アドビ、Digital Economy Indexで初の日本市場分析結果を発表
日本のデジタル経済動向は、2021年1~3月で昨年同期比15%増と緩やかに増加
アドビ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神谷 知信、以下 アドビ)は本日、アドビの分析アプリケーションAdobe Analytics(https://business.adobe.com/jp/products/analytics/adobe-analytics-features.html)によって計測されるECなどのデジタル取引状況を活用したデジタル経済指標、Adobe Digital Economy Index(DEI)(https://business.adobe.com/jp/resources/digital-economy-index.html)で、初となる日本市場のデジタル経済動向分析結果を発表しました。2021年1~3月の日本の動向を他国と比較したところ、変動は緩やかではあるものの、日本の消費行動はオンライン化が進んでおり、店舗での消費は避ける傾向にあることが明らかとなりました。オンラインショッピングについては、スマートフォンの利用が増えており、webサイトの滞在時間が短くなっていることが判明しました。
消費のオンライン化は緩やかに増加
全世界のデジタル経済の成長を見ると、2021年を通してオンライン消費が4.2兆ドルを超えると見込まれます。これは、GDPトップ5の国の規模に相当します。日本では、2021年第1四半期(暦年)におけるオンライン消費額が、昨年同期比15%増となり、50億ドル超(約5,400億円)の消費額増加となりました。これは、同期間に記録された米国の39%増、イギリスの66%増と比較すると、緩やかな増加となっています。一方で、国内の消費者1,000人以上を対象としたアドビの調査から人々の消費意向に目を向けてみると、日本の消費者のうち67%が、パンデミックに入る2020年3月以前から定期的もしくは頻繁にオンラインで買い物をしており、オンラインで買い物をしたことがなかった残りの回答者のうち80%が今年オンラインで買い物をしたと回答したことから、日本でも確実にオンライン消費への移行が進んでいることが明らかとなりました。
スマートフォンの利用とwebサイトの訪問回数が伸びる一方で滞在時間は短縮化
日本ではオンライン小売店への訪問が前年同期比で19%増となり、さらにオンラインでの注文額も同15%増となったものの、サイト訪問から注文への転換率(コンバージョン)が低下した(同16%減)ことにより、この増加傾向が一部相殺されました。また、過去3年間で、日本の消費者がwebサイトに滞在する時間は短くなっており、1回の訪問で閲覧するページ数が減り続けています。企業は消費者の求める商品を優先的に表示させたり、購入プロセスを簡素化したりするなど、限られた応対機会のなかで購入に結び付けられるような措置を講じる必要があると言えます。
また、2021年第1四半期(暦年)売上高の61%はスマートフォン経由での購入となっており、イギリス、オーストラリア、フランス、米国を含む他国の結果と比べると、日本が最も高い結果となりました。国内の消費者1,000人以上を対象としてアドビが行った調査結果から、年代別にスマートフォンの利用傾向を分析すると、ミレニアル世代で65%、X世代(Gen X)で48%と、特に若年層が高い傾向にあったことが明らかとなりました。パソコンの利用に比べ気軽にアクセスできることが購入サイトへの訪問数増加に貢献していると考えられます。さらに、モバイルアプリ等の拡充でスマートフォンからの利便性が高まっていることや、パソコンを持っていない消費者にもオンラインショッピングが浸透していることがうかがえます。
引き続き店舗での消費は控える傾向に
各国の消費者1,000人以上を対象に実施したアドビの調査(2021年)によると、米国、イギリス、日本のうち、日本の消費者は前年と比較すると店舗への訪問を避ける傾向が強くなっており、3か国中最も高い35%を記録しました(米国23%、イギリス26%)。これは主に、ほかの2か国と比べてワクチンの接種が遅れている点(ワクチン接種済み回答者の割合:米国34%、イギリス65%、日本4%)や度重なる国内での感染拡大が起因していると考えられます。実際に店舗で買い物をしている消費者についても、半数以上(63%)が適切な感染拡大防止措置を取っていることを重視して購入店舗を選んでいる傾向が明らかになりました。
家電製品の価格が高止まりする中、アパレルの価格は急降下
米国では、2020年4月に家電製品の価格の上昇に見舞われたものの、それ以降、継続的に減少し例年通りのパターンに戻りました。日本では対照的に、家電製品の価格が継続的に上昇しています。自宅で過ごす時間が増えた影響により、空気清浄機や掃除機など快適な住環境の構築から、トースターやホットプレートといった自炊を支える調理家電まで、日常生活の拡充に関心が高まるにつれ、家電製品全体の需要が喚起されたと考えられます。
アパレルの価格においては、この1年、各国で同じような傾向が見られ、2020年4月に需要の減少に伴い急落しましたが、需給が安定した2020年10月には急上昇しています。日本に関しては、2度目の緊急事態宣言が発出された2021年1月~3月で再び価格が大幅に下落し、外出自粛による需要の減少から改めてアパレルの価格が低下した様子がうかがえます。国内の消費者1,000人以上を対象としたアドビの調査から日本の消費者が過去4週間にオンラインで購入した商品を見てみると、食料品(43%)、健康・美容用品(29%)、衣類(28%)、家電製品(20%)の順となっており、この4つのカテゴリーがオンラインの売上高を牽引していることが明らかとなりました。
さらに今回の調査では、日本の消費者のうち半数以上(52%)がパンデミック以前の状況に戻ったとしても、オンラインと店舗での消費行動は変わらないと回答していることから、企業は店舗からオンラインに移行している顧客、またその両方を併用する顧客のニーズを迅速に理解し、最適な顧客体験をリアルタイム提供していくことが求められています。
