【大阪工業大学】貴重なたんぱく源のカイコを食品利用

“姿は見えない”粒子でドレッシングやクリームに

学校法人常翔学園

 大阪工業大学(学長:井上晋)応用化学科高分子材料化学領域の藤井秀司教授と三菱ケミカルがこのほど、カイコのさなぎの粒子を用いて油と水が混ざった乳化液(エマルション)を安定化する技術を共同開発しました。貴重なたんぱく源となりうる昆虫を、見た目による抵抗を感じないよう、“姿は見えない”粒子で食品加工できる技術です。ドレッシングやクリームなどに活用することが期待できます。

【本件のポイント】

 ● カイコのさなぎは栄養価が高く食品として利用価値があるものの、多くは廃棄物として処理されている

 ● カイコ由来のたんぱく質を“姿は見えない”粒子で食品に取り入れる手法を開発

 ● 将来の食料問題を解決するヒントに

 世界人口の増加に伴い、たんぱく質の需要は急速に高まっています。肉などの動物性たんぱく質の需要が高まり、将来的な食料不足や価格高騰が課題となっています。そのような中で、環境にやさしく栄養も豊富な「昆虫食」が、次世代のたんぱく源として注目されています。

 

 今回の研究では、たんぱく質が多く含まれ、高い栄養価を持つカイコのさなぎを使って、新しい食品用の乳化技術を開発しました。粉末状にしたさなぎの粒子(カイコ粒子)を乳化剤として用い、油と水を混ぜて作る「ピッカリングエマルション」という乳化液を安定させることに成功しました。これは、ドレッシングやクリームのような食品に使える技術です。

 通常、昆虫をそのまま食べることに抵抗を感じる人は少なくありませんが、この方法では見た目からは昆虫を感じることがないため、受け入れやすくなります。また、カイコ粒子の前処理において水のみを用いて精製しているため(有機溶剤などの薬品は不使用)、環境にも体にもやさしい製法です。さなぎは通常、生糸に加工する時に廃棄されていますが、この研究により栄養たっぷりの食品として活用される道が開かれました。将来の食料問題を解決するヒントとして、大きな期待が寄せられています。

 この成果は、米国化学会の学術雑誌ACS Food Science & Technologyに論文が掲載(2025年7月19日付)され注目を集めています。

URL: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsfoodscitech.5c00407

DOI: 10.1021/acsfoodscitech.5c00407

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業種
教育・学習支援業
本社所在地
大阪市旭区大宮5-16-1
電話番号
-
代表者名
西村泰志
上場
未上場
資本金
-
設立
1922年10月