仏教学の第一人者が警鐘を鳴らす！現代に出現した新たな「業」＝ “ネットカルマ” とは【NHKカルチャーオンライン講座】

2月27日（日）開催のオンライン講座では、NHKのEテレ「100分de名著」出演などで知られる仏教学の第一人者、佐々木閑・花園大学教授が2時間にわたり解説。

インターネットと仏教。一見、関係のない両者には重要な共通点があると、花園大学教授の佐々木閑さんは以前から指摘してきました。その共通点とは「カルマ（業）」です。近年のキャンセルカルチャーと言われる現象や、感染症のワクチンをめぐるSNSでの論争など、ネット上で起こる問題の深層を仏教から明らかにします。

■現代に広がるキャンセルカルチャーと新たな業 “ネットカルマ“
スマホが広く普及し、日本も本格的なネット社会に突入しました。インターネットは利便性や楽しみを増やしてくれる一方で、新書『スマホ脳』がベストセラーになったように、人間の心身に深い傷や苦しみを与える負の作用があることも知られつつあります。
最近、有名人の昔の行為がネット上で突然表面化し、非難の的になったり仕事を失う事例が相次ぎました。世界的にキャンセルカルチャーとよばれ社会問題化しています。この現象に以前から注目し、警鐘を鳴らしていたのが仏教学者で花園大学教授の佐々木閑さん。「自分の全行動が見られ、必ずその報いを受けねばならないシステム」を、仏教ではカルマ（業）といいます。全ての行いに必ず報いが来るという作用が、じつは仏教のカルマのシステムと同じであることに気づき、インターネット時代の新たなカルマを「ネットカルマ」と命名しました。しかもネットカルマは私たちの想像よりはるかに恐ろしく悪質だといいます。
 

佐々木閑さん

■ブッダの教えは今も生きている
ブッダは2,500年前、人間にとってカルマこそが苦しみの根源であるとし、仏教という生き方を見いだしました。ますますインターネットが社会に広がる時代に、私たちはネットカルマという新たなカルマを抱え、今後このカルマが自分の身にふりかかり苦しむことになりかねません。
講座では、カルマというシステムが、インターネット時代に新たな形となって生まれたことをじっくり解説します。また、ワクチン陰謀説にみられるネット型新宗教なども含めて、私たちが新たに直面している問題と、苦しみから抜け出すためのすべをブッダの教えに学びます。
 

講師著『ネットカルマ―邪悪なバーチャル世界からの脱出』(2018年、角川新書)

講座名:ネットカルマの時代を生きる―現代の新たな苦しみにどう備えるか
講師：花園大学教授 佐々木閑
受講形態：オンライン
開催日時：２月２７日(日) １３:３０～１５:３０   ※見逃し配信有り
受講料金：NHK文化センター会員・一般(入会不要) 税込2,750円
主催：NHK文化センター梅田教室

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https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1244064.html