半数以上の企業がブランディング・マーケティング戦略を未策定。予算・投資枠は増加傾向にあるものの、専門人材の確保と育成、戦略策定が課題に。「2023年度ブランド&マーケティングアンケート調査」結果を発表
日本の経営コンサルティングのパイオニアである株式会社タナベコンサルティング(本社:東京都千代田区・大阪市淀川区、代表取締役社長:若松 孝彦)は、全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者、ブランディング・マーケティング責任者や担当者などを対象に実施した「2023年度ブランド&マーケティングアンケート調査」の結果を発表いたします。
【調査結果サマリー】
(1)ブランディングにおける課題は、4割以上の企業が「専門的に行う部署・チームがない」と回答。また、マーケティングにおける課題は「施策を実行、推進するための人員が不足している」という回答が4割以上に。専門人材の確保・育成とともに、戦略策定に課題があることが浮き彫りとなりました。
(2)半数以上の企業がブランディング戦略・マーケティング戦略策定を行っていないという結果に。戦略やビジョン・コンセプトを策定して推進していくことが急務と言えます。
(3)ブランディング・マーケティングともに予算傾向は約4割の企業が「増加・やや増加」と回答。予算・投資枠は増加傾向であることが分かりました。
(4)現在出稿している媒体は「オンライン(Web)広告」が約4割と最多!今後出稿してみたい広告媒体も「オンライン(Web)広告」が多く、引き続き注目されています。
【各データ詳細】
■ブランディングにおける課題は、4割以上の企業が「専門的に行う部署・チームがない」と回答。
ブランディングにおける課題について尋ねたところ、「専門的に行う部署・チームがない」(43.4%)という回答が最多となりました。次いで「ブランドビジョン/コンセプトが設計できていない」(36.9%)、「ブランドのマネジメントができていない」(34.4%)となり、専門人材の確保・育成とともに、戦略策定に課題があることが浮き彫りとなりました。
■マーケティングにおける課題は「施策を実行、推進するための人員が不足している」という回答が4割以上に。
マーケティングにおける課題について尋ねたところ、「施策を実行、推進するための人員が不足している」という回答が41.7%と最多となりました。次いで「効果の可視化が難しい」(35.8%)、「施策がマンネリ化している」(28.5%)、「年間単位でのプロモーション計画が設計できていない」(24.5%)という結果となり、専門的に推進するチーム・人材の確保が急務と言えます。
■半数以上の企業がブランディング戦略・マーケティング戦略の策定を行っていないという結果に。
ブランディング戦略およびマーケティング戦略の策定の有無について尋ねたところ、ブランディング戦略については60.7%、マーケティング戦略については52.8%が「戦略策定を行っていない」という結果となりました。半数以上の企業で戦略が策定されていないことが分かります。
■ブランディングの予算傾向は、約4割の企業が「増加・やや増加」と回答。
ブランディングの予算傾向について尋ねたところ、今期予算では、前期と比して「増加・やや増加」が39.2%となり、「減少・やや減少」の13.0%を上回る結果となりました。ブランディングの予算・投資枠は増加傾向であると言えます。
■マーケティングの予算傾向は、約4割の企業が「増加・やや増加」と増加傾向に。
マーケティングの予算傾向について尋ねたところ、今期予算では、前期と比して「増加・やや増加」という回答が35.9%となりました。「減少・やや減少」の11.9%を上回ることから、マーケティングの予算は増加傾向にあることがうかがえます。
■ブランディングへの取り組みは、会社にとって重要なタイミングを活用!
