第31回ビズメイツ調査【IT企業における外国籍人材の定着・活躍に関する実態調査】 高度外国人材は8割、定着の決め手は「初期フォロー・公正評価・多文化理解」
~共創型組織への転換が、IT人材不足と国際競争力強化の鍵に~
ビズメイツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 伸明、以下「当社」)は、外国籍人材を1人以上採用した実績のある、従業員数30~499人のIT企業の人事担当者294名を対象に 「IT企業における外国籍人材の定着・活躍に関する実態調査」を実施しました。
本調査では、IT業界にて 専門・技術分野の高度外国人材が約8割を占め、管理職登用も拡大している実態が明らかになりました。定着・活躍の鍵は、オリエンテーション・1on1・メンター等の入社初期フォローに加え、公正・透明な評価制度、日本人側の多文化理解であることが示されています。また、採用チャネルは 国内大手求人媒体とダイレクトリクルーティングが主軸となりつつ、海外大学との連携など国際的な採用ルートの拡大も進んでいます。
2030年にIT人材が約79万人不足すると見込まれるなか、外国籍人材の採用・定着・戦力化を進め、多様な人材がともに価値を創出する組織へと進化していくことが、今後の日本企業に求められる重要な課題といえます。

■調査概要
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調査名:IT企業における外国籍人材の定着・活躍に関する実態調査
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調査方法:IDEATECH提供のリサーチマーケティング「リサピー®︎」を用いたインターネット調査
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調査期間:2025年10月14日〜同年10月17日
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有効回答:外国籍人材を1人以上採用した実績のある、従業員数30~499人のIT企業の人事担当者294名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
■ 外国籍人材が在籍しているIT企業は約8割、受け入れはすでに一般化のフェーズへ
Q1.「現在在籍している外国籍人材の在籍割合」(n=294)では、「1〜5%程度」が26.5%、「6〜10%程度」が 27.2%、「11〜20%」および「21%以上」が合計12% となり、外国籍人材が在籍している企業は78.9%(約8割) にのぼりました。この結果から、外国籍人材の受け入れがIT業界全体に広がり、すでに多くの企業で日常的に協働が進んでいる現状が明らかとなりました。
一方で、「0%(現在はいない)」も16.7%あり、採用経験はあるものの、現在は外国籍人材が定着していない企業が一定数存在することがうかがえます。

■約6割がエンジニア・開発職、AI・セキュリティなど先端分野でも活躍が拡大
Q2.「現在在籍している外国籍人材の主な職種・階層」(n=294)では、「エンジニア/開発職(メンバー)」が42.2%、「同(シニア・リード)」が15.6%と、約6割を占めました。外国籍人材は、専門スキルを持つ即戦力として、開発・技術領域での採用が中心であることがうかがえます。
一方で、「経営幹部/事業責任者」(5.1%)、「管理部門」(5.4%)は少数にとどまり、マネジメント層や管理部門での在籍は限定的です。
また、AI・機械学習やセキュリティ、UI/UXなど先端分野での採用も拡大しており、外国籍人材は高度技術領域を支える存在としてその役割を広げています。

■採用チャネルは「国内大手媒体」が4割、ダイレクトリクルーティングも浸透
Q3.「外国籍人材の採用で、現在利用している採用チャネル」(n=294)では、「国内の大手求人媒体」(37.1%)で最多で、「社員紹介(リファラル採用)」(28.9%)が続きました。この結果から、外国籍人材の採用は国内採用市場の中で一般化していることが分かります。
また、「海外人材専門のエージェント」(22.4%)や、「自社採用サイトからの直接応募」(22.4%)、「LinkedIn・FacebookなどのSNS」(16.0%)などの活用も広がり、企業が候補者に直接アプローチする ダイレクトリクルーティング型採用が浸透しています。加えて、「海外の大学との連携」(6.1%)による採用も拡大しており、国際的な採用ルートの多様化が進んでいます。

■外国籍人材の在籍は「3年未満」が主流 採用拡大と長期定着の両面が進行
Q1で「0%(過去に採用実績あり)」「わからない/答えられない」以外を回答した方(n=215)を対象に、Q4.「現在在籍している外国籍人材の在籍年数分布」を尋ね、有効回答144社(n=144)の平均構成比を算出しました。その結果、「1年未満」36.5%、「1年以上3年未満」26.2%と、合計62.7%が「3年未満」を占めました。外国籍人材の受け入れを近年開始した企業が多いことに加え、プロジェクト型の就業やキャリアアップを目的とした転職など、人材の流動性の高さが背景にあると考えられます。一方で、「3年以上」37.3%、「5年以上」19.6%と一定数存在しており、長期定着も進みつつあることが示されました。

