ジールス、準国産ヒューマノイド「D1」を病院へ初投入。5つの院内業務を検証完了。

人との接触・転倒ゼロで実証を完了。案内・運搬・配茶補助・下膳補助・体操進行を検証完了。

ZEALS

株式会社ZEALS(所在地:東京都目黒区、代表取締役:清水正大、以下「ジールス」)は、株式会社シーユーシー(以下「CUC」)の協力のもと、医療法人桂名会 重工大須病院において、2026年8月26日(水)から28日(金)までの3日間、“準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」を用いた実証実験(PoC)を実施しました。

本実証では、①来院者の案内、②軽量物運搬、③配茶機を用いたお茶の準備、④下膳補助、⑤体操進行、の5つの院内業務を検証しました。

実証にあたっては、病院内の安全を最優先に、稼働するエリアと時間帯を設定しました。ジールスのロボットエンジニアが常駐し、必要に応じて遠隔操作や緊急停止へ切り替えられる体制を整えたうえで、通行者や車椅子、医療従事者の動線を確認しながら検証を進めました。

3日間を通じて所定の検証項目を完遂し、人との接触およびD1の転倒をゼロで終えることができました。今回の実証により、安全性を確保した運用体制のもと、D1が実際の病院環境で人と同じ空間を移動し、複数の周辺業務を担える可能性を確認しました。

ジールスは、今回得られた現実世界データと現場からのフィードバックをもとに、安全性と信頼性を継続的に検証しながら、D1の自律性、機能品質、現場適応力を段階的に向上させていきます。

D1サイト:https://www.omakaserobotics.ai

1.実証実験の背景

医療現場では慢性的な人手不足が続く中、看護師や医療スタッフ、事務職員が、患者ケアや専門業務に加えて、来院者への案内、院内書類や物品の運搬、配茶、下膳、見回りなど、多くの周辺業務を担っています。

こうした業務は日常的に繰り返し発生し、医療従事者に身体的・時間的な負担をもたらします。医療の質を維持しながら現場の負荷を軽減するためには、周辺業務の一部をテクノロジーで支援し、医療従事者が患者ケアや専門的な判断に集中できる環境をつくることが重要です。

ジールスはこれまで、ヒューマノイドロボットの医療現場への適応可能性を検証してきました。

2026年3月には、筑波大学附属病院において、市販のヒューマノイドロボット「Unitree G1」に、ヒューマノイド向けの統合ソフトウェア群「Omakase OS」を搭載した実証実験を実施しました。同実証では、病院内における自律二足歩行、障害物回避、会話による道案内、運搬業務、異常検知を検証し、人との接触およびロボットの転倒を発生させることなく、所定の検証項目を完遂しました。

詳しくはこちらのリリースをご確認ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000190.000019209.html 

また、2026年6月には、双腕モバイルマニピュレーター「Galaxea R1 Pro」を用いて、軽量物品搬送と採血準備における物品の認識・保持・配置を検証しました。双腕による業務の実施に向けてマニピュレーション知能基盤「Omakase Zen」を開発し、OSに加えてAIモデルへと取り組みを拡げ、実証事件に取り組みました。

そして今回、これまで取り組んできたOSとAIモデルに加えて、ハードウェアまで開発し実証実験に取り組みました。それがジールスが日本の狭い屋内環境で働くことを想定して開発したヒューマノイド「D1」です。今回そのD1を、初めて実際の医療現場にて検証しました。

これまでの検証で蓄積した技術や知見をD1に統合し、会話、認識、自律ナビゲーションに加え、双腕による実際のマニピュレーション業務を通じて看護師や看護補助師の業務オペレーションへの適応可能性を検証しました。

2.実証実験の概要

実施期間: 2026年8月26日(水)~28日(金)
実施場所: 医療法人桂名会 重工大須病院
使用機体: “準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」
実施主体: 株式会社ZEALS
協力: 株式会社CUC、医療法人桂名会 重工大須病院

