【待機児童2,435人で9年ぶり増加、利用児童数は5年連続減少】全国と東京で逆方向に。明日香、地域・年齢ごとの受け入れと人材の定着を考察

明日香、こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ」を踏まえた見解レポートを発表

株式会社 明日香

子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ( https://konnect-labo.jp/ )」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野吉俗、 https://www.g-asuka.co.jp/ )は、こども家庭庁が2026年8月に公表した「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」(※1)を受け、同庁および東京都の公表情報、ならびに当社の独自調査(※2)と保育・子育て支援事業の運営実績を踏まえた見解レポートを公開いたしましたので、お知らせいたします。

■待機児童は9年ぶりに増加、利用児童数は5年連続で減少|全国と東京で逆方向の動き

こども家庭庁の取りまとめによると、2026年4月1日時点(一部暫定値)の全国の待機児童数は2,435人となり、前年から181人増加しました。前年を上回るのは9年ぶりです。一方、保育所等を利用する児童数は264万6,756人で、前年から3万1,661人減少し、5年連続の減少となりました。利用定員も301万6,417人と前年から1万2,865人減っており、定員充足率は前年の88.4%から87.7%へ低下しています(※1)。

待機児童の96.0%は0〜2歳児で、1・2歳児だけで全体の86.9%を占めます。また、待機児童がいる市区町村は189自治体と、前年より22自治体少なくなりました。待機児童が全国で一様に増えているのではなく、特定の地域・特定の年齢に集中して発生していることがわかります(※1)。

注目すべきは、全国と東京で動きが逆を向いている点です。東京都の公表によると、都内の保育サービス利用児童数は32万5,918人となり、前年から2,498人増加しています(※3)。全国では利用児童数が減少する一方で、都内では利用が増えている。全国の合計値と、各地域で実際に起きていることは、分けて見る必要があります。

■東京都で774人増|無償化を含む複数の要因が重なる

今回の増加は、地域的に大きく偏っています。東京都の待機児童数は1,113人と都道府県別で最も多く、前年から774人増加しました。全国2,435人のうち45.7%を都内が占めています。都内で最も多かったのは世田谷区の166人(前年比119人増)で、足立区106人(同99人増)、北区103人(同85人増)が続き、前年は待機児童がゼロだった江戸川区、大田区、小平市などでも増加が目立ちました(※3)。

要因としては、複数の事柄が挙げられています。こども家庭庁が実施した自治体ヒアリングには、第1子の保育料無償化によって保育需要が増えた可能性を指摘する回答があるほか、転入の動き、就労状況の変化、保育人材の不足なども挙げられています(※1)。東京都は2025年9月から、0〜2歳児クラスの認可保育所等を利用する第1子の保育料を、所得制限を設けずに無償化しています。また、2025年の都内の日本人の出生数は10年ぶりに増加に転じました。一方で東京都自身は、待機児童の増加について出生数や共働き世帯の増加など複数の要因が重なったものと説明しており、それぞれの要因がどの程度寄与したかを検証した結果は、公表資料からは確認できません(※3)。

つまり、今回の増加を単一の原因に帰することはできません。当社は、全国の合計値だけで保育需要を判断せず、地域ごと・年齢ごとの申込状況と受け入れ条件を確認したうえで、各事業者・自治体が自らの地域の状況を見極めることが必要だと考えています。

■利用児童数のピークは2021年|数年先の見通しを確認しないままの拡大には注意が必要

待機児童数の推移を見ると、2022年の2,944人から2025年の2,254人まで減少が続いたのち、2026年に181人増加しました。ピークだった2017年と比べれば9割ほど少ない水準にあり、今回の増加はその水準の中での動きです(※1)。

指標を分けて見る必要もあります。保育所等の利用児童数は2021年(令和3年)をピークに減少が続いており、待機児童数の増減とは別の動きを示しています(※1)。

当社は、地域の中長期的な利用見通しを確認しないまま施設規模や固定費を拡大した場合、将来の利用児童数の減少によって固定費の負担が重くなる可能性があると考えています。認定こども園への移行についても同様です。認定こども園は、満3歳以上であれば保育の必要性を問わず教育利用ができるため、幅広い家庭を受け入れられる利点がある一方、移行に伴って定員規模や固定費を拡大する場合には、利用児童数が減少する局面での影響も大きくなります。施設形態を変える判断は、定員規模、地域の需要、人材の確保を一体で検討する必要があります。

もちろん、不足している地域・年齢の受け皿は、必要な新設や増設も含めて確保しなければなりません。その上で、地域の人口動態、住宅開発や転入の動き、年齢別の申込状況を確認し、既存施設の活用や定員の見直しを組み合わせて検討することが必要です。目指すべきは施設数を増やすこと自体ではなく、必要とする子どもに保育を届け続けられる体制です。

■採用の上積みより先に、いま働く保育者が働き続けられる条件を

こども家庭庁は、待機児童が増加した自治体にみられる要因として、想定を超える申込者数の増加に加え、保育人材を確保できず計画した受け入れ人数を確保できなかったことを挙げています(※1)。受け皿の大きさを最終的に決めるのは、建物ではなく人です。

一方で、利用者の増加に合わせて人員を増やせば固定費が膨らみ、利用児童数が減少する局面では経営を圧迫します。当社は、採用を上積みする前に、いま働いている保育者が外部へ流出することを防ぎ、定着させることが先だと考えています。

