Web3・AIの最前線が東京に集結!TEAMZ Summit 2025が過去最大規模で開催、次回は2026年4月15日、16日に決定
【TEAMZ Summit 2025 開催レポート】サイドイベント含め1万人が来場、日本最大級のWeb3・AIサミットが大成功!2026年開催も決定
2025年4月17日(木)、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された**「TEAMZ Web3/AI Summit 2025」Day 2**が盛況のうちに終了いたしました。本記事では、TEAMZ Summit 2025 Day 2で行われた主要セッションの内容をダイジェストで振り返りながら、日本のWeb3・AIエコシステムの現在地と未来への期待をお届けします。

9:30 Web3とAIが切り拓く東京のデジタル経済圏

東京都は、「伝統と革新の融合」を掲げ、Web3とAIを軸に首都圏のデジタル経済を加速させる方針を示した。具体策は ①スタートアップ共創拠点「Tokyo Innovation Base(TIB)」の運営と官民連携ファンドによる資金供給、②年1回の大型国際イベント「SusHi Tech Tokyo」での商談創出と世界発信、③金融イノベーションを促す「東京金融賞」やセキュリティトークン発行支援による資本市場の高度化、④AI活用のジャパンモデル確立と都民サービス高度化の3視点(行政利活用・住民との対話・国産モデル育成)を柱とするガバナンス整備である。これらにより、都はユニコーン輩出とグローバル企業誘致、そして安全で開かれたWeb3/AIエコシステムの形成を目指す。
9:45 Mirrored Bodyが実現する自己主権型社会 - AI×WEB3

本セッションでは、大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null2(https://expo2025.digitalnatureandarts.or.jp/)」で体験できる“Mirrored Body”構想を軸に、AI×Web3で個人がデータ主権を取り戻す社会像を議論した。分身は会話や外見変化で健康診断・食事記録・SNS投稿など多様な個人データを可視化し、生活提案を行う。裏側ではTHXNET.の専用L1チェーンとSBTでID・履歴を本人に帰属させ、ガスレスで運用。マイナンバーKYCやハードウェアウォレット連携も予定し、ブロックチェーンを意識させずに大規模実装する。広告やサービスは本人の許諾下でAIエージェントが仲介するため、データを囲い込む従来型プラットフォームを脱却し、企業と個人が疎結合で価値交換する“自己主権型社会”の実証実験と位置付けられた。
10:15 Web3ファンドの未来:新しい投資手法と資本の流れ

2021年のブーム以降、Web3資本市場は「ビットコイン独歩高+アルトコイン停滞」が続き、VC調達額・評価額はピーク比で縮小。ファンドは案件数を絞り、質と価格を厳格に見る「質への逃避(flight to quality)」へ変化している傾向にある。資金源は①ETF承認で戻った機関 - BTC集中、②ロビンフッド経由のミーム系リテール - 超小型トークン集中、に二極化。アジア、とりわけ規制整備が進む日本は次サイクルの核とされ、円建てステーブルコイン法やSBI・MUFGなど大企業の参入が実用案件をけん引。調達はトークン/株式ワラント併用、上場後OTC、スワップなど多様化。投資家はエクイティ権利と長期流動性計画を重視し、トークノミクス頼みを許さない。分散IDや「AI×クリプト」が次のテーマとなる一方、黒字企業や社会課題解決型プロジェクトの評価が上昇し、日本企業との提携・M&Aも増加。Web3ファンドの未来は、規制準拠のインフラへ資本を誘導し、地域・セクター横断でスマートマネーとコミュニティ資金を接続するエコシステム構築にある。
10:45 Web3の未来に向けた大手企業の戦略:採用と課題

本セッション「Web3の未来に向けた大手企業の戦略:採用と課題」では、ソニー銀行、KDDI、楽天ウォレット、グリー、テレビ朝日などがWeb3への取り組みとその課題について議論。テーマは人材採用ではなく「Adoption and Challenges」、すなわちWeb3の社会実装に焦点があてられた。ソニー銀行はIP活用による感性価値の創出を重視し、アーティストや映画作品とのNFTコラボ施策を展開。KDDIは「αU」ブランドのもと、NFTマーケットやクリエイター支援、地方創生型NFTなどを推進。楽天ウォレットは楽天会員向けにWeb3ウォレットを提供し、ポイントによるトークン購入やOasys連携も開始。グリーはシンガポール法人を通じてトークン投資、バリデーター事業に注力し、ブロックチェーン技術によるコンテンツ所有権の再定義を目指す。テレビ朝日はNFTツーリズムやグローバルIP展開を進め、Web3技術をメディアビジネスに融合。共通して挙げられたのは、UXの障壁を下げること、既存事業との連携、法務・会計部門との調整、バリデーターなど安定収益モデルの活用。Web3の収益化に向けては、「気合と根性」やファンダムの熱量といった泥臭さも鍵となっている。マスアダプションに向け、各社は数百万人から数億人規模のユーザー接点を視野に入れ、Web2からWeb3への橋渡しを担っている。
11:15 Web3セキュリティ最前線:次世代の脅威と防御戦略

