【最新速報】今夏の事故者数269人 時期で異なる水難事故の傾向が判明 2ヵ年で事故者数はほぼ横ばい、属性や行為も類似

水難事故の実態調査 減らない事故の原因究明への第一歩

日本財団(東京都港区、会⻑ 尾形 武寿)は、2024年から日本の子どもの水難事故の減少を目指した「海のそなえプロジェクト」を企画・統括しています。この度、本プロジェクトは、毎年繰り返される水難事故の要因、シーンやシチュエーションを分析し、オールジャパンで水難事故を減らすために、2025年4月26日~5月6日(GW)と6月1日~8月31日までの期間の水難事故の報道実態調査を行いました。本速報では、該当期間内に起きた水難事故について、数千件の報道記事の中から重複を避け、集計・分析したものを公表します。気象庁の季節予報( https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?term=P1M )によると、9月の気温もかなり高い見込みであり、引き続き水辺の事故への注意喚起を行うべく、速報公表に至りました。

2ヵ年の調査結果の蓄積により、時期や地域、事故者の属性・行為による水難事故の特徴が明らかになりつつあることが判明したため、次年度へ向けて、根拠となるデータの検証を進め、適切な時期・場所・対象に応じた発信の仕方を検討してまいります。この取り組みは次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

速報資料:https://uminosonae.uminohi.jp/assets/img/news/datail/20250904/20250904_01_report_summary.pdf

海のそなえプロジェクト 水難事故実態調査ページ:https://uminosonae.uminohi.jp/report/data/

※調査をご使用の場合は、「日本財団 海のそなえプロジェクト」と出典明記並びに広報までご連絡をお願いいたします。

2025年度 水難事故報道実態調査サマリー

①7~8月の水難事故者数は2024年、2025年ともほぼ同数で、週別の発生件数の推移や水難事故者の属性・行為も類似。事故の発生要因において、人の行動の影響が大きい可能性がある。

②2024年、2025年とも事故件数上位3道県(北海道、沖縄県、神奈川県)で海域での発生が多数。事故者は北海道・沖縄は来訪者が多いが、神奈川は4割程度が地元住民。上記3道県に限らず都道府県や地域ごとの傾向や特性の検証が必要。

③GW、6月、7~8月と時期によって事故が多くなる水域や、水難事故者の多い年代・居住地・行為には差があった。いつ、誰に、どんな発信をするのが事故防止に有効かの根拠になるデータが得られた。

④外国籍の溺水者の割合は2024年、2025年とも変わらず、減っていないため、発信する情報の多言語化や、効果的な発信経路を検討する必要がある。

調査結果一部抜粋

・7~8月の水難事故者数は2024年、2025年ともほぼ同数で、週別の発生件数の推移や水難事故者の属性・行為も類似。報道された今夏の水難事故者数は269人で昨年の265人と同程度。週別推移の特徴も類似。

・2024年、2025年とも水難事故が多かった都道府県は、北海道、沖縄県、神奈川県。いずれの道県でも水難事故者数が増加している。そして、いずれの道県でも海域での事故が多く、特に北海道と沖縄県では、来訪者の事故が多い。

・水難事故者数は、6〜8月にかけて増加した。死者・行方不明者の割合はGWが5割程度、6〜8月は7割以上。

・水難事故者の行為はGWは漁業、6月は釣り、7〜8月は遊泳が多い。釣りは全ての時期で上位3位に入る。

・水難事故の発生場所は、GWは沖合、6月は河川、海岸の順、7~8月は海岸、河川の順となり、時期によって異なる。

今後に向けた取り組み

水難事故の発生については、時期による水域や事故に遭う人の属性・行動の違いがあることがわかり、都道府県ごとに異なる傾向や特徴があることも示唆された。現在、海のそなえプロジェクトで展開している予防情報コミュニケーション「これで、おぼれた。『おぼれ100』」や、カヌー・スラロームセンター等で試行している教育プログラムは一般的な内容が中心となっているため、今回の調査で得られた時期や地域による違いのデータの検証を進めることで、時期・地域・対象に応じた効果的な発信方法・内容の確立を目指す。

<調査概要>

・調査期間:期間Ⅰ 2025年4月26日~5月6日(GW)期間Ⅱ 2025年6月1日~8月31日

・事故対象:上記期間内に起きた海辺・水辺の溺れ事故[水難事故]

      二次溺水(Ex. 車転落による溺水、船転覆による溺水)、自力帰還は対象※自殺、災害関連は対象外

・溺水定義:自然水域・プールにおける溺水、または 溺水に繋がる状態・状況  

      (https://uminosonae.uminohi.jp/column/definition/)

・水難者の容体・状況:意識あり、意識なし、心肺停止、死亡、帰還不能、行方不明

・対象範囲:日本全国

・対象水域:沖合、 海岸、 港・漁港、 河川、湖沼池、プール、その他(ダム、用水路等)

・調査方法:全国紙(1社)、地⽅紙(45社)のデジタル新聞、全国紙データベース(1社)、地方紙収集サイト(1社)、放送局オンラインニュース(5社)にて溺水事故に関する記事を収集。

「溺れ」「溺水」「溺死」「行方不明」「水難」の5つの検索ワードを用いて、毎日検索し収集。

・調査機関:(公財)日本ライフセービング協会

・調査協力:中央大学研究開発機構

メディア・教育機関等での活用を想定したアーカイブ素材の提供

本プロジェクトに関わる日本ライフセービング協会や日本水難救済会、河川財団の素材を集約し、メディアや教育機関、自治体等での啓発活動に活用いただける動画素材を揃えています。離岸流やライフジャケットの正しい着用方法、フローティングアイテムなどについての動画が51本格納されています(2025年9月4日時点)

URL:https://uminosonae.uminohi.jp/media/download

ご希望の動画のDLボタンをクリックし、所定情報を入れていただくとDLが可能です。

うみらい環境財団、日本ライフセービング協会、日本水難救済会の3者が推進し、日本財団が企画・統括する、日本初(※)のコンソーシアム型プロジェクト。3カ年計画で「海のそなえ」の新しい常識の浸透を図ることを目標としています。毎年発生する水難事故の減少を目指して既存の対策の常識を疑い、さまざまな調査により蓄積した科学的データと事実に基づいた新たな情報発信や教育プログラム、双方向でのコミュニケーションの開発等を通じて、国民が自ら共感し主体的に水難予防の意識を醸成することを目的として活動しています。

(※複数団体による水難事故防止のためのプロジェクトにおいて)

https://uminosonae.uminohi.jp/

■日本財団について 

 https://www.nippon-foundation.or.jp/

日本財団は 1962 年、日本最大規模の財団として創立以来、

人種・国境を越えて、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、幅広い分野の活動をボートレースの売上金からの交付金を財源として推進しています。

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会社概要

URL
-
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂
電話番号
-
代表者名
波房克典
上場
未上場
資本金
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設立
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