当社が発行した「保育人材白書2026 ~少子化時代の保育キャリア~」の調査では、現役保育士108名が現在の働き方の課題として挙げた項目の上位は、「給与が低い」38.0%、「労働時間が長い」37.0%でした。また、保育士資格を持ちながら現在は保育職に就いておらず、就職・復職に関心があると回答した41名に条件を尋ねたところ、「短時間勤務が可能であれば」が51.2%で最多となりました(※2)。働く意思があっても、勤務時間などの条件が合わずに保育の仕事を選べていない層が存在すると考えられます。

Q3.あなたが現在の働き方において、課題だと感じていることを教えてください。(複数回答)
Q11.Q4で「非常に関心がある」「やや関心がある」と回答した方にお聞きします。どのような条件であれば、保育職への就職・復職を検討しますか。(複数回答)

必要なのは、短時間勤務の枠を増やすことだけではありません。本人の希望や生活状況に応じて、勤務時間や担当業務を選択・変更できる仕組みを整えることです。給与や業務負担の見直しとあわせて取り組み、保育の質と安全性、そして保育者の雇用の安定を同時に守る必要があります。

加えて、保育所等の運営費の基準となる公定価格には、地域ごとの人件費水準を反映する「地域区分」が設けられており、隣接する自治体であっても算定上の差が生じる場合があります(※5)。当社は、この制度上の区分に加えて、実際の給与や勤務条件、人材の移動状況を地域単位で把握することが、人材確保の検討には欠かせないと考えています。

■一つの園で抱え込まない|地域単位で人材と機能を支える

人材の確保と定着を、一つの園だけで解決しようとすることには限界があります。当社は、合同研修や復職支援に加え、地域内の求人情報と、保育者が働ける時間・役割とを照合する仕組みなど、施設を越えて働く機会を支える取り組みを検討すべきだと考えます。

ただし、複数の施設で人材を活用する場合も、単に人数を融通し合えばよいわけではありません。子どもとの関係が継続すること、安全な保育が保たれることを前提に、本人の意向、配置基準、担当業務、引き継ぎ、費用負担などを確認する必要があります。園ごとの採用競争だけに頼るのではなく、保育者が地域の中で専門性を生かし続けられる環境を、事業者と自治体がともに整えていくことが求められます。

■行政の方針は「量」から「質」へ|個別のニーズに応える子育て支援へ

こども家庭庁の「保育政策の新たな方向性」は、地域のニーズに対応した質の高い保育の確保・充実、全ての子どもと子育て家庭への支援、保育人材の確保とテクノロジーの活用等による業務改善を柱に掲げています(※4)。当社は、保育の質を高めるうえでは、利用者一人ひとりの状況に応じた支援も重要になると考えています。

保育所等を利用する児童数が減ることと、家庭の子育てを支える必要がなくなることは、同じではありません。家庭の状況や必要とされる支援のかたちは多様化しています。日常的な保育を必要とする家庭の受け入れを確保しながら、短時間の預かり、訪問型の支援、子育て相談など、家庭ごとの状況に応じた支援にも目を向ける必要があります。

事業者にとっても、地域の家庭が何に困っているのかを把握し、保有する施設や人材の専門性を生かして支援を届ける視点が求められます。保育者が活躍する場を保育所勤務だけに限定しないことは、生活状況に応じて保育の仕事を続ける選択肢を広げ、業界全体の人材確保にもつながると考えます。

当社は、1994年の創業以来、一人のベビーシッターによる訪問型子育て支援を出発点に、保育の人材サービス、教育・研修、保育施設の運営、そして児童館・放課後児童クラブ・子育て支援拠点など公共施設の運営受託へと事業を広げてきました。現在は1,500人を超える保育スタッフを擁し、専門職の知見と地域拠点の運営実績の双方を持っています。

必要な受け皿を確保すること、保育者が働き続けられること、家庭ごとの困りごとに応えること。この三つを分けずに考えることが、これからの保育・子育て支援には欠かせません。当社は、調査による実態の可視化と現場の運営を通じて、地域で必要とされる保育・子育て支援を支えてまいります。

※1|こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」(2026年8月公表) https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/torimatome/r8

※2|保育士の多様な働き方・キャリアパス調査(2026年2月13日公表)
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000168.000043389.html

※3|東京都の待機児童数・区市町村別の状況・保育サービス利用児童数:東京都福祉局「都内の保育サービスの状況について(令和8年4月1日現在)」(2026年8月28日公表) https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/08/2026082804

※4|こども家庭庁「保育政策の新たな方向性」(2024年12月20日公表)
 https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/new_direction

※5|公定価格の地域区分については、こども家庭庁「公定価格における地域区分に関する対応について」(2024年12月19日)を参照

■「子ねくとラボ」について

「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。

事業名   :子ねくとラボ

事業責任者 :末廣 剛

URL   : https://konnect-labo.jp/

サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス

       ・保育施設向け研修&巡回サービス

       ・保育専門実証実験 コーディネートサービス

       ・スタートアップ支援サービス

■会社概要

会社名  :株式会社 明日香

設立   :1994年8月30日

代表取締役:萩野 吉俗

所在地  :東京都文京区小石川5丁目2番2号 明日香ビル3F

事業内容 :■保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)

      ■地方自治体と連携した子育て支援事業

      (児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)

      ■保育に関わる人材の派遣・紹介

      (保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)

      ■訪問型子育て支援

      (ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、地方自治体の委託業務)

      ■保育施設向け研修・巡回支援

      ■新規保育事業の開発及びコンサルティング

URL   : https://www.g-asuka.co.jp/

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会社概要

株式会社 明日香

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URL
https://www.g-asuka.co.jp/company-info/
業種
サービス業
本社所在地
東京都文京区小石川5丁目2番2号 わかさビル3F
電話番号
03-6912-0015
代表者名
萩野 吉俗
上場
未上場
資本金
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設立
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