産業廃棄物の3Rを首都圏の「リノベる。」全施工現場で開始/リノベーション工事による産業廃棄物の9割を再資源化と再利用により循環
資源循環スキーム構築により、「建築資材ロス」削減に貢献”もったいない”を価値に変える、サーキュラーエコノミーを実現
テクノロジーを活用したリノベーション・プラットフォームを構築し、中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノベる。」を全国で展開する国内No.1※1のワンストップ・リノベーション事業者であるリノべる株式会社(東京都港区南青山、代表取締役:山下 智弘、以下 リノべる)は、リサイクルを手掛けるリファインバースグループの子会社であり、産業廃棄物の収集及び中間処理を手掛ける株式会社ジーエムエス(東京都千代田区、代表取締役社長:増井豪、以下GMS)、建築資材ロス問題の解決に取り組むHUB&STOCK株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:豊田訓平、以下HUB&STOCK)とともに、資源循環スキームを構築、リノベーション工事で発生する産業廃棄物の3R(Reduce・リデュース、Reuse・リユース、Recycl・リサイクル)を推進します。
2023年10月から12月の3カ月間に一部案件でトライアルを実施したところ、4割の現場で余剰建材が発生し、本スキームを利用することで内装工事で発生する産業廃棄物の4.9%を再利用(リユース)することができました。また、2023年1月より先行してスタートしている産業廃棄物(一部解体工事を含む内装工事の産業廃棄物)の再資源化(リサイクル)率は、1年間平均で約86.5%となり、併せると9割を再資源化(リサイクル)、再利用(リユース)できることがわかりました。トライアルにより効果検証と運用体制が整備されたことから、2024年より首都圏の「リノベる。」全施工現場で取り組みを開始いたします。
本取り組みを通して、建設業界全体の課題である「建築資材ロス」を削減し、より環境に配慮したプロセスで各社の事業を展開、収益・価値に変えていきます。そして、未来に向けて「資源循環の文化」を創り、持続可能な循環型社会・サーキュラーエコノミーの実現に貢献してまいります。
▼建築資材ロス問題とは
建材を多めに発注し、余ったら未使用でも廃棄することです。建築現場はそれぞれの工程を担う業者が、順番に、工期を守って完成させます。もし現場で建材が不足すると作業が止まって次の工程に迷惑がかかり、納期の遅れにつながります。そのため余分に建材を持ち込まざるをえない実態があります。建築工事から発生する産業廃棄物は「混合廃棄物」となり、その排出量は年間228万トン※2にのぼります。そのうち、1~2割程度が新品未使用と言われており、毎年、約40万トンの新品未使用品が廃棄されているという現状です。
▼資源循環スキームの概要
本スキームは、資源を循環させるだけでなく、各社それぞれの「もったいない」を収益に変える「課題を価値に」変えるスキームです。
リノベるではこれまで、GMS、HUB&STOCKとそれぞれにリノベーション工事で発生する産業廃棄物のリサイクルとリユース・リデュースに取り組んできましたが、余剰建材の回収は、属人的かつ回収コスト等の観点から定着が難しいという課題を感じておりました。
しかしながら、3社連携で「回収ルートの一元化」と「データの見える化」を図ることで、余剰建材の回収・リユースが可能になり、工事現場で発生する産業廃棄物の3R(Reduce・リデュース、Reuse・リユース、Recycl・リサイクル)を推進することが可能になりました。
まず、「リノベる。」の工事現場で発生した産業廃棄物を、GMSが回収・分別し、リサイクルと余剰建材の保管を行います。次に、HUB&STOCKは、GMSが分別保管した余剰建材を回収し、アウトレット建材として流通します。このスキームにより、HUB&STOCKは回収コストを削減、GMSは余剰建材を収益化、リノベるは処分費の削減と回収先の一本化が可能です。更に、HUB&STOCKによる余剰建材の見える化によって、リノベるは無駄の抑制やミスの防止に役立てることが可能です。
各社コメント
リノベる コネクト本部施工技術部長 正木 藤広
「リノベーションは住宅取得のサスティナブルな手段とされてはいますが、解体工事時・内装工事時には産業廃棄物の発生は避けられないという側面もあり、大きな課題として捉えておりました。この度上記課題について2社のご理解とご協力のもと、本スキームの実現となりました。今後も当社がミッションに掲げる『産業に対する約束』の実現のために、施工現場の『課題を価値に』を実践して参ります。」
GMS 取締役 瀧澤 陵
「株式会社ジーエムエスは、リノベーション工事から排出された廃材を回収する際、資源循環を目的に現場にて車へ積載する段階から品目別に選別しているため、以前から建築廃材のリサイクルを進めておりました。この度の資源循環スキームにより、未活用建材の最適な活用方法が確立されました。当社は循環型社会の形成を目指し、今後も小口回収のフットワークの軽さを利用し、様々な現場で実施して参ります。」
HUB&STOCK 代表取締役社長 豊田 訓平