アドビのInternational Advisory Boardに参画している経済学者の竹中平蔵氏は次のように述べています。
「業種や規模に関わらず、この1年で世界中の企業がEコマースを収益に貢献する大きな柱のひとつとして認識するようになりました。日本においても確実に消費のデジタル化が進んでおり、この傾向が戻ることはないと考えられます。企業にとっては、顧客の関心を捉え、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供して満足度の高いデジタル体験を実現することが、これからのビジネスの成長につながると考えられます。」
分析方法について
Adobe Digital Economy Index(DEI)は、1兆回を超えるサイトアクセス数と18の製品カテゴリーにおける1億以上のSKUをカバーするAdobe Analyticsの分析データを利用しており、同種の指標のなかで最も包括的なインサイトを提供します。Adobe Analyticsは、米国の上位100のオンライン小売業者のうち80社による取り引きを測定しており、この数字は他のどのテクノロジー企業による分析をも上回ります。DEIの測定に合わせて行われた補完調査は、米国、英国、日本の3か国でそれぞれ18歳以上の消費者1,000人を対象に2021年2月26日~2021年3月2日、2021年3月24日~2021年3月29日に実施されました。
本調査の詳細は下記からご覧いただけます。
URL:https://business.adobe.com/jp/resources/reports/003277-digital-economy-index-2021.html
※本調査結果を活用される際は、デジタルデータの用途等の告知義務や取扱いについて法令に従って運用いただくよう、お願いいたします。
■「アドビ」について
アドビは、世界を変えるデジタル体験を提供します。このアドビのビジョンは3つのクラウドサービスで支えられています。 Creative Cloud( https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html )は、写真、デザイン、ビデオ、 web、 UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。 Document Cloud( https://acrobat.adobe.com/jp/ja/ )では、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。 Experience Cloud( https://business.adobe.com/jp/products/adobe-experience-cloud-products.html )は、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Sensei( https://www.adobe.com/jp/sensei.html )を活用しています。
アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。
アドビに関する詳細な情報は、webサイト(https://www.adobe.com/jp/)に掲載されています。
© 2021 Adobe Inc. All rights reserved. Adobe and the Adobe logo are either registered trademarks or trademarks of Adobe in the United States and/or other countries. All other trademarks are the property of their respective owners.
全世界のデジタル経済の成長を見ると、2021年を通してオンライン消費が4.2兆ドルを超えると見込まれます。これは、GDPトップ5の国の規模に相当します。日本では、2021年第1四半期(暦年)におけるオンライン消費額が、昨年同期比15%増となり、50億ドル超(約5,400億円)の消費額増加となりました。これは、同期間に記録された米国の39%増、イギリスの66%増と比較すると、緩やかな増加となっています。一方で、国内の消費者1,000人以上を対象としたアドビの調査から人々の消費意向に目を向けてみると、日本の消費者のうち67%が、パンデミックに入る2020年3月以前から定期的もしくは頻繁にオンラインで買い物をしており、オンラインで買い物をしたことがなかった残りの回答者のうち80%が今年オンラインで買い物をしたと回答したことから、日本でも確実にオンライン消費への移行が進んでいることが明らかとなりました。
スマートフォンの利用とwebサイトの訪問回数が伸びる一方で滞在時間は短縮化
日本ではオンライン小売店への訪問が前年同期比で19%増となり、さらにオンラインでの注文額も同15%増となったものの、サイト訪問から注文への転換率(コンバージョン)が低下した(同16%減)ことにより、この増加傾向が一部相殺されました。また、過去3年間で、日本の消費者がwebサイトに滞在する時間は短くなっており、1回の訪問で閲覧するページ数が減り続けています。企業は消費者の求める商品を優先的に表示させたり、購入プロセスを簡素化したりするなど、限られた応対機会のなかで購入に結び付けられるような措置を講じる必要があると言えます。
また、2021年第1四半期(暦年)売上高の61%はスマートフォン経由での購入となっており、イギリス、オーストラリア、フランス、米国を含む他国の結果と比べると、日本が最も高い結果となりました。国内の消費者1,000人以上を対象としてアドビが行った調査結果から、年代別にスマートフォンの利用傾向を分析すると、ミレニアル世代で65%、X世代(Gen X)で48%と、特に若年層が高い傾向にあったことが明らかとなりました。パソコンの利用に比べ気軽にアクセスできることが購入サイトへの訪問数増加に貢献していると考えられます。さらに、モバイルアプリ等の拡充でスマートフォンからの利便性が高まっていることや、パソコンを持っていない消費者にもオンラインショッピングが浸透していることがうかがえます。