本セッションでは、「Web3セキュリティの現在と今後の脅威、防御戦略」について各分野の専門家が議論。Web2セキュリティとWeb3セキュリティの違いとして、Web2では個人情報の盗用を経て資産へアクセスするのに対し、Web3ではスマートコントラクトを通じて直接資産が狙われる。被害が即時かつ不可逆的である点が本質的なリスクとされる。
直近の1年~1年半は、AIによる攻撃方法の進化が最大の懸念。特に、大規模言語モデルを使ったスマートコントラクトの脆弱性探索や、DAO提案を悪用する社会的操作(ソーシャル・エンジニアリング)、個人になりすますAIの活用が挙げられた。一方で、セキュリティ技術の進歩や監査意識の高まりにより、以前よりスマートコントラクトの安全性は向上している。
また、Web3プロジェクトの多くはWeb2インフラ上に構築されており、両領域の脅威に対する分析基盤の整備が重要。AIによるゼロデイ攻撃の検出には、Web2・Web3両方のデータ蓄積と相関分析が有効とされた。
11:45 日本発、世界へ:Oasysが切り開くWeb3ゲームの未来

松原 亮(代表取締役 / Oasys)
本セッションでは、Oasys代表の松原氏が、Web3ゲームの進化とOasysの戦略について語った。Oasysはゲーム特化型ブロックチェーンとして、日本発のプロジェクトながらセガ、バンダイナムコ、Ubisoftなど国内外の大手ゲーム企業をバリデーターに迎え、Web2ゲーム企業をWeb3に巻き込むことで評価を得ている。
11:55 ヘルスケアを変革するIoT+ブロックチェーン+AIによる健康データの所有権の確立

本セッションでは、Aditya Tallapragada氏が、IoT・ブロックチェーン・AIを活用して健康データの所有権を患者自身に取り戻す革新的エコシステムの構築について紹介した。現在、多くの健康データは保険会社や製薬企業により管理されており、患者自身のコントロールが及ばない。これに対し、同氏のプロジェクトは、DePIN(分散型物理インフラ)を活用し、IoTデバイスから得た健康データをブロックチェーン上に記録・管理し、トレーサビリティとセキュリティを確保する仕組みを提供する。
13:00 日本におけるステーブルコインの未来とグローバル競争力

本セッション「日本におけるステーブルコインの未来とグローバル競争力」では、主要企業の代表者らがステーブルコインの国内展開と世界的動向について議論を交わした。日本では2023年の改正資金決済法を契機に、SBIがUSDCを国内で初めて取り扱い、ついに「ステーブルコイン元年」を迎えた。一方で、金融庁との認識のすり合わせやシステム設計には大きな時間と労力を要し、リリース後も100万円送金制限など実運用には課題が残る。
13:45 RWAの時代:ブロックチェーンが現実資産を変える

本セッションでは、ブロックチェーンがリアルワールドアセット(RWA)にどのような変革をもたらしているかが議論された。RWAとは、不動産や金、給与など現実世界の資産をトークン化し、より迅速で効率的に取引可能にする概念である。注目が高まっている背景には、「保管(カストディ)」「相互運用性(コンポーサビリティ)」「コンプライアンス」の3要素の技術的・制度的な成熟がある。特に近年では、グリーンボンドや石油のトークン化による資金調達の迅速化など、実用的な事例が登場している。
14:15 Web2とWeb3の共存戦略:企業が今取るべきハイブリッドアプローチ

本セッションでは、Web2の既存サービスとWeb3の技術をどう融合させていくか、各登壇者が実例を交えて議論を展開した。Animoca Brands Japanの天羽氏は、日本のIPをグローバルに展開する取り組みや、企業のWeb3進出を支援するアドバイザリー事業について言及。トークン設計、バリデーター運用など、実務面での支援が進んでいることを紹介した。
HashHubの平野氏は、NFTやDeFiの初期導入事例に見られる課題を振り返りつつ、現在は金融インフラとしてのブロックチェーン活用に回帰している傾向を強調。Web3という言葉の流行の裏で、多くの企業が試行錯誤を経て実用性を模索している現状を説明した。
Alibaba Cloudの新妻氏は、Web2のサービスを無理にWeb3化する必要はないと主張。自社が持つ研究開発力と実装実績を活かし、社会実装を重視したアプローチの重要性を説いた。
The Sandboxの久永氏は、ユーザーがWeb2的な体験をしながら、自然にWeb3の要素へ移行していける設計が重要と語った。実際に新規ユーザーの多くがWeb3未経験者であるというデータを示し、段階的な導入の有効性を示唆した。
14:45 多様化するデバイス時代におけるリアルタイム・デジタルフォレンジックの未来

