【台湾情報】製造業サプライチェーンの脱中国化 台湾工作機械産業の機械部品向け商機<ワイズ機械業界ジャーナル2022年11月第3週号発行>
〜台湾機械・エネルギー・電子・自動車業界の最新動向を分析する〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年11月第3週号を発行しました。今週号では、機械設備業界、工作機械業界、半導体後工程のウエットプロセス設備大手のGrand Processと木工機械設備製造業の23年展望を紹介します。
<最新号目次>
- 台湾金属加工機械設備製造業の産業概況と2022年第4四半期の展望
- 台湾工作機械産業の機械部品向け応用と商機
- 半導体後工程のウエットプロセス設備大手、弘塑科技(Grand Process)
- 台湾木工機械設備製造業の産業概況と2023年の展望
台湾の工作機械は機械部品、金属製品の加工向けで世界的に高い競争力を持ち、中でもジョブショップ生産方式(工場内のエリアごとに同じ種類の機械を配置し、その間を加工品が行き来する生産の仕方)におけるコストパフォーマンスの高さが、台湾の工作機械が台湾内外の多くの企業に選ばれる要因となっている。
機械部品、金属製品の加工用としては主に▽旋盤、▽マシニングセンター、▽研削盤、▽プレス機、▽放電加工機などが採用されているが、台湾の工作機械メーカー各社は機械だけでなく、自動化やオーダーメイド需要に対応したスマートソリューションの研究開発(R&D)も進めている。
機械部品と金属製品は種類が多く、求められる加工精度や生産量は製品によって大きく異なる。例えば、外観、内部構造ともに複雑な金型の場合、寸法精度と表面品質に高いレベルが求められ、1回当たりの加工量が少ないため、相対的に価格が高いが、機械に使用する中大型のねじやナットなどのファスナーは形状の種類が少なく、寸法精度に求められるレベルも低く、1回当たりの加工量が多いため、相対的に価格が低い。
このように、求められる加工精度などが製品によって異なるため、機械部品メーカーが工作機械に求める性能や価格も様々だ。
二、産業動向
1.自動化需要の増加
機械メーカーや部品加工メーカーは自社製品の価格を大きく左右する加工品質と安定性を特に重要視している。加工の自動化は加工品質の向上と安定した品質確保につながるため、膨大な人口を抱えるインドや東南アジア諸国でも機械部品メーカーは加工の自動化レベルを高め続けている。
また、少子高齢化で生産年齢人口の減少が続く西洋諸国や日本、台湾、中国の機械部品メーカーにとっては、生産性を維持するために自動化が必須だ。
2.多品種少量生産の需要増
消費者向けか産業向けかを問わず、各メーカーにとって製品の差別化と継続的なイノベーションが競争力を保つ上で重要となる中、製品の種類は急速に増え、製品のライフサイクルはますます短くなっている。
機械部品、金属製品メーカーは高度にカスタマイズされた多様な製品を少量生産することが当たり前になってきており、各社は顧客の多種多様な需要に対応するため、柔軟な生産工程の構築や設備のモジュール化などを進めている。
3.製造のスマート化
前述したカスタマイズ需要に対応するためだけでなく、▽生産状況をリアルタイムで把握できる、▽生産管理効率を高められる、▽生産設備の診断と予知保全を通じ、想定外の故障による損失を防ぐことができる、▽エネルギー使用効率を向上させることができるなどのメリットもあることから、製造のスマート化は一般的な機械、部品メーカーだけでなく、短期のカスタムオーダーなどを専門とするジョブショップの間でも広がっている。
三、商機
1.製造業サプライチェーンの脱中国化
過去30年間は中国が安い人件費や工場建設コストを武器に国外メーカーからの投資を呼び込み、多くの分野で世界のサプライチェーンの中心的な役割を果たすようになったが、ここ数年は様々な原因によりサプライチェーンの脱中国化が進んできており、工作機械メーカーなどに新たな需要をもたらしている。
2.台湾のハイエンド製造センター政策
行政院は2020年、台湾をアジアのハイエンド製造センターとし、世界のサプライチェーンの中心的な地位獲得を目指す政策を発表した。具体的には、製造業の第5世代移動通信(5G)や人工知能(AI)技術の導入を促し、各産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やイノベーションを進めるほか、業界団体などとの連携により需要を把握したり、モデル拠点を整備したりするといった内容だ。
同政策が追い風となり、メーカーによる高性能の先端生産設備などへの投資が今後も拡大する見通しで、台湾工作機械産業にとっては域内メーカーからの需要増が期待できる。ハイエンド工作機械やスマート製造ソリューションの分野で実績を積むことができれば、海外市場の開拓も有利になるだろう。
四、今後の商機開拓
1.顧客の生産ラインのスマート化支援
既存の生産ラインや設備を改善する方が、新たな生産ラインや設備を導入するよりコストも時間もかからないため、工作機械各社は台湾内外の顧客の既存の生産ラインや設備のデジタル化・スマート化を支援すると良いだろう。(続く)
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