【調査報告】迫る!2024年問題 ビジネスパーソンの「残業」に関する意識調査 残業を「したくない」77.8% 手当が出ても「したくない」62.5%  残業しない意識が主流

一方で半数弱が「残業を強要された 64.6%が「勤務先は対策不足」 根本的な見直しが必要

株式会社ワークポート

総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:林 徹郎)は全国のビジネスパーソン631人(20代~40代・男女)を対象に、「残業に関する意識」についてアンケート調査を実施しました

【残業の実態】月平均1~5時間が最多 次いで0時間 負担が増える原因は人手不足などでの残業常態化

 このところ2024年問題が話題です。物流業界に限らず社会的に時間外労働への注目が高まっていますが、中でもとくに「残業」に関して、現代のビジネスパーソンはどのような意識を持っているのか調査してみました。

 はじめに、対象者全員に1ヵ月の平均残業時間はどれぐらいか聞いたところ、「1~5時間」が16.8%で最多となりました次いで、「0時間(残業なし)」(13.8%)、「16~20時間」(11.9%)の順でした。なお、その残業量をどう捉えているかも併せて質問したところ、月平均10時間以下だと「残業が少ない」、26時間以上だと「残業が多い」と感じる人が多い傾向がありました。

 残業があるとした人にどのような理由で残業をしているか聞いたところ、残業が「少ない」と感じている人からは「突発的な業務の処理のため」(30代・女性・事務)、「顧客対応が長引く場合があるため」(20代・男性・コールセンター)といったイレギュラーな事象が多く挙がりました。反対に残業が「多い」と感じている人からは「仕事量に対して人が足りないため」(30代・男性・建築土木)、「日々のルーティンワークをするため」(30代・男性・運輸交通)、「それが当たり前になっているから」(20代・男性・営業)など、常態的に残業が必要になっていることがうかがえる意見が多く寄せられました。

▼残業が少ないと感じている人の残業理由(一部抜粋)

「不具合対応や他部署からの緊急対応のため」(40代・男性・製造)

「電話応対に時間を取られて就業時間中に業務が終わらない場合があるため」(40代・女性・事務)

「キリのよいところまで業務をするため」(40代・男性・システムエンジニア)

「月次の請求業務のため」(20代・女性・医療福祉介護) …など

▼残業が多いと感じている人の残業理由(一部抜粋)

「残業前提の業務量になっているため」(20代・男性・システムエンジニア)

「制作数のノルマを達成するため」(30代・女性・クリエイター)

「日中は運転をしており、たまる事務仕事をするため」(40代・男性・運輸交通)

「責任者ゆえ全業務終了まで退勤できないため」(40代・女性・接客販売)

「残業しないと、同意なくパート勤務に降格されると脅されているから」(30代・男性・製造)  …など

【残業への意識】残業を「したくない」77.8% プライベート重視派が多数 一部「残業で稼ぎたい」派も

 続いて、対象者全員に残業をしたいと思うか聞いたところ、「まったくしたくない」(26.1%)、「あまりしたくない」(51.7%)が合わせて77.8%と8割近くにのぼりました

 残業をしたくないと回答した人にその理由を聞いたところ、「自分の時間を大切にしたいから」(30代・女性・事務)、「家族との時間を確保するため」(40代・男性・営業)などプライベートを重視したいとする意見が中心となりました。また、「継続的な残業は生産性が低下するため」(40代・男性・コンサルタント)、「メリハリがなくなり就業時間中のパフォーマンスが落ちるため」(20代・女性・システムエンジニア)など、仕事の質を保つために残業をしたくないとする意見も多く挙がりました。

▼残業をしたくないと思う理由(一部抜粋)

「自分の時間と家族の時間を確保し、ワークライフバランスを充実させるため」(30代・女性・建築土木)

「私生活が大切だから。また、疲労やストレスをためずに翌日健やかに仕事をしたいから」(30代・男性・製造)

