「実録・クマ立てこもり事件」現場に向かった獣害対策公務員によるレポートとクマ被害対策記事を京都府福知山市公式noteにて公開
全国でクマの被害が多発し、2024年4月にクマが指定管理鳥獣に追加されるなか、京都府福知山市で2024年4月18日~4月19日に発生した、レストランの敷地内倉庫に野生のツキノワグマが侵入する事件。
現場の最前線で対応を行った福知山市役所の鳥獣対策員(獣害対策専門公務員)の目線で事件を振り返った実録レポート(前編)と、今回の事件を踏まえて地域レベルではどういった対策ができるかという心構えに関するレポート(後編)の2本立ての記事を、福知山市公式noteで公開しました。
本件では人身被害はありませんでしたが、それで終わらせず、経験を共有して啓発につなげるために執筆した、前後編合わせて6000字を超えるレポートです。
記事(京都府福知山市公式note)
〇前編
実録・クマ立てこもり事件。獣害対策公務員が現場の目線で振り返る
https://fukuchiyama-city.note.jp/n/nc50599695920
〇後編
全国で多発するクマ事件…共生するために、ヒトはどう振る舞えば。獣害対策公務員がクマの目線で考える
https://fukuchiyama-city.note.jp/n/n4339a318f0a4
※本記事は、レストラン、警察署など関係者の了承をいただいて公開しています。
過去の獣害対策公務員note記事一覧
京都府福知山市で「有害獣対策の公務員」として働くモチヅキが書いたnoteをまとめています。(全9本)
市町村で初の獣害対策専門職員です。
https://fukuchiyama-city.note.jp/m/m72fad316ff23
(参考) 京都府福知山市のクマ事情
例年、京都府福知山市では年間100件程度のクマの目撃の通報があります。
過去6年間の目撃件数を月ごとのグラフにすると、5月~6月(GW~梅雨明け)と9月下旬~11月上旬(柿の実が熟す時期)の年間2回、目撃件数のピークが発生する傾向が読み取れます。
2024年度の5月末時点でのクマの目撃件数は25件であり、これは過去6年間で最多となっていますが、現在は1つ目の目撃のピークであると考えられるため、年間を通じた目撃数が今後どのように推移していくかは予測できません。
<過去6年間の目撃件数の推移>
クマを目撃した状況としては、「車の運転中に道路を横切るクマを目撃した」という内容が多いため、目撃箇所は見通しの良い国道9号線などの幹線道路沿いが多くなる傾向がありますが、位置図に示した通り、市内全域で目撃情報が寄せられています。(年ごとに目撃箇所の多寡にばらつきはあります)
ツキノワグマの1日の平均移動距離は2.3㎞程度という研究結果が出ています。
(群馬県林業試験場「ツキノワグマの行動~GPS首輪によるモニタリングについて~」2008)
しかし、これから6月~8月頃にかけてツキノワグマは繁殖期を迎えるため、オスグマはパートナーを求めて行動域が拡大し、1日に10㎞以上も移動する個体も出てきます。
行動域が拡大するということは、人間と遭遇する可能性も高まるということになるため、今後もクマの目撃情報を注視するとともに、他人事ではなく、誰もがクマに遭遇する可能性があり得るという意識を持つことが重要になります。
また、クマを人家や集落付近に近づけないようにするためには、可能な限り餌となり得るものを排除して、「クマにとって魅力の無い集落づくり」を進めることがポイントです。家庭ごみの管理や柿などの果樹を放置しないよう、集落ぐるみで対策を行うことが重要となります。
▼(参考) 京都府福知山市は、特徴的な獣害対策を進めています。
〇【農林水産大臣賞受賞】地域主体の「モンキーキャッチプロジェクト」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000130.000053572.html
〇【獣害×ICT】「低コストのICTわな」開発を目指して市と福知山公立大学が連携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000147.000053572.html
〇獣害対策の専門員による獣害対策出前講座
https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/27/58361.html
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