過去累計1件だったスキマバイト採用が単月38件へ 徳島県内の営農事業者で「徳島マッチボックス」の活用進む
~農業分野での成果を踏まえ、徳島県が農業事業者向けのセミナーを開催、他業種への普及も加速~
株式会社Matchbox Technologies(本社:新潟県新潟市中央区、代表取締役社⻑:佐藤 洋彰、以下当社)が徳島県(県知事:後藤田正純)と連携・協働して運営する、徳島県連携スポットワークプラットフォーム「徳島マッチボックス」は、本年8月1日(金)にサービスを開始して間もない中、農業分野での活用が最も進捗し顕著な成果を上げています。このポジティブな成果は、スポットワーク導入を検討する多くの事業者にとって、好事例となるものです。これは、スポットワークと親和性が高いとされる飲食業や小売業などでの活用が多くなるという当初の予想に反した結果となりました。
この度、徳島県は、農業分野での成功事例を広く共有し、県内全域の労働力不足解消をさらに推進するため、11月20日(木)に県内の生産者や県関係機関に向け「徳島マッチボックス」の活用促進セミナーを開催します。県主催による業種を限定した説明会の開催は、今回が初めてです。
徳島マッチボックス:https://matchbox.jp/tokushima/top

■日本の農業における人手不足の課題ー農業従事者の高齢化と繁忙期の労働力不足
全国の農業現場では、労働力不足と高齢化が年々深刻化しています。農林水産省の統計によると、2024年時点で農業従事者の平均年齢は 69.2歳で、65歳以上が全体の70%以上を占めます(※1)。若年層の新規就農者は年間約1.5万人にとどまり、人口減少に伴い労働力の供給は縮小傾向です。
とくに、果樹や野菜の収穫期など繁忙期に集中して必要となる短期労働力は確保が難しく、地域によっては作業が人手不足のため遅延し、農産物の品質低下や収穫量減少につながるケースも報告されています。こうした状況は全国共通の課題であり、持続可能な農業を実現するためには、柔軟な労働力確保の手段を整備することが急務となっています。
※1 出典:農林水産省『令和6年度 食料・農業・農村白書』第3節「担い手の育成・確保と多様な農業者による農業生産活動」
■農業従事者によるスポットワーク活用の広がりと「徳島マッチボックス」の活用
「徳島マッチボックス」とは、デジタル技術を活用して県内外の多様な人材と地元企業をつなぐ新たな就労機会促進事業として、当社と徳島県が連携・協働して本年8月1日(金)にサービスを開始した、スポットワークプラットフォームです。短時間の就労を通じて、子育て中の方やシニア層など多様な人材が自分の生活スタイルに合わせて活躍できます。

「徳島マッチボックス」では、1日・数時間単位から柔軟に働くことができ、スマートフォンなどから手軽に応募できるため、若い世代や未経験者を含む多様な人材が農業への挑戦を始めやすくなっています。また、農業現場の実態に合わせて短期労働力を柔軟に確保できるため、収穫期などの繁忙期に集中して必要となる人手不足の課題にも迅速に対応可能です。
これらの特徴により、スポットワークは農業分野が直面する「就農者の高齢化」と「繁忙期の労働力不足」という課題解決の有力な手段となっています。地域や現場に合った柔軟な雇用・就農のかたちが、新たな担い手の確保や定着を後押ししています。
全国的にみても、農業事業者によるスポットワークの活用が広がっています。
富山県の「富山あぐりマッチボックス」では、昨年11月からの四か月の実証期間中に、県内の農業事業者の約15%にあたる116社が登録し、合計220件以上の採用と1,140時間の労働時間を生み出しました。20代を中心とした若年層や農業未経験者が多く参加し、61名のリピート就農者の定着などの成果を受けて、2025年度からは富山県の正式事業として運用が開始されました。
■農業分野で予想を上回る活用成果ー徳島県阿南市「清流ファーム」様の活用事例
「徳島マッチボックス」を活用中の清流ファーム様は、徳島県阿南市で約16ヘクタールを管理し、環境に配慮した農法で可能な限り農薬・化学肥料を使わずにお米や小松菜を生産しています。清流ファーム様では、米農家特有の繁忙期である田植え・稲刈り時期に一気に人手が必要となり、以前から「繁忙期に人を呼びたい」という課題を抱えていましたが、自力で人材を確保するのは難しい状況でした。そうしたなか、県の連携事業であることやサポート体制の充実への安心感が後押しとなり「徳島マッチボックス」を導入した結果、現在では単発で柔軟に働きたい地域の人材とつながることで人手不足を解消しています。
運用方法と活用実績
清流ファーム様では、主に草刈りや収穫機が使用できない場所での稲刈り作業を求職者に依頼しています。利用開始からわずか一か月ほどで、「徳島マッチボックス」への求人掲載件数は53件、応募件数は59件、うち採用件数は38件となりました(8月末時点)。多くの応募者は農業未経験でしたが、草刈り機やトラクターの扱いを短時間で習得し、即に大きな戦力として活躍しています。また、清流ファーム様が、未経験者に対しても将来性を踏まえた評価を行うことで、リピート勤務と定着につながっています。
セルフソーシングの活用
清流ファーム様では、「マッチボックス」の機能のひとつである「セルフソーシング機能(※2)」を活用しており、登録した「自社メンバー(※3)」に向けて求人を優先的に案内しています。現在の「自社メンバー」登録数は7名で、求職者との信頼関係が強まるにつれ、依頼業務の調整や、求職者の適性に応じた配置が行えるようになりました。また、農業経験のある求職者から機械整備の知識を教わるなど、作業効率や経験値の向上にもつながっています。
