ヘラルボニー、国内最大級のギャラリー SMBCアース・ガーデンにて人間の「生」を体現する展覧会「ART IN YOU」を5/20(土)より開催
金沢21世紀美術館 黒澤浩美のキュレーションする異彩アーティスト総勢16名による展覧会
ヘラルボニーのアドバイザーである黒澤浩美氏(金沢21世紀美術館 チーフキュレーター)が手がける本展は、2022年に東京・大阪で開催した展覧会「The Colours!」に続く第二弾となり、国内最大級のギャラリー三井住友銀行東館 1F アース・ガーデンにて総勢16名の作家の作品が展示されます。
「ART IN YOU」特設サイト:https://store.heralbony.jp/pages/art-in-you
三井住友銀行東館 1Fアース・ガーデンは、天井高は9メートルを超え、床面積は約470平方メートル以上、「ギャラリー」としては国内最大級の空間です。ヘラルボニーがこの規模のギャラリーで展覧会を開くのは今回が初となり、大型の原画作品をご鑑賞いただけます。5月20日(土)の展覧会初日には、展示作品の鑑賞ツアーや作家のライブペインティングを開催、会期中にはそのほかの関連イベントを予定しています。
作家たちの従来の社会的な規範や慣習にとらわれない、一人ひとりのあるがままを体現した作品を通し、作家の生き方や考え方、そして新たな表現の可能性を感じていただく機会となることを願っています。
展覧会名:「ART IN YOU」
場所:三井住友銀行東館 1Fアースガーデン(住所:東京都千代田区丸の内1-3-2)
会期:2023年5月20日(土) 〜6月17日(土)
時間:平日 10:00~18:00、休日 13:00〜18:00
※ 5月20日(土)のみ11:00〜18:00
料金:入場無料
主催:株式会社ヘラルボニー
キュレーション:黒澤 浩美(ヘラルボニーアドバイザー/金沢21世紀美術館 チーフキュレーター)
施工:株式会社スーパー・ファクトリー
デザイン:6D
特設サイト:https://store.heralbony.jp/pages/art-in-you
展示会コンセプト
人間には、それぞれ様々な特性があります。長所/短所なども含めて、一人ひとりの個性の違いを「異彩」と捉えてユニークな表現を尊重する。ヘラルボニーはその独創性こそが大切と考え、障害のある人を差別してはいけないという社会的基準の選択ではなく、ただアーティストとして素晴らしいという、ごく当たり前の価値で選んだ人々の表現活動を応援しています。
いわゆる自分の考えや感情を何かの行動に置き換えることを広く「表現」と捉えれば、日常の中には様々な表現があります。料理をすること、鼻歌を歌うこと、ランニングすること、ぐっすり眠ることなど。そして、表現された言葉や態度に向き合うことで、私たちはその人が何を考え、何を言おうとしているのかを知ることになります。「描くこと/作ること」も表現の一つであり、作品を見ることで作家の気持ちや意思を受け取ることになるわけです。知的に障害がある人たちの作品には、理性や理論で説明づけられるのでない、「描くこと/作ること、すなわち生きること」を体現するような、作品を通して「ここに自分がいる」ことを発信しようという特徴があります。私たちが「作品を見る」とは、アーティストの表現への衝動に基づく純粋で生の芸術活動に立ち会うことにほかなりません。展覧会「ART IN YOU」は、アートとは作品のみを示すのでなく、立ち会うあなた自身が自分の中に作り出すものと考えます。そのメッセージをできるだけ広く遠くに飛ばしながら、あなたには作品を通して作家の生き方、考え方と交感してほしい。慣習的な芸術や文化の決まり文句に頼らずに「アートはあなたの中にある」ことを実感してもらえるものと思います。
ヘラルボニー アドバイザー
金沢21世紀美術館 チーフキュレーター
黒澤浩美
作家一覧
