肥満と労働生産性低下の関連が示唆 2.7万人の日本人データをもとに新たな研究結果を発表
· 労働生産性の損失は、標準的なBMI (20以上25未満) で最少、BMI値が高くなると大きくなる可能性が示唆された
· BMI値にかかわらず、肥満に関連する健康障害の種類数が多いと、仕事・学業や日常生活への支障度が高い傾向が見られた
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 (代表取締役社長:キャスパー ブッカ マイルヴァン、本社:東京都千代田区) は、2025年10月4日~5日に開催された第62回日本医療・病院管理学会学術総会にて、日本の一般人口における肥満と生産性に関するリアルワールドデータ研究の結果をポスター発表しました。
本研究結果から、日本人において、肥満 ・過体重*が労働や勉学、日常生活の生産性に影響している可能性が示唆されました。また体格指数 (BMI) 値に関わらず、肥満に関連する健康障害の数が多いほど、日常生活の支障度が高い傾向が見られました。
これらの結果は、過体重や肥満、肥満に関連する健康障害が日々の活動に負荷を与える可能性を示唆しており、体重管理や健康的な生活習慣の重要性を改めて強調するものです。
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 医療政策・渉外本部 本部長の濱田いずみは次のように述べています。「今回の研究は、日本人の一般人口において肥満と生産性の関連を調べた希少な大規模データ研究事例であり、BMI の区分における、労働生産性・活動障害の程度を示す値であるWPAI (Work Productivity and Activity Impairment) ¹値を示したものです。肥満は世界中で増加している健康課題のひとつであり、2型糖尿病や冠動脈疾患、アルツハイマー病など認知症の合併症 を引き起こすだけでなく、日々の生活にも影響を及ぼす可能性があります。ところが日本においては、疾患としての肥満症の認知度は13%とまだまだ低く、多くの患者さんが受診に消極的な状況です。² 肥満症の認知を高めるため、今後も啓発活動を継続してまいります。」
ノボ ノルディスクは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服するというパーパスのもと、深刻な慢性疾患である肥満症のアンメットメディカルニーズに応え、その治療と根治を目指して取り組んでいます。肥満症についての正しい理解を浸透させ、患者さんが最適な検査・治療を受けられるよう尽力してまいります。
リアルワールド研究について
本研究は、日本に居住する一般住民における肥満と生産性損失の関係を明らかにすることを目的として実施した横断研究です。NHW※1 2024年度版パネルに登録された、日本に居住する18歳以上の男女27,740名 (BMI 20以上) を対象に、肥満と生産性を検討しました。
※1 NHWSは、Oracle社が提供する当事者報告アウトカムデータベース。世界各国の一般成人を対象として実施されている大規模な横断的オンライン調査であり、日本においては2024年に18歳以上の3万人が、性別および年齢構成が日本の人口構成に合致するように選定されている。
主な結果
· 標準 BMI (20-24.9) より高いBMI区分 (25-26.9, 27-29.9, 30-34.9, 35以上) では、肥満度が高くなるにつれて仕事・学業や日常生活における支障の程度が大きくなる傾向が見られました。
この傾向は、肥満に関連する健康障害がないグループや、肥満に関連する健康障害が2種類以上ある (うち1つが耐糖能異常/2型糖尿病、脂質異常症、高血圧のいずれか) グループに分けた場合でも同様でした。
· 肥満に関連する健康障害の種類数が多いグループでは、BMI区分に関わらず、肥満に関する健康障害のない集団よりも仕事・学業や日常生活の支障度が高い傾向が見られました。
*本資料における「肥満」とは、体格指数 (BMI) 30 kg/m2以上を「肥満」 (BMI 25 kg/m2以上30 kg/m2未満は「過体重」) とする世界保健機関 (WHO) の国際基準に基づいています。日本では、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI 25 kg/m2以上のものが「肥満」と定義され、また日本における「肥満症」は、肥満があり、肥満に起因ないし関連する健康障害*¹を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態と定義されています。
*1 肥満症の診断に必要な健康障害:
1. 耐糖能障害 (2型糖尿病・耐糖能異常など)
2. 脂質異常症
3. 高血圧
4. 高尿酸血症・痛風
5. 冠動脈疾患
6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
8. 月経異常・女性不妊
9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10. 運動器疾患 (変形性関節症:膝・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
11. 肥満関連腎臓病
「TRUTH ABOUT WEIGHT 肥満症を知る」について
「TRUTH ABOUT WEIGHT 肥満症を知る」は、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社が運営する、“肥満症を正しく理解する”をコンセプトに、肥満症とともに生きる方とそのご家族、および肥満改善を目指す方々をサポートするウェブサイトです。肥満症や肥満のさまざまな要因を解説する記事や、クイズとともに肥満症について学べる肥満症リテラシー検定、肥満や肥満症と生きる人々のインタビュー記事など、さまざまなコンテンツを掲載しています。(https://www.truthaboutweight.global/jp/ja.html)
参照資料:
1. Reilly MC, Zbrozek AS, Dukes EM. The validity and reproducibility of a work productivity and activity impairment instrument. PharmacoEconomics 1993; 4(5):353-65
2. ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 「【全国調査】ノボ ノルディスク ファーマ、2025年度版「肥満」と「肥満症」に関する日本人9,400名の意識実態調査結果を発表」 (2025年9月30日)
https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/news/media/2025/09/25-47.pdf
ノボ ノルディスクについて
ノボ ノルディスクは、1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボ ノルディスクは現在80カ国に約78,400人の社員を擁し、製品は約170カ国で販売されています。日本法人のノボ ノルディスク ファーマ株式会社は1980年に設立されました。詳細はウェブサイトをご覧ください。 (www.novonordisk.co.jp)
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