本実証では、病院内の実際の動線や設備、業務オペレーションを踏まえ、安全を確保したエリアと時間帯を設定したうえで、5つの院内業務を検証しました。

1日目はD1の搬入、ネットワーク接続、院内マップの作成、ナビゲーション調整、案内タスクの事前テストを実施しました。2日目は案内、軽量物運搬、下膳、配茶機操作の各タスクを個別に検証し、3日目に各タスクの最終検証とデータ収集を行いました。

実施にあたっては、重工大須病院内の所定の手続きを経たうえで、患者が関わる場面については事前に説明し、同意を得た方のみを対象としました。撮影した画像・映像についても、同意を得た範囲で使用しています。

実証中はジールスのロボットエンジニアが常駐し、必要に応じて遠隔操作へ切り替えられる体制と緊急停止手段を用意しました。また、病院内の通行状況や急患動線を確認しながら稼働エリアを調整し、医療現場の安全と通常業務を最優先に検証を進めました。

3日間を通じて所定の検証項目をすべて完遂し、人との接触およびD1の転倒はいずれもゼロで実証を終えることができました。

3.主な検証内容と結果

① 健診センターにおける来院者の案内

健診センターで来院者を案内するD1

1階ロビー、受付エリア、健診センターにおいて、次に受診する検査室などへの行き方に迷っている来院者を案内しました。重工大須病院ではいくつかの検診が別の階や館で行われるため、受診者が迷う場合があり、都度現場のスタッフが対応しています。その工数を軽減する目的でD1が案内業務を検証しました。

D1は、来院者との会話を通じて行き先を確認し、リアルタイムのカメラやセンサーデータをもとに、周囲の人や障害物を認識しながら、目的地付近まで来院者を案内しました。

実際の病院内には、来院者や医療スタッフに加えて、車椅子や松葉杖を使用する方など、さまざまな移動者が存在します。本実証では、健診センターの中にD1の待機場所を設け、通常業務の妨げにならないよう運用したうえで、実際の院内動線における会話・案内・移動の適応可能性を確認しました。

主な検証項目

  • 健診センター周辺における来院者への案内

  • 話しかけられた言語に応じた応答

  • 会話を通じた目的地の確認

  • 目的地付近までの移動

  • 通行者や障害物が存在する環境での移動

検証結果:人との接触や転倒などのトラブルなく、所定の案内および移動プロセスをすべて正常に完遂。


② 診察室・健診センター・地域連携福祉相談室への軽量物運搬

院内書類などを運搬するD1

スタッフからの指示を受け診療室・総合健診センター・地域連携福祉相談室それぞれの場所から場所へ、院内書類などの軽量物運搬しました。診察室・検診センター・相談室それぞれへの書類の運搬は日々発生している業務であり、工数削減を目的にD1が運搬業務を検証しました。

D1は言葉による指示を認識し、指定された場所まで移動しました。単に目的地まで移動するだけでなく、運搬する物品を保持し、指定された場所に届ける一連の動作を検証しました。

主な検証項目

  • 言葉による運搬指示の認識

  • 診察室・健診センター・地域連携福祉相談室間の移動

  • 院内書類などの軽量物の保持・運搬

  • 指定された場所または担当者への受け渡し

  • 案内と軽量物運搬を組み合わせた業務遂行

検証結果:音声指示の認識から目的地への自律移動、物品の受け渡しまで、一連の運搬業務をすべて正常に完遂。

③ 配茶機を用いたお茶の準備

配茶機を操作するD1

病棟内のデイルームに設置された配茶機を使用し、とろみの有無や濃度の指定に応じて、お茶を準備する一連の動作を検証しました。患者ごとに適切なとろみの調整や準備には工数がかかっており、業務負荷の軽減を目的に、D1による配茶機操作の検証を行いました。

実証では、操作パネルに表示された「とろみなし・薄い・中間・濃い」などの文字の読み取り、音声による指示の聞き取りという3つの方法で、指定内容に応じたボタンの選択・操作を試行しました。

