現場帳票デジタル化の成否を分ける5観点、導入前に知っているかどうかが決定的な差に。

300社超えの実レビュー分析で判明──現場DXの成功企業が重視する5つの観点を定量データとともに公開。アナログ回帰69.6%の現実を打破する実践的知見

株式会社シムトップス

2025年10月29日 11時00分

株式会社シムトップス(本社:東京都品川区、代表取締役:水野貴司)は、国内シェアNo.1の現場帳票システム「i-Reporter」の利用企業335社のレビューを分析し、現場帳票デジタル化で「導入前に知っているかどうか」が成功・失敗を決定的に分ける5つの重要観点を特定しました。

本レポートでは、実際のお客様の声とともに、定量データに基づく具体的な成功法則を公開します。

今後、現場帳票デジタル化を検討する日本全国の企業にとっての必読レポートとなることが期待されます。

■ 背景:「わかっているのに変えられない」現場帳票DXの構造的な課題

製造業を中心に、現場帳票のデジタル化は喫緊の経営課題となっています。

しかし実態は深刻で、製造業の現場帳票管理におけるアナログ管理比率は2022年の63.7%から2025年には69.6%へと増加し、「アナログ回帰」現象が発生しています。

導入後に「現場の抵抗」「想定外のコスト」「期待した効果が出ない」といった課題に直面し、紙・Excelに逆戻りするケースが後を絶ちません。

この失敗の背景には、【導入前の情報不足】という課題があります。シムトップスが実施した製造業現場責任者111名への調査では、以下の実態が明らかになりました

・4割超が「現場帳票デジタル化の方式の違い」を理解せずに選定
・約半数が想定外のギャップに直面
・約9割が「違う方式にすればよかった」と導入後に後悔

この課題を受け、シムトップスはITreviewに寄せられた300社を超える実際のお客様レビューを分析した結果、【5つの重要観点】が、導入後の成功・失敗を決定的に分けることが明確になりました。

（出典）
【2025年版調査】製造業の現場帳票に関する実態調査：
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000174.000074154.html
現場帳票デジタル化の方式選定に関する実態調査：
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000212.000074154.html

■ 判明した「5つの重要観点」

本レポートでは、現場帳票デジタル化で「知らないと後悔する」以下の5つの観点を、実際のお客様の声とともに詳述しています。

① どこで効果が出るのか、何を測定すべきか

② DX担当者と現場がスムーズに連携できるか

③ 導入コストを下げる支援があるか

④ 既存システムと繋いでデータ活用できるか

⑤ 現場カイゼンの仲間とつながれるか

観点1：どこで効果が出るのか、何を測定すべきか

デジタル化で効果が出ることは前提として、【どの領域で大きな効果が出るか】を知ることが重要です。分析の結果、以下の3領域で特に大きな効果が報告されていることが判明しました:

・二重入力・転記作業の排除: 約117社(35%)が効果を報告

・検索・保管時間の削減: 約144社(43%)が効果を報告

・リアルタイム可視化による業務改善: 約112社(33%)が効果を報告

【業種別デジタル化実績】

▼自動車・輸送機器

日報 / 不良報告 / 改善提案 / 在庫集計表 / 品質管理帳票 / 点検表 / 作業記録

▼電気・電子機器

品質チェックシート / 生産日報 / 検査記録 / 作業チェックシート / 部品入出庫表 / 設備稼働チェックシート / 製造設備レシピ設定 / 出荷検査表

▼食料品・飲料

モニタリング日報 / 工場点検表 / 工場監査表 / 異物検出器動作確認記録 / 体調チェック

▼精密機械

検査記録 / 作業チェックシート / 製品製造記録 / 検査データ測定表 / 品質チェックシート

▼化学・素材

受入伝票 / 設備点検表 / 標準書 / 持出し返却記入表 / 保管場所検索帳票

▼一般機械

検査成績書 / 作業記録 / 点検記録 / 日報

▼プラスチック製品

成形日報 / 加工作業日報 / 実棚数入力(棚卸) / 品質管理表 / 生産記録

▼その他製造業

設備保全記録 / 品質検査記録 / 設備点検 / 品質管理表 / 測定データ入力 / 作業指示書 / 入庫依頼書 / 製造記録

▼運輸・物流

安全パトロールチェックシート / 配送記録 / 在庫管理表 / 生産日報 / 入出庫管理

【実際のお客様の声】

「資材受入時の納品確認データ入力(データ:i-Reporter→基幹システム)転記時間約45分→0分、紙の出力5~10枚→0枚、雨の日の紙のヘタレ無し。サンプル缶の保管場所検索:保管場所を『空いている場所』としており、保管者にゆだねられていたため必要時の捜索に30分~2時間かかっていた→検索から発見までが5分で完了する仕組みができた」

