キャップジェミニ、ワールド・ウェルス・レポート2021を発表

HNWI人口・資産総額ランキングで、北米が5年来の序列を打破し、APACを追い抜く

キャップジェミ二

「現下のウェルスマネジメント情勢では、人材やテクノロジーに投資して、ハイブリッド型のアドバイザリーサービスを提供することが肝要」との調査結果が、WWR 25周年記念号で明らかに
【2021年6月29日、パリ発】
キャップジェミニは本日、ワールド・ウェルス・レポート (WWR) 2021 (25周年記念号) を発表しました。それによると、2020年に世界の富裕層 (HNWI) 人口は6.3%増えて2,000万人の大台を越え、その資産総額は7.6%伸びて80兆米ドル近くに達しました。北米が、株式市場の活況と政府の大型財政出動により、HNWI人口と資産総額の両面でアジア太平洋を抜いて、2020年のリード地域となりました。今号は、ここ1年で世界の富に生じた進展と、四半世紀に及ぶHNWIの潮流や影響を検証しています。


 

ワールドウェルスレポート2021はこちらからダウンロードできます。https://www.worldwealthreport.com


2020年は、超富裕層 (U-HNWI) が富裕層全体の人口 (9.6%) と資産総額 (9.1%) の成長を牽引した一方で、隣のミリオネア (millionaires next door) と中段ミリオネア (mid-tier millionaires) は、より低い人口 (6%) と資産総額 (8%) の伸びに留まりました。[*1]

本レポートはウェルス業界で最も古く、かつ最も引き合いに出される調査の一つに数えられます。それによれば、過去25年間を通じて、HNWIは自らの投資活動への関与度を高めており、今や、これまで以上に手厚く幅広いアドバイザリーサポートが求められるようになりました。各種のテクノロジー企業による資産管理分野への参入が続く中、ウェルスマネジメント会社は、テクノロジーを活用したアドバイスやハイパー・パーソナライズしたビジネスモデルへと移行する必要に迫られています。コロナ禍は21世紀で3度目の大変動を世界経済にもたらしましたが、ネットバブル崩壊 (2002年) や世界金融危機 (2008年) の教訓は、富裕層が活況時には自己判断での投資に努める一方で、危機的状況や市場の動揺時にはアドバイスの希求に戻る傾向があることを、引き続き指し示しています。

ハイブリッド型のアドバイザリー機能が、ウェルスマネジメント会社の命運を握る
技術的ブレークスルー、移り行く社会情勢、新プレーヤーの登場、投資マネジメントの大衆化/一般化、デジタルチャネルやデジタル資産の台頭 ― これらは全て、未来のウェルスマネジメント会社の成否に影響を与えるでしょう。今日の富裕層は、ハイブリッド型モデルに興味があり、デジタルとフィジカルを組み合わせたやり取りを求める動きが強まっています。HNWIの34%が「ウェルステック (WealthTech) サービス[*2]を積極的に活用している」と回答しました。加えて、ウェルスマネジメント会社も「顧客のライフサイクル関連で専門的知見・技量を持つウェルステックは、提携相手としてうまくフィットする」と捉え、自らの能力・営業範囲・市場動向への応答性を高められるものと見込んでいます。調査に応じた各社の幹部は「新たな顧客セグメント開拓の足掛かりを掴む」と「新しいユニークなサービスを顧客に提案する」の2つを、ウェルステックと組む理由の上位に挙げています。

キャップジェミニの金融サービス部門CEO兼グループ常務理事会メンバーであるアニルバン・ボーズのコメント:「ウェルスマネジメント業界は、自らの殻を破り、顧客マインド占有率(認知度)を高めて、ビッグテックの便利さやパーソナリゼーションに慣れているHNWIのお客さまへのベストなサービス提供に努めるべきです。ウェルステックが成長を続け、ビッグテックの業界参入が差し迫る中、ウェルスマネジメント会社がマーケット占有率をキープするためには、人材やテクノロジーに投資することが死活的な必要条件です」

新世代テックスキルの採用、有能な人材の雇用や再スキル訓練が、ウェルスマネジメント変容の原動力となる
破壊的創造 (disruption) のペースがますます速まる中、ウェルスマネジメント会社は、クラウド・API・マイクロサービス等の各種テクノロジーに投資することで、強固かつアジャイルな経営モデルを構築できます。業界自体の専門性や実績に対する評価は根強いものがある一方で、各社とも顧客とのエンゲージメントや投資戦略にデータ中心の洞察/気づきを取り入れる必要があります。投資は運用実績が第一義であるとは言え、各社は実利をデリバリーすることと同等に、環境・社会・企業統治 (ESG) の各面にも注力すべきでしょう。

ウェルスマネジメントは、昔からリレーションシップに基づくビジネスであり、それは今の時代も変わりません。資産管理の顧客として、ミレニアルやZ世代のHNWI・女性・非従来型のファミリー (+α) が顔触れに加わり、急速に変化するに伴い、各社は多様化する(かつセグメント特有の)クライアントの期待・行動に応えるべく、自らのアドバイザーやスタッフのスキル向上を図らねばなりません。異質性に富むアドバイザーたちを採用してデジタル力をつけさせる、或いは既存スタッフに再スキル訓練を施して多種多様な顧客セグメントに対応できるようにすることが今後の道筋である、と本レポートは提言しています。とは言え、調査に回答したアドバイザーの63%は、自身が勤めるウェルスマネジメント会社の取り組み(変わりつつある顧客ニーズに応えるための、各種ツール/トレーニングの提供)に満足していない、と回答しました。