丸山氏は、自身のBIOS開発の経験を通じて、柔軟に応用できる「フレックスコンピューティング」の重要性を語った。現在のコンピュータやAIは想像力に欠け、人間のような直感的判断ができないと指摘。真に価値あるソフトウェアとは、記憶や模倣に頼らず、想像力をもって未来を創造する力から生まれると強調した。イマジネーションが社会を変え、世界を動かす原動力であると語った。
15:00 国際情勢の変化とテクノロジーの交差点:Web3・AIがもたらす地政学的インパクト

本セッションでは、Web3やAIといったテクノロジーが、地政学や政治・社会制度に与える影響を中心に議論された。主な論点は、ブロックチェーンによる政治資金の透明化、スマートコントラクトを活用した補助金や意思決定の自動化、そして分散型自律組織(DAO)による地方自治の再構築など。元大阪市長の橋下徹氏は、エスクロー業務や議会の代替など、政治・行政へのWeb3の実装可能性を強調。川崎政務官は、自民党のWeb3プロジェクトチームにおける制度改革や税制見直しの進捗を紹介し、仮想通貨の分離課税導入が来年にも実現可能との見通しを示した。また、Web3に対する政治家の理解不足や、制度設計の煩雑さが普及の障害であるとし、国民による支持表明の重要性が語られた。さらに、トークンによる資金調達や政治家のトークン発行といった新しい政治参加・経済政策の可能性も言及された。全体を通して、Web3はテクノロジーを超えた社会構造改革の鍵であるという共通認識が見られた。
16:00 Web3・AIのグローバル競争における日本のポジションと政策支援

本セッションでは、日本の現状と今後の政策展望が多角的に語られた。国民民主党の玉木氏は、Web3・暗号資産・AIを国家戦略に組み込み、税制の整備やDAO的な政党運営など、実験的で柔軟な政策導入に積極姿勢を示した。特に20%の申告分離課税への移行、レバレッジ規制の緩和、ビットコインETFの解禁を三本柱とした法整備の必要性が強調された。
一方、日本暗号資産取引業協会の小田氏は、日本がかつて暗号資産取引量で世界シェアの半数を占めていたが、現状は1%以下にまで低下したことに言及。税制や上場審査の遅れが資産・人材の海外流出を招いており、制度改革の遅延が経済的損失を生んでいると指摘した。さらに、政策実現には迅速な施行が不可欠であり、法案通過後の運用体制の整備も並行して進めるべきと訴えた。Web3が単なる技術トレンドではなく、国家の競争力に直結する社会インフラであるとの認識を共有していた。
16:45 Web3とAIが切り拓くグローバル市場の未来

本セッションでは、Web3とAIがいかにしてグローバル市場を変革しつつあるかについて、多国籍の起業家・投資家が議論した。AI分野では、OpenAIやAnthropicとの関係を持つLeonis CapitalのJay氏が、AIが非構造データを理解・活用する力を人類にもたらし、今後5~10年で莫大な価値を生むと指摘。一方Web3は、構造化されたデータを公開台帳に記録し、分散的な経済圏の基盤を作る技術とされた。Startaleの熊谷氏は、Web3がエンタメ業界に与える影響を強調し、ユーザー参加型のID設計やトークン報酬によってファンとクリエイターの関係性が変わると述べた。
17:15 TEAMZ Summit 2025 抽選会(100万円分のBTC)

17:30 TEAMZ Summit 2025 ClosingとTEAMZ Summit 2026発表

2日間にわたるTeamz Summit 2025の閉会に際し、TEAMZ CEOのTianyu Yang氏が感謝の意を述べ、参加者や協賛企業、パートナーへの感謝を述べた。日本文化やWeb3・AIなど見えにくいソフトウェア技術が日常生活にどう関わるか、今後も議論と体験を深めていきたいとの想いを語った。来年のTeamz Summit 2026は4月15~16日に開催予定。日本の文化や良さを国内外の参加者に伝え、体験してもらうことを目指すと発表し、再会を呼びかけた。
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