野生鳥獣による被害拡大と対策のデジタル化に課題 - 自治体DX推進協議会「2024年7月鳥獣被害対策DX実態調査レポート」公開
一般社団法人自治体DX推進協議会は、2024年7月から8月にかけて実施した「鳥獣被害対策DX実態調査」の結果を公表し、全国216自治体の実態を集約したレポートを無料配布しています。調査結果では、野生鳥獣による被害が都市部にまで拡大する一方、DX・ICTツールの導入は3分の1の自治体に留まるという実態が明らかになりました。

深刻化する鳥獣被害の現状
野生鳥獣による農作物被害は、1990年代以降、中山間地域を中心に深刻化を続けており、2023年度の農作物被害額は全国で約160億円に上っています。(※ 令和5年度の野生鳥獣による全国の農作物被害は164億円 さらに近年では、人口減少や高齢化に伴う耕作放棄地の増加、狩猟者の減少などにより、被害地域は都市近郊にまで拡大し、農業被害のみならず人的被害も懸念される状況となっています。
調査によると、調査対象となった自治体の95%で鳥獣被害が発生しており、被害額については100万円以上1,000万円未満が37.1%と最も多くなっています。一方で、1億円を超える高額な被害も4.0%存在し、被害規模の二極化が見られます。
被害の種類と内容
被害を与える鳥獣としては、イノシシが70.9%と最も多く、次いでカラス(58.7%)、ハクビシン(45.6%)、シカ(45.1%)と続いています。特に人身被害のリスクが高いクマについても42.7%と高い割合で被害が報告されています。
被害内容としては、農作物被害が圧倒的に多く92.7%、次いで住宅地への侵入が43.2%、家屋の糞尿被害が30.6%と、生活環境に直接関わる被害が続いています。また、車両との衝突事故(19.9%)や人的被害(13.1%)など、人命に関わる可能性のある深刻な被害も報告されています。
鳥獣被害対策のDX化の現状と課題
鳥獣被害対策として、捕獲用わなの設置(90.3%)、住民への被害対策啓発・呼びかけ(68.9%)、猟友会への被害対策の委託(65.0%)が主な取り組みとなっていますが、DX・ICTツールの活用については、導入している自治体は全体の33.5%に留まっています。
DX・ICTツール未導入の最大の理由は予算不足(65.0%)で、次いで人材不足(30.7%)、運用への不安(28.5%)が主な課題となっています。一方で、効果への疑問(18.2%)や必要性を感じない(17.5%)という回答は比較的少なく、ツールの有効性自体は認識されていると考えられます。




DX化への関心と予算感
約8割(79.2%)の自治体がDX・ICTツールの導入に関心を示していますが、予算や人材などの制約により、実際の導入には至っていない自治体が多いという現状があります。効果的だと思われるDX・ICTツールがあった場合、約56%の自治体が何らかの形で予算確保の可能性を示唆しています。
自治体からの意見としては、DX・ICTツールに対する期待として「作業効率化」と「負担軽減」が中心的なテーマとなっています。特に高齢化が進む捕獲従事者への配慮から、操作の簡便性が重視されています。
今後の方向性と提言
自治体DX推進協議会は、鳥獣被害対策のDX化推進には、技術面での改良に加え、人材育成、予算確保、運用体制の整備など、多面的なアプローチが必要だと提言しています。
特に、地域の実情に即した持続可能な取り組みとするため、導入時のハードルを下げつつ、効果的な支援の仕組みを構築することが求められているとしています。




鳥獣被害対策DX実態調査レポート無料配布のご案内
本レポートは、鳥獣被害対策に関わる自治体職員や関心のある事業者・研究者に無料で配布しています。詳細は下記よりお問合せください。
2024年7月鳥獣被害対策DX実態調査レポート無料配布はこちら
※上記が開かない場合は、da@gdx.or.jp までお問合せください。
一般社団法人自治体DX推進協議会(GDX)は、自治体のデジタルトランスフォーメーションを推進し、地域社会の持続可能な発展を目指す団体です。各自治体と協働しながら、デジタル技術を活用した地域課題の解決やイノベーション創出を支援しています。
地方自治体と事業者の架け橋となり、デジタルトランスフォーメーションを通じて地方創生を加速するパートナーシップの場を提供します。お気軽にお問合せください。
本プレスリリースについてのお問い合わせはこちらから
一般社団法人自治体DX推進協議会(GDX) 事務局
電話番号:03-6683-0106 メールアドレス:info@gdx.or.jp
https://www.gdx.or.jp/contact/
すべての画像