イエメン:飢きん防止に向け一刻も早い支援を
深刻な食糧難に陥った人がこの9ヶ月で20%増
サナア/アンマン発―現在、イエメンは世界でも最悪レベルの飢餓に瀕し、非常事態に陥っています。国連等による「総合的食料安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification、通称IPC)」という食糧事情分析の最新報告では、「危機」ないし「緊急事態」レベルの食糧不安に陥っている人が約1,700万人いることが発表されました。国人口の約3分の2が飢餓に直面し、生活のみならず生命を守るための支援を必要としています。支援を追加しなければ、国人口の約25%が暮らすタイズ州、そしてホディダ州で、最も深刻な飢餓の形態である「飢きん」が発生する恐れがあります。
紛争が招いた食糧不安
イエメンでは、紛争が国全体の食糧事情、そして人々一人ひとりの生活に大きな打撃を与えています。国内生産力の低下、商業貿易および人道目的の物資輸入の寸断、食糧や燃料価格の高騰、失業率の上昇、所得の減少に加え、国連機関が行う食糧支援活動の資金不足や公共サービスやセーフティネットの崩壊など、複数の要因が食糧不安を加速させています。
国連WFPのイエメン事務所代表、スティーブン・アンダーソンは、紛争が激化した2年前から食糧事情が急速に低下していると説明し、以下のように述べています。「飢きんの発生を防ぐためには、最も支援を必要としている人たちに一刻も早く、十分かつ継続的な食糧・栄養支援を行わなければなりません。そのためにはまとまった資金が欠かせません。また、商業活動も含め、国内各地へ自由に移動できる状況を確保することも重要な要素となります」と説明します。
困窮する人々に支援を届けるためには、これら地域へ無制限かつ持続的に立ち入りができるという条件が重要です。国連としては、国連WFPを含む人道支援機関が今なお苦しむイエメンの人々を助ける活動を行っていくための環境整備を、すべての紛争当事者に強く求めます。
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