【台湾情報】半導体大手3社の台湾投資と機械産業の動向<ワイズ機械業界ジャーナル2023年9月第3週号発行>
〜台湾機械・電子・半導体・自動車・エネルギー業界の最新動向を分析する〜
<最新刊目次>
台湾機械産業の動向と2023年第3四半期の展望
2023年台湾ドローン産業の主要企業と発展動向
14ナノファウンドリー設立に100億ドル必要、エンジニアは1500人
台湾手動工具産業、2023年第2四半期の概況と今後の展望
<台湾機械産業の動向と 2023年第3四半期の展望>
半導体装置大手3社の台湾投資、台湾半導体産業の発展に貢献へ
半導体製造装置世界3位、東京エレクトロンの台湾子会社、東京威力科創(東京エレクトロン台湾)は2022年11月、南部科学園区(南科)台南園区で台南オペレーションセンターを起工した。24年下半期(7~12月)に完成予定。部品の加工、メンテナンスなどを手掛け、将来的には技術開発センターとする計画だ。投資額は18億台湾元。
オランダの半導体製造装置大手、ASMLは新北市林口区の再開発エリア、林口工一工業区に新工場を建設する。欧州のサプライチェーン(供給網)を台湾に移転する計画だ。半導体製造装置大手、日立ハイテクグループの日立先端科技(日立ハイテク台湾)は23年6月、新竹県竹北市で半導体先端技術開発センターの稼働式典を開催した。ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)と3ナノ、2ナノメートル製造プロセス以降の分野で提携を強化する。
半導体製造装置大手3社の台湾投資により、台湾半導体産業の技術向上、半導体技術のイノベーション加速、大規模な雇用機会の創出などが期待できる。
工作機械各社は特殊用途・ハイエンド製品の開発強化を、TMBA元副理事長が呼び掛け
工作機械・部品の同業者団体、台湾工具機零組件工業同業公会(TMBA)の陳金柏・元副理事長は、工作機械各社は事業転換を余儀なくされており、自社の強みを生かした特殊用途向けの工作機械や、▽5軸加工機、▽切削複合加工機、▽高効率・省エネ機械などの開発を強化すべきだと訴えた。
台湾工作機械産業の生産額と輸出額はコロナ期間中において、台湾企業のUターン投資による生産回帰と中国からの転注獲得などの影響を受けて、2021年と2022年とも過去最高の記録を更新したが、その前は長年も成長が停滞していた。また、年間売上高が50億元を超えるメーカーは少数で、大半は10億元以下の中小企業だ。中小企業は利益が限られ、多額の研究開発(R&D)費用を長期的に負担できず、欧州や日本の大手工作機械メーカーとの競争がますます厳しくなる。さらに、電気自動車(EV)の普及に伴い、自動車の動力源が内燃機関からモーターに切り替わる中、台湾工作機械産業の生産、販売額が減少すると懸念されている。
クアンタ傘下のテックマン、協働ロボット世界2位に
電子製品受託生産最大手、広達電脳(クアンタ・コンピューター)の孫会社、達明機器人(テックマン・ロボット)は、人と共に作業できる協働ロボット(協調ロボット)で、世界2位となった。台湾の半導体工場の8~9割で採用されている。今後は25キログラムのウエハーケースを搬送可能なロボットアームに注力する方針だ。
テックマンのロボットアームには人工知能(AI)機能とスマートビジュアルシステムが採用されており、生産ラインの信号の色を識別して対象物の配置や取り出し、欠陥検査が可能だ。テックマンは米エヌビディアのロボット向けシミュレーター「Isaac Sim」を導入して構築した、現実の空間を仮想世界で再現する「デジタルツイン」を協調ロボットの感知、動作テストに活用しており、ロボットのプログラム編集に要する時間の70%短縮、サイクルタイムの20%短縮を実現した。
協調ロボットの22年の世界市場規模は約9億米ドルだった。28年には45億米ドルまで拡大する見込みだ。製造業の多くは生産工程の変化が激しく、人手では安定した品質を確保できないこともあるため、協調ロボットの需要は今後も拡大すると予想されている。こうした中、ロボットメーカー各社は、複雑なプログラムコードの入力が不要で未経験者でも容易に操作できる製品や、多様な分野で応用できるソフトウエアの開発を進めている。
二、2023年第3四半期の展望
台湾機械産業の23年第3四半期(7~9月)の生産額は前期比2.8%減、前年同期比22.1%減の2529億6000万元となる見通しだ。世界的なインフレ、金利の高止まり、電子メーカーなど製造業の在庫調整の影響により、機械需要が減少すると予想される。(続く)
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