本項目は、視覚・音声による指示の認識と、双腕による細かな位置決めや機器操作を組み合わせるため、遠隔操作を併用して実施しました。同時に、将来的な自律化に向けて、ボタン操作に関する動作データを取得しました。

主な検証項目

  • 表示された文字を読み取ったボタンの選択・操作

  • 音声指示に応じたボタンの選択・操作

  • 操作完了の音声通知

検証結果:所定の工程を完遂し、自律精度向上に向けた現場データを収集

④ 下膳補助

下膳トレーを把持するD1

下膳業務の支援を想定し、食後のトレーの回収から下膳車への積み込みまで、一連の動作を検証しました。病院内では配膳のみならず下膳業務、特に残飯量の確認と記録に工数がかかっています。業務負荷の軽減を目的に、D1による下膳補助業務として、食後のトレーの回収から下膳車への積み込みまで、一連の動作を検証しました。

D1は食器が載ったトレーを把持し、水平に保持した状態で下膳車まで移動しました。移動後は、トレーを下膳車へ載せる動作を試行しました。

あわせて、カメラとマルチモーダルAIを活用し、主食、副菜など、トレー上の食事の残量を確認する機能を検証しました。食事の摂取状況の認識・判断や、医療スタッフによる確認・記録業務の支援への活用を目指します。

本項目は、食器が載ったトレーの把持、水平保持、下膳車への積み込みに高い精度が求められるため、遠隔操作を併用して安全対策を講じたうえで検証しました。

主な検証項目

  • 食器が載ったトレーの回収

  • トレーを水平に保持した状態での移動

  • 下膳車へのトレーの積み込み

  • マルチモーダルAIによる食事残量の確認

検証結果:所定の工程を完遂し、自律精度向上に向けた現場データを収集


⑤ 体操進行

レクリエーションを進行するD1

患者のレクリエーション支援を想定し、D1が患者と一緒に体操を行う一連の動作を検証しました。病棟における体操やレクリエーションは看護師や看護補助士が担う業務の一つであり、業務負荷の軽減を目的に、D1による体操進行の検証を行いました。

D1は、腕や身体を動かしながら複数の体操動作を実施し、患者がD1の動きも見ながら一緒に体操を行いました。患者に合わせて、動作の速度や大きさを調整しながら、一連の体操を実施しました。

将来的には、病棟やデイルームなどにおけるレクリエーションの充実や、医療スタッフによる体操・レクリエーション実施業務の負担軽減への活用を目指します。

本項目は、患者と適切な距離を確保し、患者への直接的な身体接触を伴わない範囲で、安全対策を講じたうえで検証しました。

主な検証項目

  • 腕や身体を用いた体操動作の実施

  • 患者が模倣しやすい動作速度・大きさの検証

  • 複数の体操動作の連続実施

  • 患者と一緒に行うレクリエーションとしての実施可能性

検証結果:患者と一緒に所定の体操動作を実施し、レクリエーション支援への活用可能性を確認

4.実証実験で得られた成果と展望

今回の実証により、D1が実際の病院環境において、受付・案内、軽量物運搬、配茶、下膳、体操進行という、性質の異なる5つの院内業務に対応できる可能性を確認しました。

受付・案内および軽量物運搬では、音声による指示、リアルタイムのカメラやセンサーデータをもとに、周囲の人や障害物を認識しながら、案内業務を検証しました。周囲の人や障害物を認識しながら目的地まで移動し、案内や運搬を実施できたことは、D1の社会実装に向けた重要な成果です。

配茶・下膳では、ボタン操作、トレーの把持・運搬、下膳車への積み込みなど、双腕を用いた複数の動作を検証しました。院内設備や実際に使用されている物品を対象とすることで、研究施設や開発環境だけでは得られない現実世界データを収集しました。

