【台湾情報】台湾蓄電システム産業の概況と展望<ワイズ機械業界ジャーナル2022年7月第3週号発行>

〜台湾エネルギー・機械・自動車業界の最新動向を分析する〜

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年7月第3週号を発行しました。今週号では、機械設備業界、エネルギー業界、車両LEDライトメーカーの聯嘉光電(Excellence Optoelectronics) 、機械設備業界の動向をご紹介します。

<最新号目次>
  • 台湾機械設備製造業の産業トピックと2022年の展望
  • 台湾蓄電システム産業の概況と展望
  • 車両LEDライトメーカー、聯嘉光電(Excellence Optoelectronics) 
  • スマート機械産業振興プラン2.0 台湾をアジアの「ハイエンド製造センター」に(後編)   
<台湾蓄電システム産業の概況と展望>
2020年以前はkW級の蓄電システムが大半

 台湾蓄電システム産業の製品は無停電電源装置(UPS)から産業用の固定設置型電源、電力管理用製品、防災用の予備製品などに拡大し、最近では再生可能エネルギー発電装置と組み合わせる電力網向け蓄電システムの開発が進められている。2020年までは電力網向けの蓄電システムの多くはキロワット(kW)レベルのモデル運用にとどまり、体系的かつ大規模な整備は進められなかったが、産官学で製品、技術のノウハウが蓄積されてきている。
例えば、行政院原子能委員会核能研究所により台湾初の100キロワット級マイクログリッド(小規模電力網)試験施設の設置が完了して以降、技術移転を受けた大同(TATUNG)が屏東県政府を支援する形で、林辺光采湿地にマイクログリッドモデル園区が設置された。

電力網向け蓄電システム産業の18年生産額は小幅増


 台湾の蓄電システム関連メーカーは▽電池・蓄電装置メーカー、▽電池・蓄電装置モジュール設計・製造会社、▽蓄電サブシステム統合・製造メーカーの3種類に分類できる。これら3種類の分野の全てに参入している垂直統合型のメーカーもある。
 台湾の蓄電システム・部品メーカーは、2018年までは日本や欧米を主なターゲット市場とし、家庭・工業・商業用の小型蓄電システム・部品を主力製品としていた。台湾では市場が十分に成熟していないことなどから、蓄電システムは試験運用の段階にとどまっていたのだ。海外での蓄電システム市場拡大に伴い、台湾電力網向け蓄電システム産業の18年の生産額は13億6500万元と前年比で小幅増加した。

22年の蓄電システム設置は100MWどまりへ、電池不足と資金コスト上昇
 台湾では蓄電システムは電力の周波数調整、緊急事態などへの迅速な対応、ピークシフトを目的に活用されている。政府は21年、電力網向け蓄電システムの出力規模目標を25年までに1000メガワット(MW)へと従来の590メガワットから引き上げた。22年には太陽光発電と組み合わせる500メガワットの蓄電システム導入目標も定めた。
 風力発電所での蓄電システム設置も奨励されている。デンマークの洋上(オフショア)風力発電大手、オーステッドは彰化師範大学のキャンパスに、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)の蓄電システムを導入した。台湾電力(台電、TPC)は再生可能エネルギー発電装置の密集地や変電所の周辺に蓄電システムの設置を進めている。
 一方、蓄電システムの導入に意欲を示す大口電力使用者は全体の3.4%にとどまっている。現行法では大口電力使用者はTPCの電力支援サービスに参入できないためだ。
 電力需要のピーク時に供給がひっ迫しがちな台湾では、蓄電システムの電力が電力取引プラットフォームで高く売れることが、民間企業が蓄電システムを設置する最大のインセンティブになっている。
 台湾の蓄電システムの出力規模は22年6月現在、TPCが調達する15メガワットと、民間企業が電力取引プラットフォーム向けに設置した23.3メガワットの計38.3メガワットに達している。民間企業の蓄電システム設置意欲は強く、同月現在、申請規模は3906メガワットに上る。ただ、最近は電池などの部品不足や資金コストの上昇により、一部の設置工事が遅れており、22年通年の設置規模は100メガワットにとどまる見通しだ。

台湾蓄電システム市場、2030年に20GWhへ
 再生エネルギー産業の市場調査会社、インフォリンクの調査によると、▽TPCが25年までに自社設置分を含めて容量1ギガワット(GW)の蓄電システムを導入する目標を掲げている、▽電力使用量が5メガワットを超える大口使用者に、一定比率でグリーンエネルギーを導入するよう求められていることなどから、台湾の蓄電システム市場は23年から大きく拡大し、25年に累積容量は3ギガワット時(GWh)を上回り(つづく)
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設立:1996年11月
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業種
サービス業
本社所在地
中華民国台北市襄陽路9號8F 富邦銀行襄陽分行大樓
電話番号
-
代表者名
吉本康志
上場
未上場
資本金
7000万円
設立
1996年11月