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日本ロレアル株式会社
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ロレアルグループ、紫外線による皮膚の色素沈着に対処する画期的な新規有用成分2-MNGを開発

日本ロレアル株式会社

ロレアルグループ(C.E.O.: 二コラ・イエロニムス、本社:フランス、クリシー)は2024年3月11日、全く新しいメラニン合成阻害メカニズムにより、紫外線曝露や刺激による皮膚の色素沈着に対処する新有用成分2-MNGを開発したと発表しました。

肝斑、炎症後色素沈着、日光黒子などの色素沈着症は、一般的に見受けられる皮膚症状ですが、生活の質(QOL)に影響を与えています。色素沈着の状態によっては、多少なりとも気分が落ち込んだり、気後れを覚えたりします。ある医学的調査によれば、肝斑患者の13%、後天的斑状色素沈着症の24%に抑うつ傾向がみられ、身体的な症状を示すこともあるとのことです※1, ※2。

色素沈着は生物が生成する色素の一種であるメラニンが過剰に生産され、蓄積することによって生じます。メラニンにはユーメラニン(褐色から黒色)とフェオメラニン(黄色から赤色)の2種類があり、それぞれの人が持つユーメラニンとフェオメラニンの量が人間の皮膚や毛髪の色の多様性の源となっています。メラニンは生体を日光紫外線の害から守る役割があり、皮膚は細胞を保護するために日光暴露後にメラニンの合成※aを増加させますが、メラニン合成は炎症などそれ以外の様々な要因によっても活性化され、加齢によるシミや炎症の痕跡など、局所的な色素沈着を引き起こすことがあります。

ロレアルは35年にわたって色素沈着の問題について研究を続けてきました。コンピューターシミュレーションを含む高速度スクリーニングを駆使し、メラニンの過剰な合成を抑制する分子を開発しました※3。アミノ酸の一種グリシンの誘導体であるこの分子は、メラニンの前駆体※bに結合し、それ以降の合成反応の進行を阻害して色素沈着の原因となるユーメラニンおよびフェオメラニンの生成を抑制することが判明しました。

この作用メカニズムは、従来のメラニン合成阻害剤※cとは全く異なっています。メラニン前駆体に2-MNGが結合した複合体は、メラニン合成が行われる場であるメラノサイト(色素細胞)から老廃物として排出されます。2-MNGは、皮膚のタイプに関係なく紫外線照射による即時黒化と新たなメラニン生成を効果的に抑制する※4だけでなく、臨床試験においても太陽光による老人性色素斑、加齢に伴うシミ、にきび跡、または目の周り、口の周り、頬などの特定の条件下で現れる局所的な色素沈着など、さまざまなタイプの色素異常による皮膚の色ムラを軽減することが示されています。

ロレアルグループの先端研究部門責任者であるアン・コロナは以下の通り、コメントいたします。

「世界の人々の約半数が皮膚の色素沈着の悩みを抱えており、3分の1がその結果QOL – 生活の質 の低下を経験しているという上記のレポート※1から明らかなように、目に見えるシミやニキビ後の色素沈着の解決はその人の生活において重要なことなのです」

本研究から得られた知見を今後の研究開発に活かし、Beauty for Each(一人ひとりのための美)の実現に向けてさらに邁進してまいります。

[注]

a) メラニン合成:メラニン合成は皮膚にある活性化された色素細胞(メラノサイト)中でチロシナーゼという酵素がアミノ酸の一種であるチロシンをDOPAに変換することによって開始されます。生成されたDOPAは酵素反応や化学反応によって一連の前駆体分子に変換され、それらが重合することによって着色したメラニンが生成されます。

b)前駆体:合成反応において、ある物質が生成される以前の段階で生ずる物質のこと。メラニンの前駆体としてはDOPA、DHICA、 DHIなどがあり、2-MNGはこれらの分子のキノン型に結合して、メラニン合成反応が進行するのを抑制します。

c)従来のメラニン合成阻害剤:メラニン合成の出発物質であるチロシンをDOPAに変換する酵素であるチロシナーゼの阻害剤が代表的なものです。その他、中間体に働く酵素の阻害剤、メラノサイトの活性化を促すホルモンであるαMSHの受容阻害剤、生成されたメラニンがケラチノサイトに移動する過程の阻害剤などがあります。

[出典]

1.ラロシュポゼ:“色素沈着異常症、有症率、QOLへの影響、社会的偏見:最初の世界的な調査” 34か国、48,000人に対する調査 (2022年10月―2023年2月)

2.Dabas, G., et al., “Psychological disturbances in patients with pigmentary disorders: a cross-sectional study”, 2020, 34 (2) 392-399

3.Sextius, P., et al., “2-Mercaptonicotinoylglycine, a new potent melanogenesis inhibitor, exhibits a unique mode of action while preserving melanocyte integrity”, Pigment Cell Melanoma Res. 2024;37, 

DOI: 10.1111/pcmr.13168 

4.de Dormael, D., et al., “2-Mercaptonicotinoyl glycine prevents UV-induced skin darkening and delayed tanning in healthy subjects: A randomized controlled clinical study”, J. Cosmet. Dermatol. 2024, 23, 1745–1752, DOI: 10.1111/jocd.16200

ロレアルグループについて

ロレアルは115年にわたり美容・化粧品業界のリーダーとして、世界の消費者の美への希求とニーズに応えることに専念してきました。当社のパーパス「世界をつき動かす美の創造」は、社会に対しても、環境に対しても、サステナブル、インクルーシブ、倫理的かつ寛大な形で美を通じて貢献してゆくという私たちの美への姿勢を包括的に表現するものです。37の国際ブランドを初めとする多様で幅広いブランドポートフォリオと、持続的発展と環境を守るための取り組みである「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」プログラムを通じ、美の無限の多様性を賛美し、世界のすべての人々に最高水準の品質、有効性、安全性、誠実さ、責任をお届けします。当社は、9万人を超える従業員を擁し、地理的にもバランスの取れた拠点展開と、すべての流通網(eコマース、マスマーケット、百貨店、薬局、美容室、ブランドおよび旅行小売)における販路を有しています。2023年のグループ売上高は411億8千万ユーロにのぼります。世界11ヵ国に20の研究開発と研究開発拠点を置き、4,000人以上の科学者と6,500人を超えるデジタル人財を擁するロレアルは、美の未来を創造し、ビューティーテクノロジーを推進してゆくことを重要視しています。詳細については、こちらをご参照ください。https://www.loreal.com/en/mediaroom

ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンについて

日本における研究開発は 1983 年にスタートし、現在、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(所在地:川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル)として、戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。数ある外資系化粧品企業においても、もっとも歴史ある研究開発部門であり、いち早く日本の文化、歴史、社会を深く理解し、200 名以上の研究員が、ラグジュアリーブランドをはじめ、グループの各ブランドおよび様々なカテゴリーの製品開発を行っています。代表的なブランドはランコム、シュウ ウエムラ、キールズ、イヴ・サンローラン、ケラスターゼ、ロレアル プロフェッショナル、メイベリン ニューヨーク、TAKAMIなど。

https://www.loreal.com/ja-jp/japan/articles/science-and-technology/beauty-research-and-innovation

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業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー
電話番号
-
代表者名
ジャン-ピエール・シャリトン
上場
未上場
資本金
-
設立
1996年07月
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