日立システムズとEIZOが連携し、社会インフラの維持管理をサポートする「CYDEEN映像データ利活用システム」の提供を開始
社会インフラの劣化や不具合を早期に発見し、フロントラインワーカーの安全性向上や業務効率化に貢献

株式会社日立システムズ(以下、日立システムズ)は、EIZO株式会社(以下、EIZO)と協業し、先進のデジタル技術と映像技術を活用し、社会インフラ維持管理の現場業務改革を支援する「CYDEEN 映像データ利活用システム」の提供を開始します。
本サービスは道路、上下水道、電力、鉄道などの社会インフラを監視する映像データを統合、共有、鮮明化、分析などの機能を用いて利活用できるようにします。これにより、老朽化した設備の劣化や不具合を早期に発見することが可能となります。また、設備の老朽化に伴う作業の安全性確保や、少子高齢化に伴う人手不足などに課題を持つ社会インフラ維持管理の現場の安全性向上や業務効率化を実現し、現場で働くフロントラインワーカーを支援します。
■背景
深刻化する「社会インフラの老朽化問題」と、現場で求められる安全性確保・人手不足への対応
近年、道路、上下水道、電力、鉄道など、生活を支えるインフラが老朽化しています。これにより、道路陥没、トンネル崩落、コンクリート片落下など人命に関わる事故やライフラインの寸断といった深刻な問題が発生し、社会課題となっています。日本においては、加速的に老朽化する建物の割合が増えており、2030年には、「社会インフラの老朽化問題」はさらに深刻化する見通しです。

出典:「建設後50年以上経過する社会資本の割合」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/_pdf/50year_percentage.pdf
加えて、少子化や熟練作業者の退職に伴う担い手不足や技術伝承に関わる問題が発生しており、効率的なメンテナンス体制・仕組みを構築し、現場の安全性を向上するとともに業務を効率化するための取り組みが急務となっています。
■特長
設備の映像を統合、共有、鮮明化、分析、利活用まで一貫して行うことで、老朽化した設備の劣化や不具合を早期に発見。フロントラインワーカーが危険な場所に行く頻度を削減し、安全性向上に寄与するとともに日常点検の業務効率化を実現
「CYDEEN 映像データ利活用システム」は先進の映像技術を使用した映像データの利活用により、社会インフラ維持管理のフロントラインワーカーを支援するサービスです。
日立システムズはこれまでも、社会インフラの現場を支えるフロントラインワーカー向けに社会・公共ソリューション「CYDEEN」を中心とした社会インフラ保守サービスの提供を行い、また、以前よりEIZOとともに、高速道路や発電所の映像統合や鮮明化による映像データ利活用の取り組みを行ってきました。
今回、映像の統合から共有、鮮明化、分析、利活用までを一貫したサービスとして提供することで、道路、上下水道、電力、鉄道など幅広い場面で映像の利活用を推進し、老朽化した設備の劣化や不具合を早期に発見するとともに、フロントラインワーカーのさらなる安全性の向上と業務効率化をめざしています。
1. 映像統合
カメラのメーカーに関わらず、複数現場の監視カメラの映像を中央で一括監視
異なるメーカーのカメラ映像でも本サービスによって映像を統合・配信することで、複数の現場のカメラ映像を事務所にいる管理者のPCやタブレットなどのさまざまなデバイスで閲覧することが可能です。
これにより、管理者は、速やかな意思決定ができ、複数の現場の作業者に対し、歩調を合わせたタイムリーな指示を送ることができます。
2. 映像共有
熟練作業員が現場に駆け付けなくても、映像を見ながら、遠隔で経験の浅い作業員をサポート
経験の浅い作業員が現地から映像を熟練作業員に共有することで、熟練作業員が現場に駆け付けなくても、現場にいる作業員に対して、遠隔で作業をサポートすることが可能です。これにより、熟練作業員が知る現場の危険回避に関する情報の共有や作業員の熟練度に頼らない人員配置、熟練作業員の工数削減ができます。
また、映像信号のみを分配して配信することで、セキュリティを担保し、インターネットへの接続が難しい制御システムを安全に遠隔で確認することができます。
3. 映像鮮明化
映像を鮮明化することで、暗所作業の効率化や撮り直し工数の削減を実現
不鮮明な映像をリアルタイムまたはオンデマンドで鮮明化してモニターに表示ができます。
これにより、人が立ち入るのが危険な暗所の遠隔監視ができたり、撮影済みの映像が不鮮明なことがあっても、撮り直しすることなく、現場状況を的確に把握したり、老朽化した設備の不具合を発見することができます。

4. 映像利活用(AI分析)
異常検知、文字認識、自動分類などをAIが実行し、ヒューマンエラーの発生や人手不足の問題を解決
人の目だけではなく、AI分析も組み合わせることで監視精度を向上させます。また、AIによる分析によって、人の分析工数も削減します。
■今後の展望
今後も「CYDEEN 映像データ利活用システム」における映像データ利活用の高度化、拡大化に取り組むとともに、新たな映像処理機能の追加、AIを活用したさらなるサービスの追加に向け、研究開発を進め、社会インフラにおける課題解決に貢献します。
■イベント出展について
2025年7月17日(木)に、ヒルトン大阪で開催される「Hitachi Social Innovation Forum 2025 JAPAN OSAKA」において、本サービスをご紹介します。
詳細は https://www.hitachi-systems.com/seminar/2025/20250717.html をご覧ください。
■CYDEENについて
社会・公共ソリューション「CYDEEN」は、公共事業の計画・設計、入札・契約、工事施工、維持管理といったライフサイクルをトータルにサポートするソリューションとして誕生しました。以来25年以上の間改良を続け、最新の技術を集結して、多くのお客さま業務のシステム化を支援しています。現在は、公共・民間の垣根を越え、蓄積されたノウハウや最新技術を活用したサービスの提供を開始しています。今後もさまざまなフィールド作業における喫緊の課題にお応えすべく、現場のデジタル化による品質・業務効率の向上をサポートします。
詳細は https://www.hitachi-systems.com/ind/cydeen/ をご覧ください。
■EIZO株式会社について
EIZO株式会社は、「映像を通じて豊かな未来社会を実現する」という企業理念のもと、1968年の創業以来、一貫して「映像」を核に、独自のビジネスモデルを進化させています。「Visual Technology Company」として、市場をリードする”高品質・高信頼性”の映像ハードウェアと、それらをソフトウェアで繋いだ、映像の価値を最大化する映像利活用システム「EIZO Visual Systems(EVS)」を提供します。先進のサステナビリティの取組みを行うビジネス・エンタープライズ市場、正確な表示を追求するヘルスケア市場やクリエイティブワーク市場、船舶・航空管制などの産業市場まで、幅広い市場に映像環境ソリューションを開発・設計・製造・販売しています。
詳細はhttps://www.eizo.co.jp をご覧ください。
■日立システムズについて
日立システムズは、強みであるさまざまな業種の課題解決で培ってきたお客さまの業務知識やノウハウを持つ人財が、日立グループ各社やビジネスパートナーと連携し、One HitachiでLumada事業を中心に展開することにより、お客さまのデジタル変革を徹底的にサポート。日立グループのサステナビリティ戦略の下、環境・社会・企業統治を考慮した経営を推進することで、国連が定める持続可能な開発目標SDGsの課題解決に向けた価値を創出し、企業理念に掲げる「真に豊かな社会の実現に貢献」してまいります。
詳細は https://www.hitachi-systems.com/ をご覧ください。
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