伊藤大貴(あいアイ美術館・埼玉)、井口直人(さふらん生活園・愛知)、内山.K (希望の園・三重)、大家美咲(やまなみ工房・滋賀)、鎌江一美(やまなみ工房・滋賀)、GAMON(一般社団法人 HAP・広島)、衣笠泰介(京都)、木村全彦(アトリエやっほぅ!!・京都) 、 国保幸宏(アトリエやっほぅ!!・京都) 、坂本大知(自然生クラブ・茨城)、志多伯逸(わかたけアート・沖縄)、高田祐(自然生クラブ・茨城)、早川拓馬(希望の園・三重)、藤田望人 (大分)、森啓輔 (希望の園・三重)山際正己(やまなみ工房・滋賀)
作家・作品紹介(※一部紹介、ヘラルボニー主催の展示で初起用の作家)
鎌江 一美 / KAZUMI KAMAE
1966年生まれ。滋賀県在住。1985年から『やまなみ工房』に所属。思いを人に伝えるのが苦手な彼女は、コミュニケーションのツールとして振り向いて欲しい人の立体を作り続けている。モデルはすべて思いを寄せる男性。最初に題材を決め、原形を整えると、その表面全てを細かい米粒状の陶土を丹念に埋め込んでいく。完成までに大きな作品では約2か月以上を要する事もあり、無数の粒は作品全体を覆い尽くし様々な形に変化を遂げていく。大好きな人に認めてほしい。今もなお、その思いが彼女の創作に向かう全てである。
坂本 大知 / DAICHI SAKAMOTO
作品「筑波山」
茨城県立美浦特別支援学校卒業後、2016年に自然生クラブに参加。温厚な性格でユーモアがあり、どんな仕事にも責任をもって取り組む。創作田楽舞では2019年の香港公演に参加。自由でのびやかな感性を持ち、太鼓を叩いたり、ダンスや歌を歌ったりする。絵画では「筆を滑らす動き」を重視し、ダンスと融合している印象を与える。形に着目し、何度も形をなぞって描き上げた「土偶」(2019)は、好評で、市役所の市長室控室に展示された。
山際 正己 / MASAMI YAMAGIWA
作品「正己地蔵」
1972年生まれ。滋賀県在住。1990年から『やまなみ工房』に所属 炊事、洗濯、部屋掃除に古紙回収、毎日彼が同じ時間、同じ流れで生活する中のひとつに創作活動がある。入所当初は、学校時代に学んだ皿や器等しか作ることのできなかった彼が、様々な体験や共に過ごす仲間からの影響を受け、次第に作品も個性豊かな立体造形へと進化していった。彼の真面目で実直な性格は作風にも表れ、同じ形の物を止めることなく、まるで流れ作業のように量産して作りつづけることができる。彼の代表的な作品「正己地蔵」もこれまで20年以上変わることなく制作され、何十万体を超える作品は、彼の生き様そのものなのである。
志多伯 逸 / SUGURU SHITAHAKU
作品「エスカレーター」
宜野湾市在住。彼の主題は、学生時代から花火とエスカレーター。自分の想像によってつくり出したもので、実在するものはほとんどない。自分の考えた架空の設定を、人に説明するのも楽しみのひとつ。主に鉛筆で描き、ペンや絵の具を準備しても手を出さない。花火の絵は白い画用紙に鉛筆で描いたが、高校生の頃、美術教師のアドバイスで今のスタイルに変わった。一見まったく違う画風にみえるが、いずれの作品も、飽くことなく幾重にも線を重ねたドローイング(線描)で、そのことが作品の強度を生み出している。現在も、わかたけの創作活動では、もっぱらエスカレーターを、自宅では花火とエスカレーターを描きつづけている。その作品数は膨大な数になる。
関連イベント
【オープニング・イベント】
①アートクルーズ[手話通訳あり]
ヘラルボニーの両代表、松田 崇弥・松田 文登によるギャラリートークを開催。出展作家のストーリーや作品の魅力について語りながら展覧会を巡ります。
日時:5月20日(土)11:30-12:00
会場:三井住友銀行東館 1Fアースガーデン
ガイド:ヘラルボニー松田崇弥、松田文登
参加費:無料
②オープニング・トーク「アートをコレクションする魅力とは」[手話通訳あり]
展覧会「ART IN YOU」オープニング・トークとして、本展キュレーター黒澤浩美とヘラルボニー両代表 松田崇弥、松田文登が、日本を代表するアーティストを輩出し、現在もアートマーケットの第一線で活躍する小山登美夫氏(小山登美夫ギャラリー代表)をゲストにお迎えし、スペシャルトークをお届けします。