出典: 油脂加工・洗剤・塗料｜300-1000人未満(評価★5.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/213555

「デジタルデータになったことで日誌を串刺ししての推移管理が可能となり、管理精度向上、効率化が実現。現場担当者による入力ミスも低減。また、問題発生時などに必要だった日誌からデジタルへの転記作業なども不要となったことで、作業員側からも好評。業務負荷低減として、現状まだ数帳票のみの対応で月10時間程度の削減効果が出ています。」

出典: 鉄・金属｜100-300人未満(評価★4.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/196098

「誰もがこれまでの紙面と同じようにタブレットで直感的に操作できる点が優れている。ユーザー登録、監査証跡など規制に適合する機能を有しており、医薬・医療の分野でも活用できるシステムである。QMS監査でも電子帳票についてバリデーションも問題ないとの判断を受けたことで現在も活用できている。」

出典: その他製造業｜1000人以上(評価★4.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/203372

観点2：DX担当者と現場がスムーズに連携できるか

【73%にあたる約244社がExcel活用や現場の受け入れやすさ】に言及しており、これが最も多くの企業が重視するポイントとなっています。

デジタル化を成功させる鍵は、DX推進担当者と現場作業者が「抵抗なくコミュニケーションを取りながら改善できる環境」があるかどうかです。

成功企業に共通する特徴は【既存の帳票レイアウトをそのまま使える】こと。見慣れた帳票をベースにするため、現場とのコミュニケーションが取りやすく、情報システム部門だけでなくエンドユーザー自身が帳票を作成・修正できる環境が整っています。

【実際のお客様の声】

「Excelのフォーマットをそのまま電子化できるため、従来の紙帳票と同じ感覚で現場に導入でき、従業員の抵抗や不安も少なくスムーズに運用を開始できました。特に、デジタルに慣れていない従業員でも直感的に操作できる点が好評で、タップするだけで時間を記録できたり、選択肢が自動表示されることで、紙への手書きよりも大幅な時短につながっています。」

出典: 食料品｜1000人以上(評価★5.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/203563

「エクセルを修正するだけで入力画面を構築できることはエンドユーザーでも対応することができる仕組みであり、情報システムメンバーだけしか対応できないということがなくスピーディーに作業を実施することが可能でした。エクセルベースで帳票作成を実現することが可能なためエンドユーザでも対応が可能となる点は非常に有利であると感じています。」

出典: 電気・電子機器｜300-1000人未満(評価★5.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/207545

観点3：導入コストを下げる支援があるか

【29%にあたる約97社がサポート体制や講習・研修の重要性】を指摘しています。

「導入したものの使いこなせない」「社内にスキルがない」。

こうした課題を解決するには、メーカーがどれだけ導入支援の仕組みを用意しているかが重要です。

▼成功企業が活用している支援体制

・無償トライアルを使ったフィット&ギャップ: 現場帳票システムの試験導入

・無償講習: 全国各地で開催されるメーカー主催の技術講習

・販社の技術サポート: パートナー企業による技術支援

これらの支援を活用することで、導入時の学習コストを大幅に削減し、スムーズな運用開始が可能になっています。

【実際のお客様の声】

「販社となるパートナー企業から技術的サポートを受けられたりしてスムーズに運用スタートができていたようです。メーカーの無償講習を近場で受けられたこともあり、自分が担当になっても問題なく運用できるのはありがたいです。」

出典: その他製造業｜300-1000人未満(評価★4.5)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/213773

「セミナー・講習会が充実している。『i-Reporter講習会 Video Class』は、いつでも、好きな時に何度でも、無料で受講できる。また、わかりやすい。オンラインのハンズオンセミナーも、ほとんど待たずに、受講できる。テクニカルサポートが親切で、しかもレスポンスが早く、助かる。レスポンスも2~3営業日以内にはいただけるので、助かる。」

出典: 設備(建設・建築)｜300-1000人未満(評価★4.5)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/107796

「Webのマニュアル、サポート、講習会が大変充実している。機能は大変充実していて、まだ使いこなせていませんが、講習会を受講して、Web上のマニュアルをダウンロードして参照すれば、大抵の機能を使用出来る様になります。困った時はサポートに問合せしますが、回答も迅速です。」

出典: 一般機械｜1000人以上(評価★5.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/153251