「会社としても割増で給料を支払わないといけなくなり、従業員側も自由に使える時間を削っていると思うため」(30代・男性・管理)

「集中力が落ちて効率が悪いため。また、翌日にひびくから」(40代・女性・管理)

「残業代が出ないから」(30代・男性・製造) …など

 一方、残業をしたいと回答した人に理由を聞いたところ、主に「残業代を稼ぐため」(40代・男性・機械系エンジニア)など収入を増やすことを目的とした意見が挙がりました。

▼残業をしたいと思う理由(一部抜粋)

「基本給が低いため」(30代・女性・管理)

「稼ぎに影響することと、成長のためには多少の残業の必要性を感じるため」(30代・男性・製造)

「次の日に仕事を持ち越したくないから」(20代・女性・接客販売)

「就業時間中はコア業務に集中したいから」(30代・男性・営業)  …など

【手当を含む残業意識】手当が出ても残業を「したくない」62.5% 「残業しない」が現代の主流に

 さらに、残業をしたくないと回答した人に残業をした分だけ手当が出る場合したいと思うか聞いたところ、「まったくしたくない」(12.2%)、「あまりしたくない」(50.3%)が合わせて62.5%でした。実態として月平均残業時間が比較的少ないことに加え、過半数が「手当が出ても残業をしたくない」という考えを持っていることからも、現代のビジネスパーソンの間では残業をしないスタンスが主流になってきているようすがうかがえました。

【勤務先の残業意識】勤務先において残業が評価につながるとは「感じない」が66.6%と7割近く

 次に、対象者全員に勤務先では残業をすることが評価につながると感じるか聞いたところ、「まったくそう感じない」(31.4%)、「あまりそう感じない」(35.2%)が合わせて66.6%となりました。かつては「残業=努力」と評価された時代もありましたが、現代ではそうした見方も薄れてきているようです。

【残業に関するハラスメント】意図しない残業を強いられたことが「ある」46.2% 半数近くが被害を経験

 対象者全員に、誰かに意図しない残業を強いられたことがあるか聞いたところ、「かなりある」(20.4%)、「ややある」(25.8%)が合わせて46.2%と半数近くにのぼりました

 意図しない残業を強いられたことがあると回答した人に詳しい状況を聞いたところ、「期限が当日中の仕事を定時ごろに上司から依頼された」(40代・男性・機械系エンジニア)、「上司に帰ることができない雰囲気をつくられる」(30代・男性・管理)など、ほとんどが上司によるものでした。さらに、「社長に定時で帰るなと言われた」(30代・女性・製造)、「目上の人から、早く帰れると思うなよとはっきり言われた」(40代・男性・管理)など、残業を強制する直接的な発言を受けたことがある人も少なくありませんでした。

▼残業に関するハラスメントの被害事例(一部抜粋)

「上司にタスクを振られるが、残業は推奨しないというダブルスタンダードが横行している」(30代・男性・運輸交通)

「クライアントや上司に、就業間際に急ぎの仕事を振られることが多い」(40代・女性・クリエイター)

「上司も残っており、残業が当たり前のような空気になっている」(30代・男性・接客販売)

「もう帰るの?と聞かれる」(20代・男性・営業)

「先輩から、今日中にやってから帰れと言われた」(40代・女性・営業)

「上司より先に帰るなと言われた」(40代・男性・管理)

「経営者に、それが習慣だからと言われた」(40代・男性・事務)

「社長の妻に、残業をしないとパートにするぞと脅された」(30代・男性・製造)  …など

【残業への対策】6割以上が勤務先の対策不足を実感 人手不足の解消や業務量の見直しを望む声

 最後に、対象者全員に残業に関して勤務先は十分に対策しているか聞いたところ、「まったくそう思わない」(28.8%)、「あまりそう思わない」(35.8%)が合わせて64.6%と6割を超える結果となりました

