テュフズード、新たなEU機械規則(EU Machinery Regulation)の世界初のノーティファイドボディに
機械規則(EU)2023/1230
国際的な第三者認証機関であるテュフズード(本部:ドイツ・ミュンヘン)は今月、新たなEU機械規則2023/1230(EU-MR)のノーティファイドボディとして、欧州委員会のNANDOウェブサイトに世界で初めて掲載されました。EU機械規則(EU Machinery Regulation)は、従来のEU機械指令(EU Machinery Directive)に置き換わるものです。同規則は、機械および関連製品の安全要件に、AIやサイバーセキュリティなどの新たな基準を設定しています。
テュフズードの役割
テュフズードはノーティファイドボディ*として、EU機械規則の実施において重要な役割を果たしています。テュフズードを含めたTIC(Testing, inspection and certification)企業は、製造業者やその他の事業者に対して、EU機械規則の実施や製品試験および認証に関する包括的なサポートを提供します。同規則は、機械学習アプローチ(AIの使用など)やサイバーセキュリティなどの新技術に適用されます。機械製品の適合性評価を取得し、同規則が製品に求める厳格な要求事項への適合を目指す製造業者を、テュフズードは専門家のグローバルなネットワークと広範な専門知識でサポートします。お客様のメリットは、機械の安全性、リスクアセスメント、サイバーセキュリティ、CEマーキングの分野に精通する学際的知識を得られることです。
テュフズードは、機械メーカーとの協力における豊富な経験を生かし、試験や認証、同規則の要求事項に関するトレーニングコースなど、機械規則に関する多数のサービスを提供しています。このサポートにより、お客様は最高レベルの安全基準を維持しながら、製品を改正要求事項にシームレスに適合させることができ、最終的には製品を市場に投入するための前提条件として認証を取得することができます。
新たなEU機械規則は、安心安全で、将来を見据えた産業を構築するための重要な一歩です。同規則は、ユーザーと環境に対して極めて高いレベルの保護を提供するとともに、デジタル変革をめぐる世界的な競争の中で欧州におけるリーディングポジションを維持することに役立ちます。AIとサイバーセキュリティに対応することで、同規則は、安全性とセキュリティを革新的な設計に統合し、最新の機械に対する信頼を高めるために必要な枠組みを確立しています。Tobias Pfeiffer(テュフズード 産業・エネルギー製品部門責任者)は、「ノーティファイドボディとして、機械規則の実施とEUにおける機械の安全性に重要な貢献ができることを誇りに思います」と述べています。
最も重要な新しい側面 - 「指令(Directive)」から「規則(Regulation)」へ
EUにおける機械安全の重要性は、改訂されたEU機械指令(EU Machinery Directive)をEU機械規則(EU Machinery Regulation)に転換するという決定が物語っています。EUで採択された機械指令などの欧州指令は、まず加盟国が国内法に移管しなければなりません。しかし、今回のEU機械規則は直ちに適用され、すべての加盟国で法的強制力を持ちます。EU機械規則は、直接適用される拘束力のある法律行為であり、逸脱するすべての国内法規に優先します。
EU機械規則(EU-MR)は2023年4月18日に欧州議会で採択され、欧州官報に掲載されてから20日後の2023年7月19日に発効しました。この日をもって、各経済事業者が新規則を実施しなければならない42カ月の移行期間が始まりました。EU域内の市場に機械を投入するための新たなEU機械規則は、2027年1月20日から適用されなければなりません。
この規則には、業界の実務に影響を与える非常に重要な変更が多数含まれています。この変更により、製造業者だけでなく、正規代理店、輸入業者、販売業者などの経済事業者も、それぞれの義務に関して同規則を適用しなければならなくなりました。以下に最も重要な変更点を挙げます:
1. 適用範囲の拡大
新たなEU機械規則では、機械の安全関連ソフトウェア、安全部品、安全機能を確保する人工知能(AI)を組み込んだ機械、および大幅な改造を施した機械を初めて対象としています。この変更は、産業界における機械のデジタル化、自動化、近代化の進展を反映したものです。
2. サイバーセキュリティ要件
機械とその制御システムは、偶発的または意図的な破損(ハッカーやサイバー攻撃など)から保護されなければなりません。製造者は、機械のソフトウェアへの合法的または非合法的な介入や、インストールされたソフトウェアの変更に関する証拠を収集する義務があります。
3. デジタル文書化
新たなEU機械規則は、使用説明書、組立説明書、適合宣言書をデジタル形式で提供することを認めています。ただし、特定の機械については、引き続き紙媒体での提出が求められます。
4. 適合宣言の近代化
適合性評価手順が更新され、特に、人の健康に重大かつ固有の潜在的なリスクをもたらす機械(「ハイリスク」機械)を含む附属書Iに記載された機械の適合性評価手順が更新されました。附属書 I はパート A とパート B に分かれており、車両整備用リフト、安全コンポーネント、AI がサポートする安全機能を使用する完全または部分的に自己進化する動作をする機械、特定の製材機、成形機、鉋盤などの機械の種類を扱っています。
これまでノーティファイドボディが関与していた適合性評価手順「EU 型式審査(モジュール B)」および「完全品質保証(モジュール H)」は、「ユニット検証に基づく適合(モジュール G)」の追加により拡張されました。テュフズードの機械規則のノーティファイドボディとしての届出範囲により、テュフズードは、附属書I製品に対する3つの適合性評価モジュールすべてを顧客に提供することができます。
5. より緊密な市場監視
EU機械規則は、市場監視(サーベイランス)を改善し、EU全体における安全規則の適用を標準化することを目的としています。
EU機械規則は2027年1月20日まで独占的には発効しませんが、この早い段階で専門的かつエキスパートによる実施を行うことで、EU全体の競争力を生み出すことができます。サプライチェーンに沿ったすべての企業が、今すぐ欧州機械規則の新条項に対応し、管轄機関や機械安全の専門家に相談することで具体的な疑問や問題を明確にでき利益を得ることができます。テュフズードは、この欧州機械規則の最初のノーティファイドボディとして、広範な専門知識と学際的な知見に基づくサポートを提供しています。
関連リンク
・European Commission – Single Market Compliance Space – Notified Bodies
*ノーティファイドボディとは、適合性評価を実施する機関として、法令に基づき、認定機関より認定を受けた機関を指します。
テュフズードジャパンについて
150年以上の歴史を持つ国際的な第三者認証機関テュフズードの日本法人として1993年に設立。試験、認証、監査、トレーニングサービスを通じて、医療機器、産業機器、民生機器、自動車、食品、化学、エネルギーなど幅広い分野における企業の安全性と海外展開を支えています。近年はサイバーセキュリティ、サステナビリティ、AI関連サービスにも注力。https://www.tuvsud.com/ja-jp
お問い合わせ
テュフズードジャパン株式会社 マーケティング部
Marketing.jp@tuvsud.com
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-31-11住友不動産新宿南口ビル12F
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