京都リサーチパークでデジタルツインによるマイクロモビリティの自動運転化技術の実用化に向けた実証実験を12月13日に実施
~芝浦工業大学 新熊亮一教授がデジタルツインによる自動走行の正確性を検証~
フードトラックが集積するエリア「ツドイStreet」に計6台のセンサを設置し、デジタルツインを用いて空間特徴データを生成。生成したデータをリアルタイムに連携させた自動走行型ロボット計2台が、フードトラックのテイクアウトフードを約60~80メートル先の目的地まで運搬します。KRPは場の提供を通じて、世界を変える新たな事業が生まれることに貢献します。
<用語解説>
デジタルツイン:現実の物理空間をデジタルで仮想的にコンピュータ上に再現する技術
■背景
2021年から2022年にかけて、KRPは(一社)京都スマートシティ推進協議会が推進する「京都ビッグデータ活用プラットフォーム」の「スマート街区WG」に、実証実験のフィールド提供者として参画してきました。その一環として、2022年には新熊研究室およびHDTとデジタルツインを用いたテイクアウトフードの運搬実験を行い、成功を収めました。
前回の実験結果を継承し、今回は第二段階として以下のバージョンアップを行い実施します。
1)デジタルツインの技術強化をし、仮想空間での交通規制(混雑回避や衝突のリスク軽減)を実現
2)走行ロボットの台数と走行ルートを増加
前回の実験の様子
■実証実験に関連する技術に対する世界の動向
本実証実験は、デジタル空間に実空間を正確に射場する「デジタルツイン」を用いたマイクロモビリティの自動運転の実用化を目指しています。デジタルツインは、自動運転の開発領域において既にさまざまな企業で活用の検討が始まっており、世界的にも注目を集めている技術分野の一つです。マイクロモビリティの市場規模は2027年にUSD 6.1 billionと予想され、今後さまざまな分野に拡大していくことが期待されています。
また、マイクロモビリティの変革は、少子高齢化により増加する移動弱者への配慮、物流業界の人手不足、脱炭素社会への貢献など、社会課題を解消する手段として社会実装が推進されています。
■実証実験の内容
新熊研究室では、デジタルツインを用いた自動運転の研究に取り組んでいます。屋外環境に複数台設置したLiDAR※というセンサで死角や障害物などの空間情報と、歩行者や車両といった動的情報を取得し、デジタルツイン情報を仮想空間上に自動生成し、自動走行する車両やロボットに提供します。
(図1)デジタルツイン生成の流れ
※主に自動運転分野で注目され、レーザ光や赤外線を利用し、距離や方向を測定するセンサ。
今回の実証実験では、生成したデータをもとに自動走行するロボットの動きの正確性を検証します。10号館南面のフードトラックが集積する「ツドイStreet」に計6台のLiDARを設置し、LiDARから取得・生成したデータは自動走行型のロボット計2台とリアルタイムに連携します。ロボットはデータに基づき、図2の矢印で図示した経路を通って、フードトラックのテイクアウトフードを利用者が待つ目的地まで、リアルタイムに障害物を避けながら自動走行で運搬します。
(図2)ロボットの走行ルート/LiDAR(センサの設置場所)
なお、本実証実験で用いられている研究成果は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、エヌアイシーティー)の委託研究(06401)により得られたものです。
■実施要項
<実施日時>
2023年12月13日(水)13:00~15:00
(雨天時は12月14日(木)13:00~15:00)
<実施場所>
京都リサーチパーク 西地区 10号館南面「ツドイStreet」(図2参照)
<取材対応について>
当日は芝浦工業大学 新熊亮一教授が電話にて取材対応します
■芝浦工業大学について
日本屈指の海外学生派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の理工系大学です。東京都と埼玉県に2つのキャンパス(豊洲、大宮)、4学部1研究科(工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科)を有し、約9,500人の学生と約300人の専任教員が所属。2024年には工学部が学科制から課程制に移行し、従来の教育の在り方を根本から変えていきます。創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。
■京都リサーチパークについて
全国初の民間運営によるサイエンスパークとして1989年に開設。京都府・京都市の産業支援機関などを含めて520組織・6,000人が集積。オフィス・ラボ賃貸、貸会議室に加え、起業家育成、オープンイノベーション支援、セミナー・交流イベント開催など、新ビジネス・新産業創出に繋がる様々な活動を実施。「ここで、創発。~Paving for New Tomorrow~」をブランドスローガンとして、イノベーションを起こそうとする世界中の方々に、魅力的な交流の舞台、事業環境を提供することを通じて、世界を変える新たな事業が生まれることに貢献します。
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