1500冊以上の新書の中で、有識者や書店員、新聞記者などから高評価! 中国における監視社会の実態を解き明かす『幸福な監視国家・中国』が、「新書大賞2020」の6位に入賞

~今年中には監視カメラの設置数が6億台に迫るといわれる中国。セサミ・クレジットから新疆ウイグル問題まで、気鋭の経済学者とジャーナリストが多角的に掘り下げる一冊~

 NHK出版の『幸福な監視国家・中国』(著者:梶谷懐・高口康太、発売日:2019年8月10日)が、このたび「新書大賞2020」(主催:中央公論新社)の6位に入賞しました。
 地下鉄駅でのX線による荷物検査、高速鉄道(日本における新幹線相当)での身分証提示、街中に林立する約2億台の監視カメラ……中国を訪問すると、その監視社会ぶりに驚かされます。
 中国では、現実社会でもインターネット上でも、すべてが政府に筒抜けです。しかし、中国人のほとんどがその状況に不満を抱いていないどころか、むしろ現状を肯定的に見ています。
 習近平体制下で、人々が政府・大企業へと個人情報・行動記録を自ら提供するなど、AI・アルゴリズムを用いた統治が進む「幸福な監視国家」への道をひた走っているかに見える中国。果たして、中国ではいま何が起きているのでしょうか――。この謎が解き明かされたとき、驚くべき中国の監視社会はどこか別世界の現象ではなく、日本が今後直面する問題だと明らかになるはずです。

【著者】
梶谷 懐(かじたに・かい)
1970年、大阪府生まれ。神戸大学大学院経済学研究科教授。神戸大学経済学部卒業後、中国人民大学に留学(財政金融学院)、2001年神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学)。神戸学院大学経済学部准教授などを経て、2014年より現職。著書に『「壁と卵」の現代中国論』(人文書院)、『現代中国の財政金融システム』( 名古屋大学出版会、大平正芳記念賞)、『日本と中国、「脱近代」の誘惑』(太田出版)、『中国経済講義』(中公新書)など。

高口 康太(たかぐち・こうた)
1976年、千葉県生まれ。ジャーナリスト。千葉大学人文社会科学研究科博士課程単位取得退学。中国経済、中国企業、在日中国人社会を中心に『週刊東洋経済』『Wedge』『ニューズウィーク日本版』『NewsPicks』などのメディアに寄稿している。ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか』(祥伝社新書)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)、編著に『中国S級B級論』(さくら舎)など。

■「新書大賞」について
 「新書大賞」(主催:中央公論新社)は、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者などに、その1年間(前年発行)に刊行されたすべての新書から、「読んで面白かった、内容が優れていると感じた、おすすめしたいと思った」ものを挙げてもらい、その年の「最高の一冊」を選ぶ賞です。
 今回の「新書大賞2020」では、2018年12月~2019年11月に刊行された1500点以上の新書を対象に、新書に造詣の深い99人が投票しました。

■『幸福な監視国家・中国』構成

はじめに

第1章 中国はユートピアか、ディストピアか
     間違いだらけの報道/専門家すら理解できていない
          「分散処理」と「集中処理」/テクノロジーへの信頼と「多幸感」
           未来像と現実のギャップがもたらす「認知的不協和」
           幸福を求め、監視を受け入れる人々
           中国の「監視社会化」をどう捉えるべきか 

第2章 中国IT企業はいかにデータを支配したか
          「新・四大発明」とは何か/アリババはなぜアマゾンに勝てたのか
           中国型「EC」の特徴/ライブコマース、共同購入、社区EC
           スーパーアプリの破壊力/ギグエコノミーをめぐる賛否両論
           中国のギグエコノミー/「働き方」までも支配する巨大IT企業
           プライバシーと利便性/なぜ喜んでデータを差し出すのか

第3章 中国に出現した「お行儀のいい社会」
           急進する行政の電子化/質・量ともに進化する監視カメラ
           統治テクノロジーの輝かしい成果/監視カメラと香港デモ
          「社会信用システム」とは何か/取り組みが早かった「金融」分野
          「金融」分野に関する政府の思惑/トークンエコノミーと信用スコア
          「失信被執行人リスト」に載るとどうなるか
          「ハエの数は2匹を超えてはならない」
          「厳しい処罰」ではなく「緩やかな処罰」/紙の上だけのディストピアか
           道徳的信用スコアの実態/現時点ではメリットゼロ
           統治テクノロジーと監視社会をめぐる議論
           アーキテクチャによる行動の制限/「ナッジ」に導かれる市民たち
           幸福と自由のトレードオフ/中国の現状とその背景

第4章 民主化の熱はなぜ消えたのか
           中国の「検閲」とはどのようなものか/「ネット掲示板」から「微博」へ
           宜黄事件、烏坎事件から見た独裁政権の逆説
           習近平が放った「3本の矢」/検閲の存在を気づかせない「不可視化」
           摘発された側が摘発する側に/ネット世論監視システムとは

第5章 現代中国における「公」と「私」
           「監視社会化」する中国と市民社会/第三領域としての「市民社会」
            現代中国の「市民社会」に関する議論/投げかけられた未解決の問題
           「アジア」社会と市民社会論/「アジア社会」特有の問題
           「公論としての法」と「ルールとしての法」/公権力と社会の関係性
             2つの「民主」概念/「生民」による生存権の要求
           「監視社会」における「公」と「私」

第6章 幸福な監視国家のゆくえ
           功利主義と監視社会/心の二重過程理論と道徳的ジレンマ
           人類の進化と倫理観/人工知能に道徳的判断ができるか
           道具的合理性とメタ合理性/アルゴリズムにもとづく「もう1つの公共性」
          「アルゴリズム的公共性」とGDPR
           人権保護の観点から検討すべき問題
           儒教的道徳と「社会信用システム」/「徳」による社会秩序の形成
           可視化される「人民の意思」/テクノロジーの進歩と近代的価値観の揺らぎ
           中国化する世界? 

第7章 道具的合理性が暴走するとき
           新疆ウイグル自治区と再教育キャンプ/問題の背景
           脅かされる民族のアイデンティティ/低賃金での単純労働
           パターナリズムと監視体制/道具的合理性の暴走
           テクノロジーによる独裁は続くのか
           士大夫たちのハイパー・パノプティコン
           日本でも起きうる可能性/意味を与えるのは人間であり社会

おわりに

主な参考文献

■商品情報


出版社:NHK出版
発売日:2019年8月10日
定価:935円(本体850円)
判型:新書版
ページ数:256ページ
ISBN:978-4-14-088595-6
URL: https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000885952019.html
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