静岡市役所のAIを活用した「広聴」が 14万件の電話では見えなかった"市民の本音"を可視化
回答率96.2%の“ 寄り添う自治体AI ”が、台風前夜などの不安を解消
カラクリ株式会社(東京都中央区:代表取締役CEO 小田志門、以下カラクリ)は、静岡市役所の公式ウェブサイトおよびLINE公式アカウント に2026年3月に導入した顧客対応AIエージェント「Generative Navigator」(以下、GeN)の初期運用成果をお知らせします。同市広報課は、GeNをベースに市民向け窓口「AIコンシェルジュ」を実質1ヶ月半で構築し、2026年3月6日より運用を開始しました。4月度には回答率96.2%を達成し、閉庁時間帯の利用が40.3%に達するなど、住民の自己解決を支えています。またこれまで電話対応では見えなかった「市民の本音」や「災害時での不安」などがデータで可視化でき、寄り添う自治体AIを実現しています。

導入背景:コロナ禍での断念から、産学連携による再挑戦へ
静岡市役所広報課は、市民の声を聴く「広聴」と、市の取り組みを届ける「広報」の双方を担っています。これまでも市民とのデジタル接点の強化を模索しており、コロナ禍において窓口やコールセンターが逼迫した際にもAIチャットボットの導入を検討しました。しかし当時、他自治体で多額の費用をかけて導入されていたシステムの回答精度や運用負荷を鑑み、「まだ導入すべき時期ではない」と一度は断念した経緯があります。
転機となったのは、慶應義塾大学との「自治体広報のあり方」に関する共同研究です。「誰もが自然な言葉で、簡単に市の正しい情報へ辿り着ける仕組みが必要である」との提言を受け、複数社のシステムを比較検討。あらためてAI活用を視野に入れ、広聴・広報業務のさらなる拡大と市民サービスの向上を目指してプロポーザルを実施し、「GeN」の導入を決定しました。
導入の工夫点:全部門で実施した精度検証と、専門用語不要の“コンシェルジュ”設計
市民にとって真に使い勝手の良いシステムにするため、導入前には各所管課の全職員が参加する大規模な精度検証(テスト)を実施しました。市民からの問い合わせを最もよく知る各部署の職員が、実際にシステムを触りながらフィードバックを行うことで、行政特有の固有名詞や複雑な制度(税金・補助金など)のプロンプト(AIへの指示文)を緻密に調整。 また、市民が必ずしも正式な「行政用語」を知っているとは限らないため、コンシェルジュのように「曖昧な言葉や簡単なまとめ内容でも、文脈を汲み取って適切な案内ができる」ように返信のトーンやプロンプトを工夫しました。
活用方法:ウェブサイトやLINEで市民に寄り添う「聞き返しAI」
現在は静岡市役所の公式ウェブサイトやLINE上などのデジタル窓口として活用されています。GeNの最大の強みは、ユーザーが一度質問して終わりではなく、AI側から「〇〇のことですか?」と丁寧な切り返し(聞き返し)ができる点にあります。この聞き返し機能があることで、市民は正式な制度名や施設名を知らなくても、対話を進めるだけで自然と正しいページやハザードマップなどの必要な情報に導かれます。

導入効果:14万件の電話では見えなかったニーズの可視化と、先回りの広報対応
年間14万件の代表電話では件数しか把握できなかった市民の声が、GeNの会話履歴を全量分析することで、詳細なデータとして可視化されるようになりました。
夜間の潜在ニーズの可視化: 台風前夜、コールセンターの営業時間外である深夜帯に「台風でゴミ出しはできるのか」「避難所はどこか」といった具体的な質問が多発していることをログから察知。市民が夜間に何を不安に思っているのかをリアルタイムで把握できるようになりました。
公式サイトの課題発見: 「AIがうまく回答できなかった理由」を分析することで、「ウェブサイト側の記載がPDFリンクのみになっていた」「マイナ保険証への移行に伴う古い記述が残っていた」など、ウェブサイト側の課題を発見・修正する仕組みが整いました。
先回りの対応(トレンド予測): 夏場に増える害虫駆除、秋口の保育園申請、税金関連など、時期ごとに変化する問い合わせのトレンドをデータ化。今後はこれらをもとに、市民から聞かれる前に市側から「先回り」して情報を発信する体制の構築を進めています。
静岡市 総務局 広報課
広報課長 大塚 泰さま/報道広報係 主査 杉山 貴哉さま コメント
「職員の手間は最小限。ウェブサイトを更新するだけでOKという画期的なシステム」 プロポーザル(5社比較)の段階から、選定の軸は『正確性』と『職員の負担軽減』でした。他社システムでは、AIに学習させるための専用FAQやマニュアルをわざわざ職員が作成・管理しなければならない提案が多かった中、カラクリの『GeN』は「市の公式ウェブサイトの情報を見るだけで完結する」という点が圧倒的でした。 職員はこれまで通りウェブサイトの情報を更新・充実させるだけでよく、最短で2時間でAIの回答にも最新情報が自動反映されます。余計な管理コストが一切かからないため、職員の業務負担を増やすことなく導入できました。 今後は、これまでデジタル上での検索に不慣れで『ついつい電話をしてしまっていた層』の方々にも、このAIを通じて『Webで自己完結できた』という成功体験を得ていただきたいと考えています。市民の能力や知識に依存せず、より一人ひとりに寄り添った市民サービス向上・広聴の手段として、これ以上ないシステムだと実感しています。
詳細インタビュー: https://karakuri.ai/case/city-shizuoka
静岡市役所 広報課:https://www.city.shizuoka.lg.jp/s8957/s006308.html
「GeN」サービス概要
「GeN」は、カラクリが提供する、次世代型のAIエージェントソリューションです。
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事前準備の手間をゼロに: 従来型のチャットボットのように、膨大なQ&Aデータの作成やシナリオ設計、マニュアルの登録は一切不要。既存のウェブサイトをそのまま情報源(ソース)として活用するため、導入から運用開始までの期間を劇的に短縮します。
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「聞き返し」による圧倒的な案内精度: ユーザーからの質問が曖昧な場合や、専門用語が含まれない場合でも、AIエージェント自らが能動的に「聞き返し」を行い、真の意図を特定します。これにより、ユーザーを迷わせることなく、1対1のコンシェルジュのような正確でパーソナライズされた案内を実現します。
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リアルタイムな情報更新: 元となるウェブサイトが更新されれば、AIの持つ知識も即座にアップデートされます。災害時などの突発的な状況変化や、急なインデックス更新(最短2時間程度)にもタイムリーに対応可能な、運用型生成AIシステムです。
会社概要
カラクリ株式会社は「Friendly Technology」をミッションに掲げる、カスタマーサポート領域特化のAIスタートアップです。SBI証券、大和証券、星野リゾートをはじめ大手企業150社以上へ、KARAKURI chatbot/KARAKURI assist/GeN(Generative Navigator)/KARAKURI CXM/などの製品群を提供しています。
また、経済産業省・NEDOのGENIAC第3期に採択され、AWS Trainiumを活用した国産LLM「KARAKURI LM」、ビジョン・ランゲージモデル「KARAKURI VL」の開発も進めています。
住所 : 〒104-0045 東京都中央区築地2-7-3 Camel 築地 II 5F
設立 : 2016年10月3日
代表者 : 代表取締役CEO 小田 志門
事業内容 : カスタマーサポート特化型AI「KARAKURI」シリーズの開発・提供・運営など
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