FromプラネットVol.225<高齢者介護に関する意識調査>

高齢者介護 介護用品やサービスについてどう思う? ~未経験者からは「『わからない』を解消して」の声~

プラネット

 国内1,500社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:坂田政一) は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第225号として、高齢者介護に関する意識調査(対象4,000人)の結果をご紹介します。未掲載のデータ提供や当社担当者が解説を差し上げることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

※回答率(%)は小数点第2位以下を四捨五入し同第1位までを表示しています。そのため、内訳の合計と表示値が異なる場合があります。

  • 高齢者介護「している/したことがある」が約4分の1

 今回は2022年に行ったVol.191以来、2年ぶりに高齢者介護に関する意識調査を行いました。(すべての質問に関して、仕事での介護は除いています。)

 まず、これまでに高齢者介護をしたことがあるかを聞くと(図表1)、「している/したことがある」人が23.5%、「したことはない」人が76.5%でした。2022年調査(図表不掲載)では、「1人だけ」したことがある人が15.3%、「2人以上」したことがある人が5.1%、「したことはない」人が79.7%でしたので、介護経験がある人の割合が少しだけ上がっています。

 年代別に見ると、年代が上がるにつれて介護経験のある人の割合が高くなっています。介護経験がある人の割合が最も高いのは「女性・70代以上」の41.9%です。(2022年調査では、「女性・70代以上」の37.6%が介護経験があると回答しているので、約4ポイント増。)

 ただ、男女の差を見ると、「70代以上」は10ポイント以上の差がありますが、20代から40代にかけては男性の割合のほうが高い年代もあります。

 そして、高齢者介護を負担に感じるか(感じると思うか)を聞くと(図表2)、「とても負担に感じる/感じていた」が51.3%、「やや負担に感じる/感じていた」が31.9%でした。「とても負担に感じる/感じていた」人の割合は、男女ともに「70代以上」よりも下の世代のほうが高くなっており、これは2022年の調査でも同様の傾向でした。

  • 購入したことがある介護用品は?

 4,000人の調査対象者全員に、これまでに購入したことのある高齢者介護用品(日用品を中心に)を聞くと(図表3)、最も割合が高かったのは「おむつ」(18.2%)でした。

 高齢者介護を「している/したことがある」人が23.5%だったので、介護経験者のかなりの割合が購入経験があると言えるでしょう。

 「おむつ」のあとは、「尿漏れパッド」(15.4%)、「ティッシュペーパー」(14.9%)と続きます。

 また、「購入したことがない」(67.8%)の割合が、介護経験のない人(76.5%)より低いため、直接の介護経験がなくとも、手伝いなどで購入したことがある人がいるようです。

  • どんな介護用品が欲しい?

 高齢者介護用品について、どんなものが欲しいかを聞くと(図表4)、最も割合が高かったのは「排泄介助が楽になるもの」(23.8%)でした。2位以下の「歩行や移動の介助が楽になるもの」(9.6%)や「入浴や清拭(せいしき)が楽になるもの」(9.0%)と比べると、かなりの差がついています。

 今回の調査では、「親族に現在、高齢者介護を受けている人がいるか」という質問もしています。結果は「いる」が16.0%、「いない」が84.1%でした(図表不掲載)。

 欲しい介護用品について、高齢者介護を受けている親族の有無別に見てみましょう(図表5)。「欲しいものはない/わからない」と回答した人が、「いる」場合、26.0%、「いない」場合は52.0%となっています。

 また、「排泄介助が楽になるもの」は約5ポイント、「歩行や移動の介助が楽になるもの」は約9ポイント、「いる」と回答した人のほうが割合が高くなっています。

 自身が介護していたり、周りに介護している人がいると、「こういうものが欲しい」と感じるようになるのではないでしょうか。

  • 介護用品レンタル、利用意向は半々

 高齢者介護用品のレンタルサービスを利用したいかを聞くと(図表6)、「使用したい」が53.0%、「利用したいと思わない」が47.0%で、ほぼ半々という結果でした。

 性別で見ると、男性よりも女性のほうが「利用したい」と回答した割合が高くなっています。また、年齢別では男性のほうは年代が上がると「利用したい」人の割合も上がる傾向があります。女性の場合は少し違い、20代から50代にかけては割合が増加するのですが、「60代」「70代以上」になると、逆に割合が下がっています。

 なお、高齢者介護を受けている親族がいる人の場合、「利用したい」と回答した人は71.0%、いない人の場合、49.6%と、大きな差があります(図表不掲載)。介護が身近であるかどうかによって、やはり考え方には違いが生まれるようです。

  • レンタルしたい・したくない理由

 レンタルサービスを「利用したい」と思う、「利用したいと思わない」と回答した人に、それぞれ、そう考える理由を聞きました(図表7、8)。

 利用したいと思う理由は、「金銭的な負担が楽になりそうだから」(51.2%)、「いろいろな介護用品を試してみたいから」(39.1%)、「介護用品に限らず、レンタルできるものはレンタルしたいから」(31.7%)、「実際に利用して満足できたから」(13.9%)という順になりました。

 一方、利用したいと思わない理由は、「使ったことがないからわからない」(26.6%)、「金銭的な負担がそこまで軽減されなさそうだから」(18.2%)、「レンタルサービス全般を利用したいと思わないから」(8.1%)、「どんなサービスがあるか調べるのが面倒だから」(7.3%)という順番です。