過去のブランディングへの取り組み状況について尋ねたところ、「新商品や新サービスの開発、ローンチに伴うブランディングやPR」(27.0%)が最多となり、次いで「会社の大きな変革に伴うブランディングやPR」(20.5%)、「企業の周年」(18.9%)、「商品やサービスの周年」(16.4%)という結果となりました。会社にとって重要なタイミングを活用して取り組みを行っていることがうかがえます。
■ブランディングの効果は約4割の企業が「認知度が上がった」と回答! 一方で効果測定が課題に。
ブランディングに取り組んだ効果について尋ねると、「認知度が上がった」(38.5%)が最多に。次いで「社員のモチベーションが上がった」(26.2%)となり、アウターブランディングだけでなく、インナーブランディングを通じて社員のモチベーション向上に繋がっていることがうかがえます。一方で、「わからない」という回答が32.0%となったことから、ブランディングは効果測定が難しい取り組みであると言えるでしょう。
■現在出稿している媒体は「オンライン(Web)広告」が約4割と最多! 今後も「オンライン(Web)広告」が注目されている。
現在出稿している媒体について尋ねると、「オンライン(Web)広告」(35.8%)が最も多く、次いで「新聞広告」(29.8%)、「雑誌広告」(23.8%)という結果に。今後出稿してみたい媒体としても、「オンライン(Web)広告」(35.8%)が最多となりました。
一方で、新聞や雑誌といった媒体に関しては今後の出稿意欲が低く、引き続きオンライン(Web)広告への関心の高さがうかがえます。また、コロナ禍を経て消費活動や人の往来が戻ってきたことにより、「テレビ広告」や「電車・タクシー等交通広告」への出稿意欲が高まっていることもうかがえます。
■専門コンサルタントによる総括・提言
(1)人材の採用・育成が急務。専門性の高いチームをデザインする
今回のアンケートから、約4割の企業が「ブランディング・マーケティングを専門に行う部署がない、人材が不足している」と回答しており、専門人材の採用・育成が急務であることが分かりました。環境変化の予測が困難な時代の中でブランディング・マーケティングを推進していくには、より高度な知識、技術が求められます。まずは専門に推進するチーム・人材の確保から取り掛かることが重要です。
(2)ブランドビジョン(コンセプト)を明確にして、ブランドの一貫性を実現する
ブランディングにおいて多岐にわたるメディアの活用が進む中、今回のアンケート結果から、戦略やビジョンなどの策定・設計ができておらず、目的や計画どおりに運用ができていない企業が多いことが分かりました。商品やサービスの価値訴求をするためには、ブランドを確立し、そのブランドを届けるためのPRが重要となってきています。適切な投資を行い、伝えるべき価値を「ブランド」として表現し、戦略やビジョン・コンセプトを策定して推進していくことが大切です。
(3)タイミングがカギ。新商品・周年など、社内が盛り上がるきっかけ・節目を活用する
ブランディングに取り組むきっかけとしては、約3割が新商品・サービスの開発やローンチのタイミング、約2割が社名変更や代表交代などの大きな変革を挙げており、会社にとって重要なタイミングを活用して取り組みを行っていることが分かりました。また、アウターブランディングの効果として、約4割が認知度向上を実感し、インナーブランディングの効果としては、約3割が社員のモチベーションアップを実感できています。いかに社員を巻き込みながら取り組みを行うかが、成功のカギと言えるでしょう。
(4)環境変化によるプロモーションのトレンドを把握して、予算最適化を検討する
今期、来期ともにブランディング・マーケティング予算は増加傾向との回答結果となっています。また、プロモーションのトレンドとしてはオンライン化に変わりはないものの、コロナ禍からの環境変化により消費活動や人の往来が戻ってきたことで、テレビ広告や交通広告への関心が高まっていることが分かります。
トレンドをいち早く取り入れ、増加する予算を自社にとってより効果の高いプロモーションに投下することが重要です。
■執筆者プロフィール
株式会社タナベコンサルティング 取締役 飯田 和之
企業のマーケティング&ブランディング戦略パートナーとして、売上拡大・ブランド認知向上に直結する戦略立案からマーケティング計画の策定、具体的販促施策の実行推進、メディア・クリエイティブ・プレミアムノベルティの企画、制作ディレクションまで一貫して支援している。
■調査概要
[調査対象]全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者、ブランディング・マーケティング責任者や担当者など
[調査期間]2023年9月25日~2023年10月13日
[調査エリア]全国
[有効回答数]151件(インターネットによる回答)
■関連リンク
・「2023年度ブランド&マーケティングアンケート調査」資料ダウンロードページ
https://bit.ly/brand_download_pressrelease
・当社メディア『TCG REVIEW』(「2023年度ブランド&マーケティングアンケート調査」リポート)
https://review.tanabeconsulting.co.jp/column/pick-up-topics/41870/
タナベコンサルティンググループ(TCG)概要
TCGは、1957年(昭和32年)に創業し、創業65年を超える日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、現在地から未来の社会に向けた貢献価値として、「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパスを定めています。
グループで約660名のプロフェッショナル人材を擁し、「経営者・リーダーのパートナー」として大企業から中堅企業まで17,000社以上の支援実績があります。
経営コンサルティング領域としては、戦略策定支援(上流工程)から、デジタル技術も駆使した現場における実装・オペレーション支援(中流~下流工程)まで、企業経営を一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンを全国地域密着で構築しています。
そして、コンサルティングスタイルとしては、「Client Success-すべてはクライアントの成功のために」という徹底したクライアント中心主義のもと、経営コンサルティング・バリューチェーンにより、個社の経営課題に合わせて複数名のプロフェッショナルコンサルタントを選定してチームを組成する「チームコンサルティング」を推進しています。
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