鶴岡高専専攻科学生の研究成果が「AgriEngineering」誌に掲載
〜収穫時期予測で農業分野における省力化、人件費削減に期待〜
鶴岡工業高等専門学校(山形県鶴岡市、校長:森政之 以下「鶴岡高専」)専攻科2年の皆川大地さん、金帝演准教授による論文「Prediction of Harvest Time of Tomato Using Mask R-CNN」が、MDPI国際学術誌「AgriEngineering」に掲載されました。
- 「Prediction of Harvest Time of Tomato Using Mask R-CNN」
- Daichi Minagawa, Jeyeon Kim
- https://www.mdpi.com/2624-7402/4/2/24
特徴
本研究は、トマト果房ごとの収穫時期予測手法を提案するものです。
研究の背景
収穫時期予測を実現するために、様々な研究が盛んに行われており、気温、日射量などの気象情報を利用した収穫時期予測方法、果房画像の色情報を用いたニューラルネットワークによる収穫時期予測方法などが検討されています。
しかし、収穫予測精度がまだ不十分であり、トマト果房ごとの収穫時期予測についての検討がなされていません。
【概要】
・Mask R-CNN[用語解説1.参照]を用いてトマト果房を検出し、検出されたトマト果房画像の中のノイズ(蔕,葉,枝など)を除去します。
・2種類の熟度判別式を用いてトマト果房毎の収穫時期を予測します。
・実験結果により、収穫時期が近いトマトについては、赤色(R)の割合を用いた予測の正確度が高く、一方、収穫時期まで時間のあるトマトの場合は、緑色(G)と赤色(R)の差分を用いた予測の正確度が高いことが示されました。
・以上の結果より、本手法の有効性が示され、農業分野における省力化、人件費削減などが期待されます。
【高専学生の活躍】
本研究は、鶴岡工業高等専門学校 専攻科 2年の皆川大地(みながわ だいち)さんを中心として実施されたものです。皆川さんは、本科生の頃から気象観測コンテストへの参加や、JA全農山形との共同研究によるKOSEN版ウェザーステーションを開発し、農業従事者に気象情報を提供するなど、精力的に活動してきました。本科5年生時から、積極性と粘り強さを発揮して研究に取り組み、発表した論文が欧州の学術誌に掲載されるなど、成果を上げています。今年度は,大学院修士1年いうこともあり、大学院での更なる研究の発展が期待されます。
皆川さんのコメント:
より良い成果が生まれるように指導していただいた先生や研究室の皆様のお陰だと身に染みて感じております。高専で培った学びや経験を活かして、大学院での研究活動にも邁進してまいります。
【用語解説】
1.Mask R-CNN
Mask R-CNNとは、深層学習により画像から物体検出やセグメンテーションを実現するための手法です[1]。検出した物体に対して外接矩形を設定するObject Detectionと画素単位でクラス分類と領域抽出を行うSemantic Segmentationを内包しています。
[1]He, Kaiming, et al. "Mask r-cnn." Proceedings of the IEEE international conference on computer vision. 2017.
鶴岡工業高等専門学校について
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 鶴岡工業高等専門学校
所在地:山形県鶴岡市井岡字沢田104
代表者:校長 森 政之
設立:昭和38年(1963年)
URL:https://www.tsuruoka-nct.ac.jp/
事業内容:教育及び研究
【本研究に関するお問い合わせ先】
鶴岡工業高等専門学校創造工学科情報コース 准教授 金帝演(きむ じぇよん)
TEL 0235-25-9038(受付時間8:30~17:00)
e-mail jykim@tsuruoka-nct.ac.jp
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
鶴岡工業高等専門学校、総務課総務係、宮野 亮
TEL 0235-25-9034
e-mail s-soumu@tsuruoka-nct.ac.jp
~2022年度、高等専門学校制度は創設60周年を迎えます~
https://www.kosen-k.go.jp/Portals/0/60th/
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