アメリカは台湾の約2.7倍、関心は「山と海の複合体験」|【屋久島】の検索ランキングを公開

 アウンコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太 明、東証スタンダード:2459)は、グローバルマーケティング(国内・海外向けの販売促進・AI活用支援)*、メディアマーケティング(火災保険・地震保険の申請サポート)**などのマーケティング事業を展開しています。

 この度、日本の世界自然遺産である屋久島について、世界各国・地域を対象に関心動向調査***を行いましたので、その結果をお知らせいたします。

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*** 今回の調査における各検索キーワードのランキングは、2024年8月~2025年7月までのGoogleキーワードプランナーによる推定検索数を参考指標として集計したものです。

■はじめに:世界自然遺産・屋久島への関心が高まる背景

 屋久島は1993年12月、白神山地とともに日本で初めて世界自然遺産に登録されました。 登録基準は卓越した自然美と進化の過程・生態系です。縄文杉や白谷雲水峡、宮之浦岳など多様な自然資源があり、登山は3〜5月と10〜11月が歩きやすい時期とされています。ダイビング、シュノーケリング、カヤック、SUPをはじめとするマリンスポーツは7〜10月が適しており、特に9月が良い時期です。検索データからは、春休みやイースター、旧正月、中秋節や国慶節、夏休みなどの休暇と体験に適した時期が重なる月に関心が高まる傾向が見て取れます。白谷雲水峡や屋久杉(縄文杉)をはじめとする原生林は世界的にも象徴的な風景として知られ、「いつか訪れたい」という意向を下支えする要因の一つといえます。

 本記事では、世界32カ国・地域で屋久島に関連するキーワードを厳選し、国別やキーワード別に集計した検索数の結果となります。これらの結果から、国別ランキング、キーワード別の傾向、地域ごとの動きを整理し、検索数から見える訪日観光の可能性を考察します。

■国別検索数ランキング:アメリカは台湾の約2.7倍、訪日関心を牽引

 今回の調査では、検索数上位 3 カ国はアメリカ、台湾、ドイツとなりました。

 以下、主要国の動向になります。

 1位のアメリカは145,400件で、台湾の53,600件に比べて約2.7倍となりました。月別の検索数では1月が最も多く、続く3〜5月も高い傾向にあります。年始から春にかけて計画が進み、3〜5月の登山(縄文杉・宮之浦岳)や、7〜10月のマリンスポーツの実施に向けた情報収集が強まった可能性があります。

 2位の台湾は7月の検索数が最も多く、次いで6月となりました。夏休み前の計画が色濃く表れ、屋久島でのマリンスポーツは夏から秋(7〜10月)が盛んで、関心が高まったと見られます。

 3位のドイツは検索数が1月に集中しました。長距離旅行の特性上、春の登山シーズンに向けて早期に情報収集が進んだ可能性が考えられます。

■キーワード別検索動向:段階に合わせて深まる関心

 選定した25の検索キーワードより、最も多く検索されたのは「屋久島」で、月別の検索数では3月にピークがあり、次いで1月や7月も高い水準を示しました。まず地名で全体像を把握し、その後に宿泊や交通の手配に進み、最後に縄文杉や白谷雲水峡、宮之浦岳、温泉などの目的地や、装備、所要時間、運航・運行情報といった手配・準備へと関心を深めている様子がうかがえます。

 具体的な検索キーワードの傾向を見ると、「縄文杉」「白谷雲水峡」「ヤクスギランド」などの自然景勝地に関する検索は、いずれも初秋〜秋にピークを迎えており、快適な気候に合わせた装備やルート情報の確認が活発化したといえます。白谷雲水峡は『もののけ姫』の森のインスピレーションとして広く紹介され、国際的な認知の一因となっています。検索動向としては、各国の休暇時期と重なる月に検索数が増加する傾向が見られます。

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■地域別の傾向:北米は年始に、東アジアは連休前に検索が集中

 地域別にみると、欧米豪では検索数全体をけん引する傾向が見られました。特にアメリカやカナダなど北米地域では、1月に検索数がピークとなりました。これは、夏の旅行計画を早期に立てる傾向や、3〜5月の登山シーズン、7〜10月のマリンスポーツに適した時期を見越した情報収集が早まっていることが背景と考えられます。

