台湾・米国・シンガポールで関心急上昇 世界自然遺産登録20周年を迎える知床の検索ランキング

 アウンコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太 明、東証スタンダード:2459)は、グローバルマーケティング(国内・海外向けの販売促進・AI活用支援)*、メディアマーケティング(火災保険・地震保険の申請サポート)**などのマーケティング事業を展開しています。

 この度、日本の世界自然遺産である知床について、世界各国・地域を対象に関心動向調査***を行いましたので、その結果をお知らせいたします。

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*** 今回の調査における各検索キーワードのランキングは、2024年7月~2025年6月までのGoogleキーワードプランナーによる推定検索数を参考指標として集計したものです。

■はじめに:世界自然遺産・知床へ国際的な関心が集まる

 2025年に世界自然遺産登録から20周年を迎える北海道・知床半島は、オホーツク海側の斜里町と根室海峡側の羅臼町にまたがる地域です。手つかずの自然環境と海と山が織りなす景観で知られる日本有数の観光地です。

 直近1年間(2024年7月〜2025年6月)の検索データからは、観光や交通に関するものだけでなく、流氷や動植物など自然に関連するキーワードも含まれており、知床の多面的な魅力が反映されています。

 知床は国内外の旅行者にとって「一度は訪れてみたい」と考えられる自然観光地のひとつであり、流氷観光や四季折々の自然体験を目的とした検索も目立ちました。こうした検索動向は、知床の国際的な知名度と訪日観光への期待の高まりを示すものといえます。

 本記事では、世界32カ国・地域で知床に関連するキーワードを厳選し、国別やキーワード別に集計した検索数の結果となります。これらの結果から、国別ランキング、キーワード別の傾向、地域ごとの動きを整理し、検索数から見える訪日観光の可能性を考察します。

■国別検索数ランキング:台湾・アメリカ・シンガポールが上位に

 今回の調査では、検索数上位3カ国は台湾、アメリカ、シンガポールとなりました。いずれも訪日客数の多い国・地域であり、検索動向と実際の訪問が比較的連動している点が特徴です。

 以下、各国の動向になります。

 1位の台湾は年間を通じて検索数が多く、7〜9月と3月に集中する傾向がみられました。北海道では知床をはじめ紅葉が9月頃から楽しめるほか、流氷観光も計画の対象となっており、こうした自然体験を意識した旅行計画が進んでいる様子がうかがえます。台湾は訪日外客数でも上位を占め、検索動向と実際の訪問が連動しやすい地域といえます。さらに、アウンコンサルティングの『親日度調査2025』においても日本への好感度が高く、訪問希望地として北海道が上位に挙げられており、主要都市の札幌に加えて、知床を含む地方観光地への関心にもつながっていることがうかがえます。

 2位のアメリカは、春先から初夏(3〜6月)にかけて検索数が最も高い結果となりました。夏休みシーズン(7〜9月)も検索数は高い水準にあり、長期休暇を活用した旅行計画が進められていることがうかがえます。さらに、1月にも一定の伸びがみられ、流氷観光を意識した需要の存在も確認されます。検索動向からは、札幌などの主要観光地に加えて、地方観光地への関心が広がりつつある様子がうかがえます。

 3位のシンガポールは主に夏休みシーズン(7〜9月)に検索数が増え、特に7月には検索数が3,500件を超えました。さらに12月や3月にも増加が見られ、スクールホリデーに合わせた旅行需要が検索動向に表れています。家族旅行を中心に、団体での訪日も意識されている様子がうかがえます。加えて、リピーター層を中心に都市観光から自然観光へと関心を広げている傾向も示されています。

■キーワード別検索動向:季節に応じた関心

 検索キーワードでは、「知床」が最も多く約12.7万件、次いで「知床 国立公園」が約10.2万件と、基礎的な情報を求める傾向が高いことが確認できます。これらのキーワードは冬季(1〜3月)にも集中しており、流氷観光シーズンを意識した旅行計画が背景にあると考えられます。

 一方で、観光体験に直結する検索キーワードも注目されます。

 例えば「知床 五湖」は約3.2万件で、2月から7月にかけて検索数が増加しており、冬期閉鎖を経て春から夏にかけて観光利用が再開されるシーズンと重なることから、関心が高まっているようです。