 この質問についても、高齢者介護を受けている親族の有無別に見てみます(図表9)。

 あまり差のない項目もありますが、利用したい理由のうち、「実際に利用して満足できたから」(「いる」:21.4%、「いない」:11.9%)、利用したいと思わない理由のうち「金銭的な負担がそこまで軽減されなさそうだから」(「いる」:29.7%、「いない」:17.0%)は、どちらも10ポイント前後の差があります。

  • 介護経験がないとわからないことだらけ

 介護用品を使って感じたこと・考えたことや、介護される立場になったらどんな物が欲しいかを聞きました。介護経験のある人からは「〇〇が大変だったから、こんな物が欲しい」という具体的な声が上がる一方で、介護未経験者からは「何もわからないから、不安を軽減できるよう教えてほしい」という声が複数寄せられました。また、「デザインが気になる」という人も。日常的に使うものになれば、介護用品であっても、使っていて気持ちのよいものが求められているようです。

《 介護用品を使って感じたこと・考えたこと、自身が介護されるならどんな介護用品が欲しい? 》

【こんな介護用品・サービスが欲しい】

● 被介護者が柔らかい食事が大嫌いで、おいしくないと訴えてくる。実際には咀嚼能力が衰えているので、ドロドロ食しか出せないストレスがお互いにありました。何か良い商品があれば肉体的にも精神的にも大変助かります。(女性・50代)

● トイレでは、ズボンをしっかり降ろさないと汚れてしまう。でもズボンを下まで下ろしてしまうと、本人も介助する側もズボンを拾い上げるのが負担になる。 程よいところまで下ろせるズボンがあれば嬉しい。(女性・50代)

● お風呂の介助が大変だった。浴槽への出入りが楽にできるものや、お風呂の椅子にシャワーヘッドが取り付けられるものがあれば、便利だと思う(女性・60代)

● 認知症が重度になってくると介護用品も食事介護用品(食材、食事の時のウェットティッシュ等)、排泄時の介護用品等が増えてきます。まとめ買いが出来るネットサービス、又は、レンタルできるサービスがあれば嬉しいです。(女性・60代)

● ドラックストアでの買い物も大変でした。ネットで注文してすぐに配達してくれると便利ですね。オムツでもサイズや回数がいろいろあって選ぶのは大変でした。アドバイスが欲しいと思いました。(女性・60代)

● 祖母の筋肉が衰えそうだと思い歩行器は躊躇していたが、実際レンタルすると早く移動でき行動範囲が広がって喜んでいたので、もっと早く取り入れてあげれば良かったです。(女性・30代)

● 親族の介護をしたのはもう20年以上前の事で、それ以降にも良い商品が沢山出ている事と思います。これからも、介護を受ける人が心地よく過ごせるものがどんどん開発されることを願っています。(女性・70代以上)

【「わからない」不安を軽減してほしい】

● 介護するにあたって、 初めての時、知識も何もない状態なので、必要になるもの、どういうものがあるのか、レンタルや手続き等、わかりやすく纏められた冊子を何処でも貰えるようになれば助かります。(女性・40代)

● 介護について全く無知だから、初めての介護って名目でとりあえず最初は全部レンタルから始められるものがほしい。 介護者本人が使いやすい、自分も納得いくものは、そのまま買い取れる、みたいな。(女性・30代)

【レンタルを利用してみたら】

● ベッドや車椅子をレンタルしていました。マットレスは硬さを選べるし、車いすは軽いものを選んで、車への搬入が楽でした。定期的なメンテナンスもしていただいたので安心して使用できました。(女性・60代)

● 介護用のベッドを借りたが、滑り落ちそうになったり、排せつに失敗したりした時も、レンタルだったので苦情が気軽に言えたし、貸してくれる側もその苦情に答える形で提案してくれてよかったと思う。(女性・70代以上)

【デザインも気になる】

● 自分でできる簡単な介護用品が知りたいしほしい。何が便利なのか、全くわからないので便利な用品、必ずそろえなくてはならない物が知りたいです。杖もかわいいキャラクターなどの物が欲しいです。(女性・40代)

● 少しでも気分が明るくなるようなデザインや機能にしてほしい。(女性・30代)

● いかにも介護用品とはわからないようなデザインの物が欲しい。今ある物は、「使わないと生活できないのか」と気落ちして自尊心が傷つくし、使うのに精神的なハードルが高く感じる。(女性・50代)

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「高齢者介護」に関する意識調査を実施。

期間:2024年9月4日~9月9日、インターネットで4,000人から回答を得ています。

株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/ 

メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。

From プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html (バックナンバーもご覧になれます)

株式会社プラネットが発信しているニュースレターです。消費財や暮らしに関する旬なトピックスなどをご紹介しています。

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株式会社プラネット 経営管理ユニット(河合)

E-mail : koho-pr@planet-van.co.jp

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会社概要

株式会社プラネット

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区浜松町1丁目31番 文化放送メディアプラスビル3階
電話番号
03-5962-0811
代表者名
田上 正勝
上場
JASDAQスタンダード
資本金
4億3610万円
設立
1985年08月