各社はまた、変転し続けるHNWIの期待に応えるため、ビッグテック的な戦略(ハイパー・パーソナリゼーション、ライフスタイルに応じたエコシステムやサービス提案、直感的な組み込みインタフェース等)を採り入れ、多様な顧客ベースの中での存在価値を保っていくことも必要でしょう。

業界と顧客の変容で、新たな活動の場がウェルスマネジメントに生まれる
現下の株式高騰に伴い、富裕層はオルタナティブ投資によるポートフォリオの分散化も狙っています。サスティナブル投資が成熟しつつあり、超富裕層の43%、若年 (40歳以下) 富裕層の39%が「自らのウェルス管理会社が提供する各種商品についてESGスコアの提示を求めることもあり得る」としました。また、調査に協力した富裕層の72%が「暗号通貨に投資したことがある」、74%が「ウェブサイトのドメイン名やアプリ等、他のデジタルアセットに投資したことがある」と答えました。特別買収目的会社 (SPAC) の人気が高まりつつある一方で、非代替性トークン (NFT) がアセットクラスとしての信用性を徐々に得つつあります。同様に、ゼロ手数料リテール投資の台頭が、富裕層の関心をそそっており、39%が「ゼロ手数料の取引を望んでいる」と回答したものの、彼らのウェルスマネジメント会社はその要望に未対応でした。

本レポートの詳しい内容については、キャップジェミニが6月29日 (火) 8:30 a.m. (米東部夏時間) に開催しましたワールドウェルスレポート25周年 LinkedIn ライブイベントの動画(英語)よりご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=xuoVk4Whxk4

調査手法
ワールドウェルスレポート2021は71ヵ国を網羅しています。世界の国民総所得の98%かつ世界の株式市場時価総額の99%をそれぞれ上回るカバー率で、HNWIマーケットをサイジングしています。キャップジェミニは2021 Global HNW Insights Surveyで、北米・ラテンアメリカ・ヨーロッパ・中東・アジア太平洋地域における26の主要ウェルスマーケットを対象に、2,900名超のHNWIに調査を実施しました。17のマーケットで100名超のウェルスマネジメント幹部(純粋なウェルスマネジメント企業、ユニバーサルバンク [銀行業務と証券業務を兼営]、独立系ブローカー/ディーラー企業の代表者を含む)にインタビューやアンケート調査を行い、彼らにデジタルトランスフォーメーションへの取り組み、コラボ戦略、各種の業界トレンド(サスティナブル投資等)について問いました。2021 Wealth Manager Surveyでは、6つのマーケットで350件以上の回答があり、業界の動向、新たなマーケット需要への備え、ウェルスマネジメント会社が提供するサポートに対する満足度等について、ウェルスマネージャーに見解を尋ねました。ワールドウェルスレポート2021の制作にあたっては、14名のウェルスマネジメント専門家(銀行、ウェルステック、ビジネスやテクノロジーのイネーブラ業者等)で構成する社外の執行運営委員会 (Executive Steering Committee) の後援を得ました。

ワールドウェルスレポート2021の詳細は https://www.worldwealthreport.com を参照ください。



キャップジェミニについて

キャップジェミニは、テクノロジーの力を活用して企業ビジネスの変革・管理を支援するパートナーシップにおけるグローバルリーダーです。キャップジェミニ・グループは、テクノロジーを通して人々が持つエネルギーを解き放つことで、包摂的で持続可能な未来を目指し、日々まい進しています。私たちは、世界約50ケ国の27万人に及ぶチームメンバーから成る、極めて多様的で責任感の強い組織です。キャップジェミニは、50年にわたって積み上げてきた経験と実績そして豊かな専門知識を活かし、クラウド、データ、AI、コネクティビティ、ソフトウェア、デジタルエンジニアリング、プラットフォームなど、急速に進化するイノベーティブなテクノロジーを原動力として、戦略から設計、オペレーションに至るまで、お客様の幅広いビジネスニーズすべてに対応して、お客様から厚い信頼をいただいています。グループ全体の2020年度の売上は、160億ユーロです。

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  1. U-HNWI (超富裕層) とは、3,000万米ドル以上の投資可能資産を保有するHNWI (富裕層) をいう。Millionaires Next Door (隣のミリオネア) とは、100万米ドルから500万米ドルまでの投資可能資産を保有するHNWIをいう。Mid-Tier Millionaires (中層ミリオネア) とは、500万米ドルから3,000万米ドルまでの投資可能資産を保有するHNWIをいう。
  2. WealthTech (ウェルステック) とは、デジタルソリューションによるウェルスマネジメントに強みを持つスタートアップ又はスケールアップ企業をいう。
 

◆本件に関するお問い合わせ先
キャップジェミニ株式会社
マーケティング・コミュニケーション部
marketingjapan.jp@capgemini.com

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会社概要

キャップジェミニ株式会社

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ 森タワー 22階
電話番号
03-6865-9510
代表者名
殿村真一
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2013年02月