一方、双腕を使用する業務については、対象物に応じた把持位置の調整、力加減、機器操作の再現性、安全性など、実用化に向けて精度を高める必要があります。

今回取得した現場データも含め、今後も現場データを収集し、自社のモデル学習、評価、改善に活用し、配茶・下膳をはじめ、マニピュレーションを必要とするタスクの自律性と精度を段階的に高めていきます。

また、医療従事者からは、「働き手が少なくなる中で、医療従事者でなくても担える業務は、他の担い手に任せていきたい」とのフィードバックをいただきました。こうした現場の声に応えるべく、D1の機能改善や今後の運用設計に反映していきます。

今回のPoCは、D1の技術的な成立性を確認するだけでなく、医療現場においてヒューマノイドが担える業務と、実用化に向けて解決すべき課題を具体化する、社会実装に向けた重要な一歩となりました。

重工大須病院 黒河内院長 コメント

重工大須病院 黒河内院長とジールスCEO・清水

「生産年齢人口が減少する中、病院はすでに慢性的な人手不足に陥っており、今後さらに深刻になっていくことが見込まれます。だからこそ、ロボットを活用して人手不足を補っていくことは、これから絶対に必要になると考えています。

医療従事者の仕事をロボットに奪ってほしいわけではありません。私たちの人手不足を補い、その分、医療従事者がより患者さんの近くで働き、患者さんに満足していただくための努力に時間を使えるようになれば、最高だと思っています。

ロボットそのものの安全性はもちろん重要ですが、人手不足を補うことで、病院全体の医療安全も向上すると考えています。こうしたロボットの活用は、病院の付加価値向上にもつながる可能性があると感じています。重工大須病院としても、今後のロボット開発に積極的に参加していきたいと考えています。」

医療法人桂名会 重工大須病院
院長 黒河内 和俊

■“準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」について

D1は、日本の屋内空間で人と共存し、具体的な業務を担うことを目的に開発された“準国産”コンパクトヒューマノイドです。

世界水準の技術や部品を取り入れながら、AI、ソフトウェア、制御、組立、日本の現場に合わせた導入・運用をジールスが国内主導で進めています。

全高約129.3cm、走行ベース幅約48cmのコンパクト設計を採用。AIによる自然な対話、受付・案内、自律ナビゲーション、障害物回避、多言語対応に加え、双腕による物品準備、運搬、物品の受け渡しなど、身体性を伴う業務支援への展開を進めています。

価格は1体500万円からを予定し、2026年8月5日より導入相談および販売の受付を開始しています。

■D1サイト:https://www.omakaserobotics.ai

■医療法人桂名会 重工大須病院について

重工大須病院は、名古屋市中区において、外来、入院、健診、検査、リハビリテーションなど幅広い医療を提供しています。

2024年1月、重工記念病院と大須病院を統合し、重工大須病院として運営を開始しました。急性期医療から回復期リハビリテーションまでを担う地域の中核病院として、24時間365日の救急医療にも対応しています。

事業主体:医療法人桂名会
病院名:重工大須病院
所在地:愛知県名古屋市中区松原二丁目17番5号
病床数:250床
HP:https://juko-osu-hp.jp/

■株式会社CUCの会社概要

会社名:株式会社CUC
設立:2014年8月8日
所在地:東京都港区芝浦三丁目1番1号 msb Tamachi 田町ステーションタワーN 15階
代表者:代表取締役 濵口慶太
事業内容:医療機関向け経営支援、ホスピス事業、居宅訪問看護事業等
HP:https://www.cuc-jpn.com/

■株式会社ZEALSの会社概要

会社名:株式会社ZEALS(ジールス)
設立:2014年4月1日
資本金:1億円
所在地:東京都目黒区下目黒一丁目8番1号 アルコタワー6階
代表者:代表取締役 清水正大
事業内容:Omakase AI、Omakase OS、ZEALS AI Agent等の開発・提供
HP:https://zeals.ai/jp/
D1サイト:https://www.omakaserobotics.ai

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社ZEALS

41フォロワー

RSS
URL
http://zeals.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー6F
電話番号
03-5719-2133
代表者名
清水正大
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2014年04月