「違法・無報告・無規制(IUU)漁業」への対策法制度強化を求める芸人せやろがいおじさん制作協力のIUU解説動画を公開、署名も開始!
【日本の輸入水産物の3割がIUU漁業由来】
世界の水産資源は近年減少の一途をたどり、3割が「獲りすぎ」の状態と言われています。それを悪化させている大きな要因のひとつが、 密漁に加え、不正確および過少報告の漁業、旗国なしの漁船による漁業、地域漁業管理機関(RFMOs)の対象海域での無認可漁船による漁業といったIUU(Illegal, Unreported and Unregulated)漁業です(注1)。IUU漁業は、世界の漁獲量のうちの3割を占めると推定されています。このようなIUU漁業は、日本とも無関係ではなく、日本が輸入する天然水産物の最大3割が、IUU漁業由来の可能性があると言われています(注2)。
【IUU漁業問題の解説動画と署名】
WWFジャパンは、こうした状況を一般消費者に広く知ってもらうため、沖縄から発信する時事ネタ動画が人気のお笑い芸人「せやろがいおじさん」と共にIUU漁業問題についての解説動画を制作。本日動画を公開し、あわせてIUU対策法ともなる水産流通適正化法の強化を求める署名への賛同呼び掛けを開始しました。
■動画『その魚ヤバいやつかも!?エグすぎる方法で獲られた魚が普通にスーパーで売られてる件について』
URL:https://youtu.be/pvsDUwFSp60
■署名 「奴隷労働や乱獲された魚を私たちは食べている!?すべての水産物について、いつ、どこで、だれが、どのように獲ったものか示す法律(対IUU法)の整備のために、あなたの力を貸してください! 」
URL:https://www.change.org/IUUfishing
宛先:水産庁、農林水産大臣
【水産流通適正化法の強化に向けて】
近年、世界的にIUU漁業への規制強化の動きが進みつつあります。日本でも、対IUU法ともいえる「水産流通適正化法(正式名称:特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律)」が2022年12月1日に施行予定です。しかし、対象種がわずか国内水産物3種、輸入規制対象4種しかありません。最大の水産物輸入市場(金額ベース)であるEUではすでに全魚種が対象となり、続く米国でも全魚種に向けて進んでおり、日本がIUU水産物の抜け穴となってしまう可能性があります。WWFジャパンは、2年後に水産流通適正化法の見直しがされるタイミングで、全魚種対象に拡大することを目指しています。
【WWFジャパン担当者のコメント】
「IUU漁業とはどのような問題なのか、その問題が日本の私たちの消費や生活といかに関係しているのかを知り、その解決のために一人ひとりができることを考えてほしい、そのような思いで、3年前より映画『ゴースート・フリート 知られざるシーフード産業の闇』の誘致を試みました。日本公開に際して、映画と合わせて、広くIUU問題に関心を持ってもらえるよう5分で分かる解説動画と、多くの方ができるアクションの一つとして署名を公開しました。WWFは、日本市場からIUU漁業由来の水産物を排除し、ひいては、世界の海からIUU漁業を撲滅することを目指して活動しています。」()
【5月28日、映画『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇』日本公開】
WWFジャパンが特別協力しているドキュメンタリー映画『ゴースート・フリート 知られざるシーフード産業の闇』が、5月28日(土)からシアター・イメージフォーラム他全国の劇場で順次公開されます。タイには漁船で奴隷労働者として働かされる「海の奴隷」が数万人存在するといわれます。本作は、「海の奴隷」救出に奔走するパティマ・タンプチャヤクル(2017年ノーベル平和賞ノミネート)を追ったドキュメンタリーです。試写会参加ご希望の方はお問合せください。
映画プレス資料: https://www.cinemo.info/data/ghost/press.pdf
(注1)WWFジャパン「IUU漁業について」https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/282.html
(注2)G. Pramod, T. J. Pitcherb & G. Mantha (2017) Estimates of illegal and unreported seafood imports to Japan. Marine Policy 84.
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