フィリップス、ホルター心電計「ePatch」で記録した心電図データからCVHR(周期性心拍変動)の検出が可能に
株式会社フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、 代表取締役社長:ジャスパー・アスエラス・ウェステリンク、 以下 フィリップス)はこのたび、ホルター心電計のホルター心電検査/解析サービス(ePatch+AI解析)に、新たなCVHR解析(Cyclic Variation of Heart Rate:周期性心拍変動)を搭載しました。CVHRは、AHI(Apnea-Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)との相関があり、ホルター心電計で記録した心電図からCVHRを検出することで、OSA(Obstructive Sleep Apnea:閉塞性睡眠時無呼吸)のスクリーニングに寄与します。
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フィリップスのウェアラブル 心電計「ePatch」 と AI 解析プラットフォーム(Cardiologs)は、5 日間のモニタリングを通じて生命を脅かす可能性のある不整脈の検出に役立ちます。
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解析データが患者様に直接送られるため、頻回な通院負荷を軽減します。また、AI解析&検査技師による質の高い分析サービスは、医療機関のコストと業務負荷の軽減に寄与します。
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ホルター検査実施後、必要に応じた睡眠簡易検査/治療も、同一のポータルサイトにてサポートすることで、一貫したサービスを提供することができます。
フィリップスが提供するホルター心電計&解析サービスは、24時間ホルター検査では検知が難しかった不整脈が検出され、患者の利便性・快適性が向上し、医療機関の全体的なコストが削減されるだけでなく、臨床転帰も改善される可能性が示唆されています。
特に、AF(心房細動)などの命に関わる不整脈を発見するための長期モニタリングとして、2023年のサービス開始以来、クリニックを中心に普及しています。
このたびのCVHR解析の搭載は、ホルター検査による睡眠呼吸障害の簡易スクリーニングが可能となり、高い相関が認められる心疾患と睡眠呼吸障害の双方を早期に検知することを目的としています。
心房細動(AF)と睡眠呼吸障害(SDB)の早期発見と治療の重要性
潜在的に生命を脅かす心臓の不整脈であり、また世界で最も一般的な不整脈 であるAF(心房細動)の検出と診断能力を強化することができます。AFは脳卒中、認知症、および心不全のリスクを大幅に増加させますが、発作性ならびに無症候性心房細動は、発生間隔が不規則なため、これまでは検出が困難でした。
長期間のモニタリングが可能になることで、AFが「見つかった」から「見つける」、それにより早期発見、早期治療介入することで、重症化を未然に防ぎ、患者のQOL維持と医療費抑制に寄与すことができます。
一方、SDB(Sleep Disordered Breathing:睡眠呼吸障害) は,さまざまな循環器疾患に合併し,循環器疾患の悪化に関与するだけでなく,循環器疾患の発症そのものに関与することも示唆され,循環器領域においても重要なリスク因子の一つと考えられています(*2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害における診断・治療に関するガイドライン)。
持続可能な医療提供体制の確立とAI解析サービスの活用
これまでわが国の医療は、医療従事者の長時間労働に支えられてきましたが、今後の医療ニーズの変化や医療の高度化、医療従事者の労働力不足において、医療の質・安全を確保すると同時に、持続可能な医療提供体制を確立していくことが重要になります。
患者へ解析データを直接送るサービスは、患者の通院負担を軽減させ、また、AI解析サービスは、その精度のみならず、従来、院内で行っていた解析業務の負荷軽減、ひいてはコスト削減にも寄与することが期待されます。
加えて、今後ますます長期間のモニタリングの必要性が高まるなかで、院内の在庫や解析業務負荷を気にすることなく、検査が実施できるのは、患者、医療機関双方にとってもメリットは大きいと考えます。ホルター診断関連業務の役割分化により、自院で抱えるのではなく、外部サービスの利用は有効なオプションであると考えています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と循環器疾患の関連性および新たなスクリーニング方法
SAS(Sleep Apnea Syndrome:睡眠時無呼吸症候群)は循環器疾患との関わりが深く、特に重症の SAS は生命予後に関与することが知られている。日本循環器学会の「循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」によると、ホルター心電検査によるSAS のスクリーニングが有用であり、睡眠時周期性心拍数変動(CVHR)が重度 SAS を検出できるという報告もあります。
フィリップスが提供する解析レポートに、CVHRが新たなインデックスとして追加され、SASが疑われた場合は、その後、医療機関が提供する睡眠簡易検査や治療をサポートするための、一貫したサービスを提供することで、さらなる付加価値の提供を図ってまいります。
*2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン (j-circ.or.jp)
販売名:ホルター心電計 ePatch 製造販売認証番号:305AFBZX00011000
一般的名称:長時間心電用データレコーダ
販売名:ePatch用ディスポ電極パッチ 製造販売届出番号:13B1X00221000126
一般的名称:単回使用心電用電極
販売名:心電図解析システムCardiologs Platform 製造販売認証番号:305AFBZX00006000
一般的名称:ホルタ解析装置用プログラム
フィリップス・ジャパンについて
株式会社フィリップス・ジャパンは、ロイヤル フィリップスの日本法人として1953年に創業以来、革新的な技術を通じ、人々のより良い健康と満ち足りた生活の実現を目指しています。主な事業領域は、画像診断、超音波診断、イメージガイド下治療、生体情報モニタ、ヘルスインフォマティクス、睡眠・呼吸治療、およびパーソナルヘルスと多岐に渡ります。ヘルステクノロジーのリーディングカンパニーとして、超高齢化が進む日本の医療・健康課題解決に向け取り組んでいます。
日本の従業員数は約2,000人、約70拠点でビジネスを展開しています。
ロイヤル フィリップスについて
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、革新的な技術を通じ、人々のより良い健康と満ち足りた生活の実現を目指す、ヘルステクノロジーのリーディングカンパニーです。
フィリップスの革新的技術は人々を中心に設計されています。先進的技術と医療従事者および消費者のインサイトを活用し、消費者にはパーソナルヘルスソリューションを、医療従事者とその患者様には病院や家庭でのプロフェッショナルヘルスソリューションを提供しています。
オランダに本社を置く当社は、画像診断、超音波診断、イメージガイド下治療、生体情報モニタ、ヘルスインフォマティクス、およびパーソナルヘルスの分野で世界をリードしています。フィリップスの2023年の売上高は182億ユーロ、全世界に約69,700人の従業員を擁し、世界100か国以上でビジネスを展開しています。フィリップスに関するニュースはこちらからご覧ください。
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