日時:2023年5月20日(土)13:00-14:00(受付開始 12:45)
会場:三井住友銀行東館 1Fアースガーデン
入場:無料
定員:40名(事前申込制/席あり)
情報保障:手話通訳
https://heralbony-artinyou-openingtalk.peatix.com
③ライブペインティング[手話通訳あり]
三重県の福祉施設・希望の園に在籍する作家・内山.K/早川拓馬/森啓輔の3名によるライブペインティングを実施。ヘラルボニー松田文登、施設長・村林真哉氏による解説トークと共にお届けします。
日時:2023年5月20日(土)14:30-15:30
会場:三井住友銀行東館 1Fアースガーデン
入場:無料(事前申込不要)
【会期中イベント】
6/3(土)公開アート制作
やまなみ工房に在籍する作家、大家美咲、鎌江一美の2名による公開アート制作。やまなみ工房・施設長 山下完和氏、ヘラルボニー・榧森千愛による解説トーク付きでお届けします。
日時:2023年6月3日(土)13:30-14:30 / 15:30-16:30
会場:三井住友銀行東館 1Fアースガーデン
参加費:無料
アートクルーズ(毎週土日 14:00-14:30)
ヘラルボニースタッフによるギャラリートークを開催。
出展作家のストーリーや作品の魅力について語りながら展覧会を巡ります。
日時:毎週土日14:00-14:30
会場:三井住友銀行東館 1Fアースガーデン
参加:無料(予約不要)
関連イベントの詳細はこちら:https://store.heralbony.jp/pages/art-in-you
ヘラルボニー代表コメント
代表取締役社長 松田 崇弥
代表取締役副社長 松田 文登
ヘラルボニーがある、生活。あなたの生きる世界は1ミリも便利にならないないでしょう。むしろ思考は細分化され、便利な世界とは逆行するかもしれません。あなたの生きる世界のハードも変化は起きていないでしょう。でも、あなたやあなたの周りの人たちのハートに変化は起きているかもしれません。私たちが開拓するのは「市場」ではなく「思想」。私たちが届けるのは「アート」ではなく「ハート」。この世界を隔てる、先入観や常識という名のボーダーを超える、仲間になってください。
キュレーターコメント
ヘラルボニー アドバイザー/
金沢21世紀美術館 チーフキュレーター 黒澤 浩美
このところ、美術作品を見てロジカルでクリティカルな思考を身につけよう!という鑑賞アプローチが広まっています。それは、日頃から物事を注意深く観察し、総合的に他者とコミュニケーションを図ることで、あなたが自身の中に自分なりの意味生成を可能にするか、正解のないアートの世界で繰り返し行う試みです。ゴールは作品を通して、あなた自身がイノヴェーティブになること。作家や作品との対話を通して、ぜひ新しい視点を獲得してください!
【株式会社ヘラルボニー概要】
ヘラルボニーは「異彩を、 放て。」をミッションに掲げる、福祉実験ユニットです。
国内外の主に知的な障害のある福祉施設、作家と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営や、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開しています。これらの社会実装を通じて「障害」のイメージ変容と、福祉を起点とした新たな文化の創造を目指します。社名である「ヘラルボニー」は、知的障害のある両代表の兄・松⽥翔太が7歳の頃⾃由帳に記した謎の⾔葉です。「⼀⾒意味がないと思われるものを世の中に新しい価値として創出したい」という意味を込めています。
会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38
代表者:代表取締役社長 松田 崇弥、代表取締役副社長 松田 文登
公式サイト:
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