アンリツのコンパクトVNA、韓国ETRIの透過型RIS技術の検証に貢献
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、ETRI(韓国電子通信研究院)が RIS(Reconfigurable Intelligent Surface)[※]技術の性能評価に、アンリツのコンパクトUSBベクトルネットワークアナライザ(VNA) MS46122Bを採用したことをお知らせします。RIS技術は、特にミリ波通信や6Gネットワークにおいて、信号の伝搬を最適化するための革新的なソリューションとして期待されています。

ETRIは、新たに開発した透明なPET(Poly Ethylene Terephthalate)フィルムをベースにしたマイクロアレーアンテナを窓ガラスに貼り付け、高周波信号が最大限に透過することをデモンストレーションしました。本デモンストレーションでは、MS46122Bを主要な測定器として使用し、RISフィルム付きガラスと通常のガラスのSパラメータと伝送損失を比較しました。
次世代の高周波通信ソリューションとして注目されるRIS技術は、電波を非正規方向に反射・透過できるため、高周波信号を屋内環境に届けることが可能です。特に建物の窓を透過したミリ波通信において、信号減衰の問題を克服できる可能性があります。RIS技術の研究には、正確で柔軟な測定環境が不可欠です。MS46122Bは、最大43.5 GHzに対応するコンパクトなUSBタイプのVNAです。複雑な環境構築を必要とせず、スペースが限られたラボ環境とフィールド環境の両方で再現性の高い測定を提供します。
アンリツのVNAは、高周波材料、アンテナ、伝送特性の評価のため、研究機関や産業界ですでに広く使用されており、ミリ波、FR2、FR3帯域への拡張性を備えた本ソリューションは、RISやメタサーフェステクノロジーの性能を定量化するための中核機器となりつつあります。今後も5G-Advanced/6GにおけるRIS技術研究の検証と実用化に貢献してまいります。
ETRIについて
ETRI(Electronics and Telecommunications Research Institute:韓国電子通信研究院)は、1985年にKIST付属韓国電子通信研究所、韓国電子機器試験研究所、韓国電子技術研究所を統合して発足した科学技術情報通信部傘下の公的研究機関です。
ETRIの詳細はこちらをご覧ください。
用語解説
[※] RIS
Reconfigurable Intelligent Surfaceの略。メタサーフェス反射板の一種で、電波を反射または透過させることにより、電波環境を適正化する薄い板状のデバイス。電波の伝搬経路を動的に制御することで、通信性能を向上させたり、通信範囲を拡大したりすることが可能となる。
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