観点4：既存システムと繋いでデータ活用できるか

【46%にあたる約154社が外部システム連携やデータ活用機能】に言及しており、デジタル化の次のステップとして重視されています。

成功企業は「電子化して終わり」ではなく、既存の基幹システムやBIツール、外部データベースとの連携を実現し、データ活用による真の価値創出を達成しています。

▼連携による具体的な効果

・BIツール連携：リアルタイムでの進捗可視化、処理漏れの即時検知

・基幹システム連携：多重作成ミスの撲滅、自動データ連携

・外部DB・kintone連携：品質トレーサビリティ、データ統合管理

【実際のお客様の声】

「従来は紙の帳票に製品型番や外形図を手書きしており、記入ミスや処理忘れ、情報共有の遅れが課題でした。MotionBoardとの連携により、帳票データがリアルタイムに可視化され、進捗状況の把握や処理漏れの防止にも役立っています。注文書の承認忘れや処理遅れにすぐ気付けるようになり、業務の抜け漏れが大幅に減少しました。」

出典: 電気・電子機器｜1000人以上(評価★5.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/214976

「帳票定義を呼び出す工夫をたくさんしてきたが、同じ指図で2つ以上の入力帳票を作るミスなどが発生していた。GATEWAYを使って基幹システムと連携し、予め入力帳票を作成しておくことができる。これにより、作業者は一意のデータを使って入力帳票を呼び出すことができるため、多重作成のミスを無くすことができた。」

出典: その他製造業｜1000人以上(評価★4.5)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/164607

「ConMas Gateway を使って『帳票データの加工』『連携用のCSV作成』を自動化しています。帳票上のボタンを押す事でPythonを呼び出し、他のDBとの入出力インターフェイスとして使用しています。入力制限や選択肢など基本的な機能はもちろん、写真をkintoneへ登録する際は画像クラスターの設定で解像度の指定を行う事で容量の最適化が出来る等、いろいろと便利に使っています。」

出典: 自動車・輸送機器｜300-1000人未満(評価★4.5)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/213915

観点5：現場カイゼンの仲間とつながれるか

現場DXの推進は多くの企業において潤沢なリソースやナレッジを持たない状況で進められることも多く、孤独な戦いになりがちです。しかし、同じ課題に取り組む仲間と情報交換できる環境があるかどうかが、継続的な改善活動の成否を分けます。

i-Reporterには【現場帳票カイゼン部】というユーザーコミュニティがあり、以下のような支援を受けることができます。

・ユーザー同士で教え合える: 基本的な設定から複雑な機能まで、経験豊富なユーザーが支援

・実践的な質問・回答の蓄積: コミュニティの過去の質問・回答を見るだけでも学びが得られる

・ユーザー以外も参加可能: 導入前の検討段階からコミュニティを活用できる

コミュニティの存在により、様々な疑問や課題を、迅速に解決することが可能になっています。

【実際のお客様の声】

「様々な業界の記録の電子化をしてきたからこそ、様々なタイプの問題を解決してきた機能が満載にあるアプリだと思います。機能が多いため、どの組み合わせがBESTかは勉強しながら試しながらの模索は必要となります。この組合わせも『現場帳票カイゼン部』というコミュニティを使うことで、ユーザー同士で教え合うなどの場もあるため、かなり早く解決することが多くあります。コミュニティはユーザーでなくても参加できると思います。質問と回答を見るだけでもi-Reporterがどんなことができるアプリなのかを知ることができます。」

出典: 精密機械｜1000人以上(評価★5.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/223206

「メーカーの無償講習を近場で受けられたこともあり、自分が担当になっても問題なく運用できるのはありがたいです。最近は現場帳票カイゼン部なるサイトも利用でき、お困りごとを相談しやすくなりました。」

出典: その他製造業｜300-1000人未満(評価★4.5)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/213773

「自由度の高いソフトなのでやりたいことを考えて実行していける人に特におすすめします。現場帳票カイゼン部というコミュニティもあるのでそこでいろんなことを聞けますので分からないことがあったらそこで聞くこともできます。」

出典: その他製造業｜300-1000人未満(評価★4.0)

レビュー詳細: https://www.itreview.jp/products/i-reporter/reviews/210266

■ 本レポート公開の背景

シムトップス企画・マーケティンググループチームリーダー前川泰宏

「まず、i-Reporterに関する貴重なレビューをお寄せいただいた300社を超えるお客様に、心より御礼申し上げます。皆様が現場で実際に感じられた成功体験や課題、率直なご意見をお寄せいただいたことで、今回のレポートを作成することができました。

特に注目すべきは、これらのレビューに記載された『現場で本当に必要とされている視点』が、今後現場帳票のデジタル化や現場DXを推進しようと考えている多くの企業様にとって、極めて大きな意味を持つということです。一社の経験が、次の一社の成功を後押しする。このような知見の循環こそが、日本企業全体のDX推進を加速させると信じています。

また、レビューの中には、i-Reporterに対する改善要望も多数いただいております。こうしたご意見は、製品をより良くするための貴重な指針であり、真摯に受け止め、今後の開発に活かしてまいります。