■在留資格は「技術・人文知識・国際業務」が最多、高度外国人材が約8割に
Q1で「0%(過去に採用実績あり)」「わからない/答えられない」以外を回答した方(n=215)を対象に、Q5.「現在在籍している外国籍人材の在留資格構成」を尋ね、有効回答150社(n=150)の平均構成比を算出しました。
最も多かったのは 「技術・人文知識・国際業務」(45.7%)、次いで 「高度専門職」(25.9%)、「永住者・日本人配偶者等」(11.9%)、「企業内転勤」(10.0%)、「その他(技能実習・特定技能など)」(6.5%) となりました。厚生労働省「外国人雇用状況」(2025年10月末)では、全国の外国人労働者数約257万のうち、高度外国人材は約3割にとどまる一方、本調査のIT業界では約8割と、約2.5倍に達しています。
この結果から、IT業界が高度外国人材の受け入れを先導し、人材不足の補完や国際競争力強化において中核的な役割を担っていることが示されました。

■高度専門職の採用比率と在籍年数の関係
Q4(在籍年数)とQ5(在留資格構成)の両方に回答した80社を対象に、「高度専門職の比率」と「在籍5年以上の割合」の関係を分析しました。
在籍5年以上の割合は0〜20%に集中しており、長期定着は限定的であることが示されました。特に、高度専門職比率が100%でありながら在籍1年未満が中心の企業(青い点)も見られ、採用の新規化や定着途上の状況が示唆されます。一方で、高度専門職のみで構成され、かつ9割以上が5年以上在籍する企業(赤い点)も見られ、採用と長期定着を両立する例も確認されました。

■雇用形態は「正社員」が66.7%と最多、安定雇用と柔軟な活用が併存
Q1で「0%(過去に採用実績あり)」「わからない/答えられない」以外を回答した企業(n=215)を対象に、Q6.「現在在籍中の外国籍社員の雇用形態」を尋ね、有効回答164社の平均構成比を算出しました。
「正社員」が 66.7% と最も多く、次いで「契約社員」 14.8%、「派遣/請負」10.7%、「アルバイト/パート」7.8% となりました。外国籍人材が中核人材として正社員での活躍が中心である一方、契約や派遣など柔軟な雇用形態も一定数存在することが示されています。

■ 外国籍人材の定着・活躍のために、特に効果が高いと感じる施策—初期フォロー・言語支援・継続フォローが鍵
Q7.「外国籍人材の定着・活躍のために、特に効果が高いと感じる施策」(n=294)について尋ねました。「入社時のオリエンテーション」25.9%が最多で、入社初期の受け入れ体制が、外国籍人材の定着の基盤となっていることが示されました。続いて「日本語学習支援」21.4% や「日本人向けの多文化理解研修」20.1%が上位に上がり、日本人側の理解促進の重要性も示されました。
また、「メンター制度・1on1」19.7%や「外国籍人材の相談窓口」19.0%など、入社後の継続的なフォロー体制の重要性も確認されました。一方で、「キャリアパス明示」11.9%や「公正・透明な評価制度」7.8%は相対的に低く、長期的なキャリア形成支援が今後の課題といえます。

■今後導入したい施策のトップは「日本人社員向け多文化理解研修」、受け入れ側の意識改革に課題
Q8.「外国籍人材の定着・活躍のために、今後導入したい施策」(n=294)について尋ねた結果、「日本人向けの多文化理解研修」25.9%が最多となりました。これは、日本人側の理解・受け入れ力を高める必要性が強く認識されていることが分かります。実際、Q7(現行施策)でも同項目が上位に入っており、文化的相互理解は定着支援の中心テーマとなりつつあります。次いで「外国籍人材の相談窓口」22.4%、「入社時のオリエンテーション」20.4%、「メンター制度・1on1」19.4%が続き、心理的安全性や初期フォロー体制の整備ニーズが高いことがうかがえます。いずれもQ7で「効果が高い」と評価された施策であり、重要性は認識されている一方で、導入が進んでいない領域といえます。また、「英語対応ができる職場環境」18.4%や「日本語学習支援」17.7%など、言語支援へのニーズも引き続き大きい状況です。
全体として、「文化理解」「心理的安全性」「言語支援」といった”受け入れ側の支援強化”が今後の定着施策の重要なテーマとなっています。

■外国籍人材の管理職登用が過半数に拡大 組織戦略の中核としての活用が進む
Q9.「外国籍人材の管理職・リーダー職等への登用状況」(n=294)では、「積極的に登用」19.7%と「登用実績あり」34.4%を合わせ、54.1%のIT企業で登用経験があることが示されました。
中でも、「積極的に登用」が約2割に達しており、外国籍人材を事業戦略上の中核人材として位置づける動きが広がっています。一方で、「登用を検討中」20.7%や「登用実績なし」15.6%も約3割超を占めており、評価制度や言語環境などに課題が残る企業も一定数存在します。

■外国籍人材の離職要因「言語・文化の壁」「職務ギャップ」が中心、待遇不満はわずか4%
Q10.「外国籍人材の離職要因」(n=294)の結果では、「言語・文化の壁」27.9%が最も多く、「職務内容とのミスマッチ」27.2%、「役割・権限のギャップ」24.5%が続きました。一方、「報酬・待遇への不満」4.1%は最下位にとどまり 、離職は条件面ではなく、職務や権限の認識差 や 言語・文化面での相互理解不足 に起因していることが示されています。
これらの結果から、文化・言語面での支援体制や職務定義の明確化が、外国籍人材の定着に向けた重要な課題といえます。