「新品未使用の建材がやむなく処分されてしまう事は、業界の慣習上解決することが困難でした。この度3社で連携することにより再循環スキームが出来たことは、非常に意義があると感じています。本取り組みを通して、今後も『日本の建築資材ロスをゼロ』にするために尽力して参ります。」
▼トライアル結果について
【再利用(リユース)】
2023年10月より、リノベる。のマンションリノベーション12案件にて、本スキームのトライアルを行いました。
余剰建材発生率 41.7%(5案件/12案件)
産業廃棄物全体に占める再利用された余剰建材の割合 4.9%
余剰建材量 2.5㎥
産業廃棄物量 51㎥ (内装工事 12戸分)
余剰建材種類 フローリング、塩ビタイル、床見切材
【再資源化(リサイクル)】
2023年1月より、リノベる。の内装工事・一部解体工事において、GMSの巡回回収とリサイクルを実施しました。その結果、一部解体工事を含む内装工事から排出された産業廃棄物のリサイクル率は、86.5%、そのうち「マテリアルリサイクル」は49.6%、「サーマルリサイクル」は36.9%でした。(2023年12月19日時点)
▼3R(スリーアール)とは
Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRの総称です。
◆Reduce(リデュース)
製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること。耐久性の高い製品の提供や製品寿命延長のためのメンテナンス体制の工夫なども取組のひとつです。
◆Reuse(リユース)
使用済み製品やその部品等を繰り返し使用すること。その実現を可能とする製品の提供、修理・診断技術の開発、リマニュファクチャリングなども取組のひとつです。
◆Recycle(リサイクル)
廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること。その実現を可能とする製品設計、使用済製品の回収、リサイクル技術・装置の開発なども取組のひとつです。
▼再資源化(リサイクル)の種類
「マテリアルリサイクル」廃棄物を原材料とするリサイクル
「ケミカルリサイクル」廃棄物を化学還元して原料にするリサイクル
「サーマルリサイクル」廃棄物を燃料にしてその熱エネルギーを利用するリサイクル
リノベる株式会社について
リノベるは、ミッション「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」の実現に向け、テクノロジーを活用したリノベーション・プラットフォームを構築、全国約500社のパートナー企業とともに既存ストックの流通・利活用を推進するリノベーションを提供しています。国内No.1※1の実績を有する中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノベる。」や、法人向けにCRE戦略推進や有効活用ソリューションを提供する「都市創造事業」、そして、日本全国のパートナーへリノベーションに最適化されたノウハウやテクノロジーツールを提供しています。
既存不動産ストックを再生・活用するリノベーションは、新築への建替えに比べにCO2排出量を削減するサステナブルな選択肢です。加えて、性能向上リノベーションにより、建築物の省エネ化・断熱化を進めることで更にエネルギー起源のCO2排出量を削減することも可能で※3、2023年11月には、政府系ファンド「脱炭素化支援機構」の住宅・不動産・建設業界出資第一号案件となりました。リノベるは、リノベーションおよび省エネリノベーションを推進することで、循環型社会の実現、カーボンニュートラル社会の実現に寄与してまいります。
会社名:リノべる株式会社
代 表:代表取締役 山下 智弘
資本金および資本準備金:1,019,991,776円
設 立:2010年4月
所在地:本社 東京都港区南青山5丁目4-35 たつむら青山ビル
代 表:代表取締役社長 増井 豪
資本金: 7,100万円
設 立: 1983
所在地:東京都千代田区有楽町2-2-1 X-PRESS有楽町11
主な事業内容:廃棄物の収集運搬・中間処理業
代表者:代表取締役社長:豊田 訓平
資本金:1,000万円
設 立:2021年4月
所在地:東京都板橋区高島平1-5-6
主な事業内容:建築資源循環事業
※1 リフォーム産業新聞1574号(2023/10/23発行)『マンションリフォーム売上ランキング2023』にて、ワンストップサービスを手掛ける事業者として首位
※2 国土交通省「平成30年度建設副産物実態調査結果」
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo03_hh_000233.html
※3 2023年12月7日「賃貸レジデンス「コンフォリア高島平」で産学共同研究を実施 リノベーションで建て替えに比べCO2排出量を75%、廃棄物排出量を96%削減。省エネリノベーションによる効果は、40年間のCO2排出量を5%約1,000t削減※1」(リノベる株式会社)https://renoveru.co.jp/news/7543/
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