「知床 ホテル」は約1.2万件で、冬(12〜1月)に検索数が特に伸びており、流氷観光シーズンに宿泊施設の検索が活発化する動きと関連していると考えられます。

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■地域別の傾向:欧米豪は冬、東アジアは夏と秋に強い

 地域ごとの動向を見ると、欧米豪が全体の約42%、東アジアが約32%、東南アジアおよびインドが約24%を占めました。欧米豪では冬季に検索が急増し、1月には約1.2万件を超え、同月の東アジアを大きく上回りました。流氷や雪原といった冬の自然体験への関心が強いことがうかがえます。

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■知床の観光客数と外国人動向

 『知床白書(令和5(2023)年度版)』*1によれば、2019年に約177万人(斜里町122万人、羅臼町55万人)であった観光客入込数は、コロナ禍を経て2023年時点では約134万人にとどまっています。外国人観光客数も2019年の約5.4万人から2023年は約4.2万人へと減少しており、依然としてコロナ前の水準には回復していません。ただし、2021年の落ち込み(約82万人、外国人はほぼゼロ)からは段階的に回復が進んでいることがうかがえます。

 また、公益社団法人 北海道観光機構が公表する国別訪日外国人宿泊者数*2を基にしたデータでは、2019年には東アジアが全体の約67%を占めていました。2023年も東アジアの構成比はほぼ変わらず、安定的に高い割合を維持しています。

出典:北海道経済部観光局「北海道観光入込客数調査報告書」をもとにアウンコンサルティングで加工

* 本調査は、北海道ポータルで公開されている国・地域別宿泊者数データをもとに分析を行っています。

■今後の展望と20周年

 2025年7月、知床は世界自然遺産登録から20周年の節目を迎えました。近年、知床遊覧船沈没事故やコロナ禍により一時的に観光需要が落ち込んだ時期もありましたが、検索動向からは回復の兆しと国際的な関心の広がりがうかがえます。この節目の年は、地域が次の段階へと成長していく大きな契機となります。今後は交通アクセスの改善や多言語対応、安全情報の発信、宿泊・アクティビティの予約環境整備など、訪れる人が安心して滞在できる体制の強化が一層重要となります。

 直近では検索動向や来訪者数の増加を背景に、知床は北海道観光のなかで確かな存在感を高めています。特に「一度は訪れてみたい」と考える旅行者が多い自然観光地のひとつとして、流氷観光や多様な自然体験が注目されている様子が見て取れます。さらに、都市部を訪れたリピーターが「次の訪問先」として知床に関心を広げる傾向もみられ、地域全体での自然体験やエコツーリズム推進が持続可能な観光の実現に寄与すると考えられます。

 検索キーワード別では「知床 熊」が下位に見られましたが、先日ヒグマによる人身事故が報道されており、外国人旅行者にとっても安全面への配慮は欠かせないといえます。多言語での注意喚起や安全情報の提供を今まで以上に充実させることが重要であり、「安心と自然体験の両立」が求められています。

■さいごに

 本調査は検索データを通じて、知床が国内外からどのように注目されているかを明らかにしました。

 アウンコンサルティングでは今後も訪日インバウンドに関する調査・分析を継続し、企業や自治体の観光戦略に資する情報を発信してまいります。

国別検索数ランキングの調査結果を含む、本レポートの完全版を、アウンコンサルティングウェブサイトに掲載しています。ぜひご覧ください。

■調査概要

【調査主旨】

知床(世界自然遺産・知床国立公園および関連観光資源)に関する検索動向調査

【調査要綱】

・対象国・地域:OECD加盟主要国を中心にアウンコンサルティングにて抽出した世界32カ国・地域

- 北欧4カ国:フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク

- 湾岸協力会議(GCC)6カ国:サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン

・対象キーワード:アウンコンサルティングが厳選した知床関連の主要キーワード

・調査対象時期:2024年7月〜2025年6月

・分析項目:国・地域別・キーワード別の検索ボリュームおよびランキング

・調査方法:Googleキーワードプランナーを用いた国・地域別の検索データ集計、関係機関による統計・報道資料を基にアウンコンサルティングが独自分析

【出典】

※1 環境省・林野庁・北海道 , 「知床白書(令和5(2023)年度 知床世界自然遺産地域年次報告書)」 , 2024年10月4日

https://shiretokodata-center.env.go.jp/data/research/annual_report/R5annual_report.pdf

※2 公益社団法人 北海道観光機構 , 国別訪日外国人宿泊者数 , 2024年10月1日

https://statistics.visit-hokkaido.jp/

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会社概要

URL
https://www.auncon.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内二丁目2番1号 岸本ビルヂング6F
電話番号
0570-05-2459
代表者名
信太 明
上場
東証スタンダード
資本金
1億円
設立
1998年06月