩野 吉俗

所在地  :東京都文京区小石川5丁目2番2号 明日香ビル3F

事業内容 :■保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)

      ■地方自治体と連携した子育て支援事業

      (児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)

      ■保育に関わる人材の派遣・紹介

      (保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)

      ■訪問型子育て支援

      (ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、地方自治体の委託業務)

      ■保育施設向け研修・巡回支援

      ■新規保育事業の開発及びコンサルティング

URL   :https://www.g-asuka.co.jp/

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上場
未上場
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