【台湾情報】通信キャリア大手3社が太陽光発電に注力、産業発展政策が追い風に＜ワイズ機械業界ジャーナル2022年9月第4週号発行＞
〜台湾機械・エネルギー・電子・自動車業界の最新動向を分析する〜
ワイズコンサルティング グループ（本社：中華民国台北市、代表取締役：吉本康志）は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年9月第4週号を発行しました。今週号では、自動車業界、エネルギー業界、電子材料メーカーの昇貿科技と工作機械輸出入速報をご紹介します。
- 台湾自動車・バイク産業の概況と2022年下半期の展望
- 通信キャリア大手3社が太陽光発電に注力 産業発展政策が追い風に
- 台湾最大のはんだメーカー 昇貿科技
- 工作機械輸出入速報 2022年上半期
政府主導のエネルギー政策の推進
台湾政府は脱原発とクリーンエネルギーの推進をエネルギー政策の柱に据え、クリーンエネルギー産業の発展を推進してきた。2017年にエネルギー発展綱領を定め、様々なエネルギー政策を打ち出したのを皮切りに、18年には▽ピーク時の電力消費量抑制、▽太陽光電力の使用促進、▽太陽光発電設備の設置促進を目的に、時間別の電気料金の差を拡大する政策を発表した。
また、▽太陽光発電設備設置の競争入札制度変更、▽太陽光を含む再生可能エネルギー設備の設置目標引き上げ、▽スマートグリッドの構築、▽送配電料金の優遇、▽末端顧客への電力販売、▽供給予備容量の免除などを認める電業法改正も行った。
政府は25年までに太陽光発電の設備容量を20ギガワット（GW）に引き上げる目標を掲げ、19年4月12日に立法院で可決された「再生可能エネルギー発展条例」でも同目標が再確認された。これにより、台湾の太陽光関連企業は安定した内需が見込めるようになり、海外の景気変動に左右されにくくなった。台湾の太陽光発電の設備容量は21年12月時点で7.7ギガワットに達しており、22～25年は毎年平均3GW以上の内需が期待できる。
（中略）
中華電信、40年に再エネ使用率100%へ
中華電信は自社で使用する電力に占めるグリーンパワー（再生可能エネルギーで発電された電力）の割合を17年の6%から25年までに20%、40年までに100%に引き上げる目標を掲げ、太陽光発電所の建設や他社からのグリーンパワー購入を進めている。
中華電信が台湾に設置した太陽光発電所は21年末時点で51カ所に上り、総発電量は340メガワット（MW）と20年10月時点の270MWより約26%増加した。今後3～5年で発電量をさらに倍増させる計画だ。
台湾モバイルも40年に再エネ使用率100%へ
台湾大哥大（台湾モバイル）は21年までに容量計12.64メガワットの太陽光発電設備を導入した。22年末には容量3.5メガワットの太陽光発電設備が新たに送電を開始する予定だ。同社が使用するグリーンパワーは2495万キロワット時（kWh）、再生可能エネルギー使用率は約4.5%に達する見通し。
台湾モバイルは今後も太陽光発電所の建設と他社からのグリーンパワー購入を進め、再生可能エネルギー使用率を30年までに20%、35年までに60%、40年までに100%に引き上げる目標だ。
台湾モバイルは太陽光、陸上風力発電設備の設置や他社からのグリーンパワー購入などに22～30年で計100億台湾元以上を投じる。台北市大安区の敦南ビルや屏東県枋山郷で太陽光発電設備の設置を計画している。
遠伝は45～48年に再エネ使用率100%目標
遠伝電信（ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ）は18年に太陽光エネルギー事業を手掛ける子会社、旭天能源（プライム・エコパワー）を設立し、複数の企業と提携して▽新北市、▽桃園市、▽新竹、▽台中市、▽台南市、▽高雄市などに太陽光発電所を設置してきた。他社からのグリーンパワー購入も行っており、30年までに台湾全土の▽オフィス、▽機械室、▽店舗で使用する電力を全て再生可能エネルギーでまかない、45～48年に全拠点での再生可能エネルギー使用率を100%に引き上げる目標を掲げている。
（続く） ワイズ機械業界ジャーナル
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会社名：ワイズコンサルティング グループ
所在地：中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者：吉本康志
設立：1996年11月
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