■定着のカギは安心して働ける環境づくり、「公正な評価制度」と「入社初期フォロー」が上位
Q11.「外国籍人材の定着において、重要な要素」(n=294)では、「公正・透明な評価・昇進制度」26.2%が最多となり、評価や昇進における納得感・公平性の重要性が示されました。次いで「入社時のオリエンテーション」25.5%が続き、「初期フォロー」が定着支援の最重要要素であることを裏付けています。
また「英語など他言語対応環境」24.8%や「キャリアパスの明示」22.4%、「メンター制度・1on1」22.4%なども上位に挙がり、「制度面の公平性」「受け入れ体制」「職場環境」の3要素が、長期的な活躍を支える基盤となっていることが示されました。

■自由回答から見える“定着・活躍”の鍵─最大の課題は「言語・文化の壁」、日本人側の理解促進が重要に
Q12「外国籍人材の定着・活躍に関する施策や課題」(n=294)の自由回答では、「言語の壁」「文化の違い」「コミュニケーション不足」が多く挙がり、定着の課題は相互理解の不足にあることが示されました。
特に、日本人側の理解や受け入れ体制の不足を指摘する声が目立ち、課題は外国籍人材側だけでなく受け入れ側にもあることが明らかとなりました。
一方で、「1on1による不安解消」や「孤立を防ぐサポート」など、継続的なコミュニケーション施策の有効性も確認されました。これらは、メンター制度や初期フォロー施策の有効性を裏付ける結果といえます。
また、多文化理解を前提としたチームづくりの重要性も指摘されており、相互理解の促進が定着と生産性向上の両立につながると考えられます。
<代表的なコメント(原文抜粋)>
「言語の壁はあるが、外国人本人は頑張っていると思う。日本人メンバーの歩み寄りや努力が足りない。」
「文化の違う中、お互いの文化を理解することや教える姿勢は大事。」
「英会話が堪能な社員を近くに配置して感謝された。」
「一人ひとりに個別に相談して決めていく方法が時間はかかるが確実だと思い知らされた。」
「日本人と外国人のコミュニティの連携が必要。」
■まとめ
本調査から、IT業界は高度外国人材の受け入れにおいて全国を大きくリードしていることが示されました。在留資格の「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門職」(=高度外国人材)が約8割と、全国(約3割)の約2.5倍に達しており、正社員を中心に管理職登用も進むなど、組織戦略上の中核人材としての活用が広がっています。
一方で、在籍5年以上の長期定着は限定的であり、制度上の長期在留と実際の定着にはギャップが見られます。
定着・活躍の鍵は、①入社初期フォロー、②言語・文化の相互理解、③公正な評価制度の三点に集約されます。中でも、日本人側の理解や受け入れ体制の強化が重要な課題として浮き彫りになりました。
今後は、日本語学習支援や多文化理解研修、キャリアパスの明示など、制度と文化の両面からの整備が求められます。
IT人材不足が続く中、外国籍人材の活躍と定着は日本の競争力を左右する重要なテーマです。単なる受け入れにとどまらず、多様な人材が価値を共創する組織への転換が求められています。
なお当社が提供するグローバル人材紹介とビジネスに特化した日本語学習を融合した一体型支援プログラムは、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択されています。
≪調査結果のご利用にあたって≫
本調査は、IT業界の採用・登用・定着の実態を示す調査として、報道・研究・施策立案などに幅広くご活用ください。
掲載・引用の際は、出典として「ビズメイツ株式会社」のクレジットを明記いただきますようお願いいたします。
ウェブサイトやオンラインメディアでご利用になる場合は、以下のリンクも併せてご掲載ください。
■ビズメイツ株式会社について www.bizmates.co.jp
当社は2012年の創業以来、「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」をミッションに掲げ、語学事業と人材事業を通じて、個人と企業のグローバル化を支援し、その成長を加速させるソリューションを提供しています。
語学事業では、仕事で結果を出す英語力が身につくビジネス特化型オンライン英会話サービス「Bizmates(ビズメイツ)」、および外国籍人材のためのビジネス特化型日本語学習サービス「Zipan(ジパン)」を展開。人材事業では、世界で活躍するグローバルエンジニアを日本企業に紹介するサービス「G Talent(ジータレント)」、およびグローバルエンジニアと日本企業をつなぐ採用プラットフォーム「GitTap(ギットタップ)」を運営しています。
2023年3月に東京証券取引所グロース市場に上場(証券コード:9345)。
「人と企業が成長しあう多様性のある豊かな社会の実現」をパーパスに、グローバル人材と企業の成長支援を担うテックソリューションカンパニーとして、テクノロジーを活用した語学・人材領域のソリューションを通じ、さらなる価値創出に挑戦し続けています。
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