導入時点では「本当に応募が集まるのか」という懸念があったものの、募集開始の当日からすでに応募が集まり始めました。特に若年層(35歳以下)からの応募が75%以上となり、高年齢層が多いのではという清流ファーム様の予想を覆す志望者層となりました。「自社メンバー」が増えてからは、求人掲載から採用までのスピードも向上し、安定した労働力を確保できるようになりました。
今後は、小松菜の収穫など女性も活躍しやすい軽作業等の業務内容でも活用を進める予定です。
※2 セルフソーシング機能:事業者が自社独自の人材データベースを構築し、過去の就業経験者や登録制アルバイト、退職者(OB・OG)等を登録し、直接求人を呼びかけることができる仕組み
※3 自社メンバー:自社専用のデータベースにメンバー登録している求職者
徳島県阿南市産業部のコメント
徳島県連携の「徳島マッチボックス」が、阿南市の清流ファーム様で農業の雇用確保に具体的な成果を上げており、大変心強く感じております。柔軟な働き方の提供は、地域経済の持続的な発展に不可欠でありますので、このスポットワークシステムを農業だけでなく、飲食業、小売業など、他業種においても積極的に活用し、事業者の皆様の共通課題である雇用確保の問題解決に繋がることを強く期待いたします。
■セミナーの開催について
清流ファーム様のような先進的な成果・事例を徳島県内に広げ、さらに多くの農業事業者に「徳島マッチボックス」をご利用いただくことで、県内全域の農業現場における柔軟な人材確保を推進していくため、生産者の皆様を対象とした「農林水産業における『スポットワーク』活用セミナー」が下記要領で開催されます。
日時: 令和7年11月20日 13時30分~15時30分(受付開始 13時~)
開催場所:徳島グランヴィリオホテル(徳島市万代町3丁目5番地1号)
内容(予定):
・「スポットワーク」で人を雇用する時の留意点について 社会保険労務士 逢坂 祥子 氏
・徳島マッチボックスについて 株式会社Matchbox Technologies 丸山 竜矢
・マッチボックスの活用事例 株式会社Matchbox Technologies 清水 咲希
・農業事業者の活用事例発表 清流ファーム 大嶽 ひとみ 氏
・質疑応答
主催:徳島県 農林水産部 経営推進課
申込み・お問合せ:徳島県農林水産部農林水産総合技術支援センター 経営推進課 木村・濱
電話:088-621-2422 E-mail:keieisuishinka@pref.tokushima.lg.jp
徳島県生活環境部労働雇用政策課のコメント
8月にサービスを開始したばかりの「徳島マッチボックス」が、阿南市での『米の収穫』という、地域の基幹産業の最繁忙期に早速多くの採用実績につながったことを大変うれしく思います。今後、この阿南市における農業分野の成功事例を、県内他地域や農業以外への業種へ積極的に横展開し、県全体での活用拡大を促進してまいります。
私たちマッチボックステクノロジーズは、デジタル技術を活用し、「誰もが柔軟に働ける社会」の実現をめざしています。今後も、地方自治体との連携を通し、地方の人材課題の解決に貢献してまいります。
以上
「matchbox(マッチボックス)」について
「マッチボックス」は、スポットワークの管理内製化を可能にするセルフソーシング®︎型のHRプロダクトです。現役従業員に加え、アルムナイ(退職者)や登録制アルバイト、一度雇用したスポットワーカーなどを、企業に合わせて開発したシステム内にメンバー登録することで、自社独自の人材プールを構築し、採用にかかる時間やコストを大幅に削減します。また、採用から給与労務までの全ての工程を、システムを通じて簡単に一元管理することができるため、業務の効率化にも最適です。事業所側が信頼できる人材を選定することを可能としたほか、求職者側への配慮として休業手当の支給や企業への与信調査などを行うなど、企業側と働き手の双方に対してフェアで安全なサービスをめざしております。マッチボックスは、企業と働き手の信頼関係をベースとしたコミュニティの構築により、あらゆる人が柔軟に働ける環境を実現させています。
「マッチボックス」サービスページ:https://business.matchbox.jp
「Matchbox Technologies」について
私たちは「雇用主も従業員も無理なく、自分らしく働けるセカイ」の実現をめざし、「企業の柔軟な職場環境づくりを、テクノロジーで実現する」というミッションのもと、企業や自治体の抱える人材課題の解決を支援しております。2020年から、企業や自治体が簡単に独自のスポットワークプラットフォームを構築し、1日単位・数時間での柔軟な働き方を実現するクラウド型システム「matchbox」の展開を開始し、これまでに10,846の事業所に導入しています。また、新潟県や大阪府をはじめとする9府県58市町村に、自治体独自のスポットワークプラットフォームとして提供しています。私たちは、資本力の差による競争に巻き込まれるのではなく、本来注力すべき「社会課題の解決」に注力し続けたいという思いから、知財戦略を重視しています。現在、スポットワークおよびセルフソーシングに関する特許を国内外に40件以上出願しており、基本特許を含む16件の特許を取得済みです。Matchbox Technologiesは、スポットワークの柔軟性と信頼できる人材コミュニティの構築を両立させる新しい働き方のスタンダードを、世の中に広く伝えていきます。またその第一人者として、今後ともコンプライアンスを遵守した安心安全なサービスの研究開発を進め、社会課題の解決に努めてまいります。
企業ページ:https://www.matchboxtech.co.jp/about-us
「マッチボックス」関連ニュースレター:https://b.mxbx.jp/matchbox_newsletter_ss
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