ウェーハメーカー向け高感度・高スループットウェーハ表面検査装置「LS9300AD」を発売
低アスペクトな微小欠陥の検出を可能にし、検査コスト削減および歩留まり向上に貢献
日立ハイテクは、低アスペクトな微小欠陥の検出を可能にした高感度・高スループットな本製品をウェーハメーカーに提供することで、お客さまのウェーハ出荷時の検査コスト削減および半導体デバイス製造における歩留まり向上に貢献します。
*1低アスペクト:アスペクト比とは、広義には長方形の縦横比を表し、本リリースにおいて、「低アスペクト」とは、ウェーハ表面および裏面に存在する凹凸状の欠陥において、深さと幅の比率が極めて小さい微小欠陥を指す。
*2 ウェーハエッジグリップ方式:検査時のウェーハ固定を端(エッジ)のみにする方法
■新製品開発の背景
パターンなし(回路パターン形成前)ウェーハ表面および裏面検査は、ウェーハ出荷・受け入れ時の品質保証やさまざまな半導体デバイス製造工程の異物管理などに適用されてきました。
ウェーハメーカーにおいては、ウェーハ製造の過程で発生する欠陥や異物を検査する品質管理に活用されています。昨今では、半導体デバイスの微細化・複雑化に伴い、半導体デバイスの製造工程において歩留まりに影響を与える欠陥・異物のサイズも微小になり、ウェーハ表面・裏面に存在する低アスペクトな微小欠陥を含めたあらゆるタイプの欠陥管理のニーズが高まっています。また、社会環境の変化に応じて用途や使用量が拡大し、半導体生産量の増加が予想される中、検査コスト抑制の観点からも、高感度かつ高スループットな検査装置が求められています。
■主な新技術
本製品では、従来の暗視野式レーザー散乱に加え、新技術であるDIC光学系を搭載することにより、高感度・高スループット検査と低アスペクトな微小欠陥検出の両立を実現しました。
(1) DIC光学系の搭載
暗視野用レーザーをウェーハ表面に照射しながら、DIC用レーザーからも分離した2光線をウェーハ表面の異なる2点に照射します。DIC用レーザーから照射した2点において、ウェーハ表面の高さに相違がある場合、そこから生じる微分干渉信号の位相差より、高コントラストなウェーハ表面の凹凸画像を形成します。これにより、従来検出が難しかったウェーハ表面に存在する低アスペクト微小欠陥の高さ、面積、位置情報などが検出可能です。
(2) DIC対応新データ処理システムの採用
DIC光学系の搭載に伴い、暗視野式レーザー散乱光学系とDIC光学系により得られる欠陥情報のデータ処理システムをそれぞれに搭載しました。これにより、暗視野式レーザー散乱とDIC光学系の検査マップを同時に出力でき、検査の迅速性を維持しながら、低アスペクトな欠陥データを含む高感度な検査を実現しました。
日立ハイテクは、本製品をはじめとする光学技術を用いたウェーハ検査装置や電子線技術を用いた測長SEM(CD-SEM*3)などの製品を通して、お客さまの半導体製造プロセスにおける加工・計測・検査工程での多様なニーズに対応してまいります。
今後も、プロダクトにデジタルを加えた革新的なソリューションをタイムリーに提供し続けるとともに、お客さまとともに新たな価値を創造し、最先端のモノづくりに貢献いたします。
*3 CD-SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope):ウェーハ上に形成された半導体の微細な回路パターンの線幅や穴径等の寸法を高精度に計測する装置
■「LSシリーズ」製品紹介ウェブサイト
■日立ハイテクについて
日立ハイテクは、2001年、株式会社日立製作所 計測器グループ、同半導体製造装置グループと、先端産業分野における専門商社である日製産業株式会社が統合し、誕生しました。2020年、日立製作所の完全子会社となり連携を強化していくことで、社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現をめざしています。
医用分析装置、バイオ関連製品、半導体製造装置、分析機器、解析装置の製造・販売に加え、社会・産業インフラ、モビリティなどの分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、グローバルな事業展開を行っています(2023年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,742億円)。
詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja )をご覧ください。
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