 勤務先は十分に対策していると思わないと回答した人に、どのような対策や改善をしてほしいか聞いたところ、「人員を増やして、仕事量が均等になるようにしてほしい」(40代・男性・建築土木)といった人手不足の解消や業務量の見直しを求める意見が目立ちました。そのほか、「業務効率化と従業員の意識改革」(30代・男性・企画マーケティング)、「一定時間でのPCシャットダウン」(30代・女性・公務員)、「ノー残業デーを設ける」(30代・男性・システムエンジニア)などの意見も多数挙がりました。

▼勤務先に求める残業の対策(一部抜粋)

「業務の棚卸しと不要な業務の削減」(30代・男性・接客販売)

「ツールの導入や二重申請の停止などによる業務の効率化」(30代・女性・企画マーケティング)

「労働時間の上限規制、業務分担の見直し、適切な人員配置など」(40代・男性・公務員)

「上層部から一般スタッフへのコミュニケーションとタスク管理」(20代・男性・その他)

「残業しないことで給与アップや特別賞与が出るようにしてほしい」(40代・男性・システムエンジニア)

「上司が早めに帰ってほしい」(30代・男性・建築土木) …など


 今回の調査では、現代のビジネスパーソンの間で「残業はしないほうがよい」とする意識が浸透しつつあることがわかりました。また、勤務先で残業は評価対象ではないとする意見が7割近くにのぼるなど、個々人の意識だけでなく組織の風潮としても残業が努力とされる見方は薄れてきているといえそうです。しかしそんな中でも、意図しない残業を強いられたことがある人は半数近くにのぼり、さらに勤務先の対策に満足していない人も6割を超える結果となりました。この現状は、残業を望まないビジネスパーソンにとって大きなストレスとなっているでしょう。仕事への満足度を高めるためには、こうした状況の改善に向けて働く環境や体制を根本から見直す企業としての対策が求められるのではないでしょうか。


■調査概要
調査内容 :ビジネスパーソンの残業に関する意識

調査機関 :自社調査

調査対象 :当社を利用している全国のビジネスパーソン(20代~40代・男女) 

有効回答 :631人

調査期間 :2024年2月29日~3月7日

調査方法 :インターネット調査

※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

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■ワークポートの取り組み
【ワークポートは2023年3月、おかげさまで設立20周年を迎えました!】
ワークポートは、求職者のキャリアを一緒に考え、ベストな企業、仕事を見つける転職エージェントです。ワークポートでは、良質で満足度の高いサービスを提供したいという思いを込め、キャリアコンサルタントを“転職コンシェルジュ”と呼んでいます。転職希望者のキャリアや人生設計に適う求人のご紹介のほか、ご要望に合わせて年収交渉や退職のアドバイスなどをいたします。転職コンシェルジュとしての質の向上のため、人間性と専門性を高める取り組みなども行っています。
※「転職コンシェルジュ®」はワークポートの登録商標です。https://www.workport.co.jp/trademark/

■会社概要
商号    :株式会社ワークポート
代表者   :代表取締役社長 林 徹郎
本社所在地 :〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-4 天王洲ファーストタワー6F
設立    :2003年3月
事業内容  :人材紹介サービス(有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-040590)
従業員数  :1,037名(2023年12月現在)
拠点    :【本社】東京(天王洲)【職業紹介拠点】東京(池袋・汐留)、札幌、青森、盛岡、仙台、郡山、茨城、宇都宮、高崎、埼玉、千葉、横浜、新潟、富山、金沢、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、名古屋、三重、滋賀、京都、大阪(梅田・難波)、兵庫(神戸・姫路)、奈良、和歌山、岡山、広島、高松、松山、高知、福岡(天神・小倉)、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄、韓国【その他】新宿、宮崎、タイ
HP      : https://www.workport.co.jp/

◆ワークポートはプロボクサー井上尚弥選手のオフィシャルスポンサーです。
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https://www.workport.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都品川区東品川2-2-4 天王洲ファーストタワー6F
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代表者名
林徹郎
上場
未上場
資本金
4200万円
設立
2003年03月