テクノロジーの最新動向と、ビジネスへの影響を予測 デロイト グローバル『TMT Predictions 2019』を発表

スマートスピーカー、5Gネットワーク、クラウドベースAIの普及によりコネクティビティが向上し、イノベーションが加速する

デロイト トーマツ グループ

デロイトがTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界におけるグローバルトレンドを予測し、発表するレポート『TMT Predictions』の2019年版が発行されました。本レポートは、デロイトが2001年より毎年発表しているもので、デロイトのエキスパートによる独自調査やインダストリーリーダーとの対話より得られた情報などをもとに、翌年のテクノロジーの最新動向と、それらがビジネスに与える影響を予測しています。2019年4月に発行を予定している本レポートの日本版では、デロイト トーマツ グループのエキスパートによる知見や分析を「日本の視点」として本文に付加し、独自の観点で日本における動向や企業を取り巻く状況を考察します。
※本プレスリリースは2018年12月11日にニューヨークで発表されたグローバルプレスリリースを翻訳したものです。日本版のレポートを追加した「TMT Predictions 2019 日本版」は2019年4月に発表予定です。なお、この翻訳文と原文に相違がある場合には、原文の記載事項が優先します。

【TMT Predictions 2019:キーポイント】

■スマートスピーカー 
販売台数は1億6,400万台に達し、市場規模は70億ドルに拡大
■クラウドAIサービス 
AIを活用する企業のうち、7割がクラウドベースでAIを実装可能に
■5Gネットワーク
2019年にはサービスが始まり、2020年までに約50の事業者が参入


デロイトは、コネクテッドデバイスのうちスマートスピーカーがもっとも急速に成長すると予測しています。また、企業のAI活用の推進・発展によりクラウドベースの人工知能(AI)技術が社会全体にさらなる変革を起こすほか、5Gの本格導入により通信速度が加速し、通信事業者には新たな事業機会が訪れます。

スマートスピーカー、多言語対応などの技術開発がカギ
スマートスピーカーの販売は好調が続き、2019年は1台当たり平均43ドルの価格で販売台数1.64億台を超え、業界の総収益が前年比63%増の70億ドルに達すると推計されます。しかし、スマートスピーカー市場の成長性を最大化するためには、さらに乗り越えるべき課題があります。音声認識の技術は進化しているものの、グローバル規模での普及を見据えた場合には、さらに幅広い言語サポートなどの技術開発が必要だと考えられます。

AIの“民主化”
デロイトは、2019年にAIを活用している企業のうち7割がクラウドベースソフトを通じてAIを実装することができるようになり、65%がクラウドベース開発サービスを通じてAIアプリケーションを開発すると想定しています。2020年までにAIが組み込まれたソフトウェアサービスの普及率は87%まで上昇すると推計しており、クラウドベースAI開発サービスについても83%まで増加すると予測しています。

「これまでAIで利益を得てきたのは主に、豊富な財源、強固なITインフラ、専門性の高い人材を有する限られた巨大テクノロジー企業だけでした。しかし、クラウドが効率性の向上と、より高い投資回収率をもたらすでしょう。我々は、これらの利益がAIのパイオニアに限らず、より広範な企業にもたらされることを期待しています」とデロイト グローバルTechnology, Media & TelecommunicationsインダストリーリーダーのPaul Sallomiは述べています。

新たなネットワーク「5G」の登場
5Gネットワークに関しては、2019年も引き続き通信事業者による開発・導入投資が見込まれます。現在は72の事業者が5Gサービスの導入試験を行っていますが、デロイトでは2019年には試験実施企業のうち25の通信事業者が5Gサービスの提供を開始し、2020年にはさらに倍増すると予測しています。5G携帯電話端末の販売台数は総計で、2019年には100万台超、2020年までには1,500~2,000万台に伸びると推計されます。さらに5Gのモデムも2019年に100万台が販売されると予測されます。

デロイト グローバル TelecommunicationsセクターリーダーであるCraig Wiggintonは「5Gデバイスの広範囲な採用には時間がかかりますが、2019年は通信業界にとって大規模な変化が始まる年になると予測しています」と述べています。また、「5Gは4Gに比べ100倍のトラフィック容量およびネットワーク効率性を提供することができ、世界中でコネクティビティの未来を変革するポテンシャルがあります。」と解説しています。

【TMT Predictions 2019のその他のテーマ】
  • 中国のコネクティビティが新たなビジネスモデルを育む-2019年に中国の通信網は世界トップレベルになり、中期的にもその状況が続くと予測しています。中国の通信インフラは少なくとも3つの重要な新産業の基盤となると推測し、それぞれの産業が2023年までに年間数百億ドルの収益を生み出すまでに成長すると予測しています。
  • スポーツ放送を対象としたベッティング(ギャンブル)-北米の18~34歳男性のテレビスポーツ視聴者のうち60%がスポーツを対象としたベッティング(ギャンブル)を行うと推計しています。その結果、米国での25~34歳男性によるテレビ視聴全体のうち約40%がスポーツベッティングを動機とするものになると予測しています。
  • 3Dプリンターの普及-大手企業による企業向け3Dプリンターおよびその材料・サービスの売上高は年間12.5%ずつ成長し、2019年に27億ドルを超え、2020年には30億ドルを上回ると見込んでいます。様々な技術革新に加え、3Dプリントが可能な材料の種類が過去5年間で2倍以上に増加したことで、業界の成長性が回復しています。
  • eスポーツの急伸-北米のeスポーツ市場は広告、放映権、フランチャイズセールスにより収益が増加し、35%の成長率が予測されます。北米のeスポーツフランチャイズリーグはプロスポーツのモデルを踏襲し、特定の都市で展開されるようになると考えられます。
  • ラジオの存続-先進国の成人人口のうち、85%以上が少なくとも週に一度ラジオを聴取すると予測しています(2018年の割合と同様)。新興国においては各国でリーチが異なるものの、世界中で合計約30億人が週に一度以上ラジオに接触すると推計しています。
  • 量子コンピューティング-量子コンピューティングは今後10年において、テクノロジー領域でもっとも期待できる収益機会の1つとして台頭するものの、従来型のコンピューターを代替する可能性は低いと見られます。将来的には、2030年代までに量子コンピューティング市場はスーパーコンピューター市場と同等の年間500億ドル規模に成長すると予測されます。
  • 中国が優れた技術的能力を発展させる-中国製半導体業界の収益は25%増加し1,200億ドルまで成長すると見込まれ、中国は製造業およびAI開発において世界的に重要なプレーヤーとなると考えられます。通信業界においても、企業および個人間のコミュニケーションの幅を広げ、グローバル規模でトッププレーヤーになることが予測されます。

「2019年は、新しいテクノロジーが我々の生活や仕事をどのように変化させるかという点において、特徴的な年になるでしょう。ネットワークの接続性が急速に向上し、スマートスピーカーから5Gネットワークに至るまで、あらゆる場所で先端技術に容易にアクセスできるようになりました。この傾向が続くにつれ、コネクティビティとイノベーションがもたらす可能性はさらに飛躍的に拡大するでしょう」とデロイト グローバル Telecommunications, Media & EntertainmentセクターリーダーのMark Caseyは述べています。

詳細情報については、www.deloitte.com/predictions にアクセスしてください。

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会社概要

デロイト トーマツ グループ

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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング
電話番号
03-6860-3300
代表者名
永田高士
上場
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資本金
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設立
1993年04月