引き続き店舗での消費は控える傾向に
各国の消費者1,000人以上を対象に実施したアドビの調査(2021年)によると、米国、イギリス、日本のうち、日本の消費者は前年と比較すると店舗への訪問を避ける傾向が強くなっており、3か国中最も高い35%を記録しました(米国23%、イギリス26%)。これは主に、ほかの2か国と比べてワクチンの接種が遅れている点(ワクチン接種済み回答者の割合:米国34%、イギリス65%、日本4%)や度重なる国内での感染拡大が起因していると考えられます。実際に店舗で買い物をしている消費者についても、半数以上(63%)が適切な感染拡大防止措置を取っていることを重視して購入店舗を選んでいる傾向が明らかになりました。
家電製品の価格が高止まりする中、アパレルの価格は急降下
米国では、2020年4月に家電製品の価格の上昇に見舞われたものの、それ以降、継続的に減少し例年通りのパターンに戻りました。日本では対照的に、家電製品の価格が継続的に上昇しています。自宅で過ごす時間が増えた影響により、空気清浄機や掃除機など快適な住環境の構築から、トースターやホットプレートといった自炊を支える調理家電まで、日常生活の拡充に関心が高まるにつれ、家電製品全体の需要が喚起されたと考えられます。
アパレルの価格においては、この1年、各国で同じような傾向が見られ、2020年4月に需要の減少に伴い急落しましたが、需給が安定した2020年10月には急上昇しています。日本に関しては、2度目の緊急事態宣言が発出された2021年1月~3月で再び価格が大幅に下落し、外出自粛による需要の減少から改めてアパレルの価格が低下した様子がうかがえます。国内の消費者1,000人以上を対象としたアドビの調査から日本の消費者が過去4週間にオンラインで購入した商品を見てみると、食料品(43%)、健康・美容用品(29%)、衣類(28%)、家電製品(20%)の順となっており、この4つのカテゴリーがオンラインの売上高を牽引していることが明らかとなりました。
さらに今回の調査では、日本の消費者のうち半数以上(52%)がパンデミック以前の状況に戻ったとしても、オンラインと店舗での消費行動は変わらないと回答していることから、企業は店舗からオンラインに移行している顧客、またその両方を併用する顧客のニーズを迅速に理解し、最適な顧客体験をリアルタイム提供していくことが求められています。
アドビのInternational Advisory Boardに参画している経済学者の竹中平蔵氏は次のように述べています。
「業種や規模に関わらず、この1年で世界中の企業がEコマースを収益に貢献する大きな柱のひとつとして認識するようになりました。日本においても確実に消費のデジタル化が進んでおり、この傾向が戻ることはないと考えられます。企業にとっては、顧客の関心を捉え、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供して満足度の高いデジタル体験を実現することが、これからのビジネスの成長につながると考えられます。」
分析方法について
Adobe Digital Economy Index(DEI)は、1兆回を超えるサイトアクセス数と18の製品カテゴリーにおける1億以上のSKUをカバーするAdobe Analyticsの分析データを利用しており、同種の指標のなかで最も包括的なインサイトを提供します。Adobe Analyticsは、米国の上位100のオンライン小売業者のうち80社による取り引きを測定しており、この数字は他のどのテクノロジー企業による分析をも上回ります。DEIの測定に合わせて行われた補完調査は、米国、英国、日本の3か国でそれぞれ18歳以上の消費者1,000人を対象に2021年2月26日~2021年3月2日、2021年3月24日~2021年3月29日に実施されました。
本調査の詳細は下記からご覧いただけます。
URL:https://business.adobe.com/jp/resources/reports/003277-digital-economy-index-2021.html
※本調査結果を活用される際は、デジタルデータの用途等の告知義務や取扱いについて法令に従って運用いただくよう、お願いいたします。
■「アドビ」について
アドビは、世界を変えるデジタル体験を提供します。このアドビのビジョンは3つのクラウドサービスで支えられています。 Creative Cloud( https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html )は、写真、デザイン、ビデオ、 web、 UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。 Document Cloud( https://acrobat.adobe.com/jp/ja/ )では、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。 Experience Cloud( https://business.adobe.com/jp/products/adobe-experience-cloud-products.html )は、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Sensei( https://www.adobe.com/jp/sensei.html )を活用しています。
アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。
アドビに関する詳細な情報は、webサイト(https://www.adobe.com/jp/)に掲載されています。
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