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■受け入れと保全:オーバーツーリズムに配慮

 屋久島では年間を通じて多くの訪日旅行者が訪れる一方で、登山道の混雑や自然環境への影響といった課題も指摘されています。検索データからは、たとえば、北米や欧州では早期に検索が始まる一方、アジア地域では出発直前の情報収集が中心となる傾向が見受けられます。

 とりわけ「屋久島 レンタカー」は9月を中心に検索数のピークが見られ、連休直前に島内移動手段の確保に関する検索が増加しました。これは旅行の計画が短期間で具体化されることを示しており、需要が特定の時期に集中することで、限られた交通インフラへの負荷が高まる懸念が生じます。

 この集中をやわらげるには、現場で機能する運用とルールをセットで示すことが重要です。屋久島では多言語ガイドやガイド登録制度に加え、登山道の安全運用や時間帯・予約による分散案内などを進めています。

■検索から見える屋久島の人気

 今回の検索結果に加え、屋久島の需要回復が統計からも確認できます。屋久島*1の延べ宿泊者数(日本人+外国人の合計)は2023年 413,808人泊(2019年比で約+9.4%)。一方、同年の外国人延べ宿泊者数は 8,315人泊で、2019年比で約6割の水準にとどまっています。全体では回復が進んでいるため、訪日旅行者の誘客強化が今後の課題です。そのため、需要の伸びが見込める国・地域に着目する必要があり、検索動向もこの機会を示しています。この点は、鹿児島県“全体”の外国人延べ宿泊者数*2の2019年と2024年の構成比にも表れており、東アジア84%→72%、欧米豪7%→13%、東南アジア+インド3%→5%と変化し(県別集計の参考指標)、こうした変化を踏まえると、屋久島においても関心の広がりが見込まれることを示しており、検索トレンドの傾向とも一致します。

出典:日本政府観光局(JNTO)の日本の観光統計データを参考にアウンコンサルティングで加工

* 本調査の対象となる国・地域に該当しない「その他」の項目は含まれておりません。

■さいごに

 北米や欧州では数カ月前からの検索が主流であり、一方で東アジアでは直前に検索が集中する傾向があります。この「時間差」を活用することで、屋久島側の受け入れ準備や情報発信のタイミングを調整し、より効果的な観光施策が期待できます。

 また、自然環境の保全と観光需要のバランスを取るには、受け入れ人数の適正化、混雑回避の情報提供、多言語での案内、予約制の活用など、現場で機能する取り組みを重ねることが重要です。各国・地域の休暇時期に合わせて最新の運航・運行情報、装備・安全情報を分かりやすく更新し、保全ルールの周知を続けることで、持続可能な地域振興と観光の質向上につながります。

 アウンコンサルティングでは今後も訪日インバウンドに関する調査・分析を継続し、企業や自治体の観光戦略に資する情報を発信してまいります。

国・地域別検索数ランキングの調査結果を含む、本レポートの完全版を、アウンコンサルティングウェブサイトに掲載しています。ぜひご覧ください。

■調査概要

【調査主旨】

屋久島(世界自然遺産・屋久島国立公園および関連観光資源)に関する検索動向調査

【調査要綱】

・対象国・地域:OECD加盟主要国を中心にアウンコンサルティングにて抽出した世界32カ国・地域

 - 北欧4カ国:フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク

 - 湾岸協力会議(GCC)6カ国:サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン

・対象キーワード:アウンコンサルティングが厳選した屋久島関連の主要キーワード

・調査対象時期:2024年8月〜2025年7月

・分析項目:国・地域別・キーワード別の検索ボリュームおよびランキング

・調査方法:Googleキーワードプランナーを用いた国・地域別の検索データ集計、関係機関による統計・報道資料を基にアウンコンサルティングが独自分析

【出典】

※1 屋久島町 , 第2次屋久島町観光基本計画(素案) , 2025年9月16日

https://www.town.yakushima.kagoshima.jp/t_yakushima/wp-content/uploads/2025/09/20250916_kanko_kihonkeikaku_soan.pdf

※2 日本政府観光局(JNTO) , 日本の観光統計データ

https://statistics.jnto.go.jp/graph/

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会社概要

URL
https://www.auncon.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内二丁目2番1号 岸本ビルヂング6F
電話番号
0570-05-2459
代表者名
信太 明
上場
東証スタンダード
資本金
1億円
設立
1998年06月