アキュラホーム住生活研究所、10年間の間取りの変化を発表「住宅傾向調査2021」
シューズクローゼットの設置が2倍超、畳の設置は減少
株式会社アキュラホーム住生活研究所(所長:伊藤圭子 本社:東京都新宿区)は、2009年から2021年にアキュラホームで建築いただいた住宅について、全国から100棟/年を抽出し、10年間の住宅の間取りの傾向を調査いたしました。(※1)今回の発表の中では10年前と現在を比較し、間取りの変化に加え、直近のコロナ禍ならではの一時的な流行や変化などについて発表いたします。
アキュラホーム住生活研究所では、注文住宅の間取りはお客様の意向をダイレクトに反映していると考え、毎年その傾向を調査し、新たな商品の開発などに活用しています。弊社購買層のボリュームゾーンである延床面積30~40坪の住宅(単世帯)に限定し、全国100棟の間取りを抽出。居室の面積、動線の長さなど様々な観点から傾向を考察しています。今回は2009年から約10年間の間取りを比較することで、各居室の面積の増減や種類の変化、直近のコロナ禍で流行した間取りがその翌年どのように変化したか、などについて傾向調査により明らかにしました。
■10年前の住宅と比較により、設置件数が増加している室は居室面積も増加、減少の場合も同じ傾向を発見
2009年と2021年の各居室の設置件数と面積を比較してみると、設置件数が増加している室は面積も増加しており、設置件数が減少している室は面積も減少している傾向を発見しました。
【増減率】
①洗面所及びシューズクローゼット(設置件数:100件中43件増加)・・・面積増加率が大きい
②和室・タタミコーナー(設置件数:100件中20件減少)・・・面積の減少率が大きい
バルコニー(設置件数:100件中25件減少)
③リビング・・・ 面積が微増した居室
【面積増減の大きい居室の設置件数の変化】
■シューズクローゼット設置件数が43件増加、その面積も23%増加
2009年と比較し、シューズクローゼットの設置件数は43件増加しており、10年前と比較し2倍超の設置件数となりました。また設置されたもののうち面積は23%増加しており、ニーズが高まっていることがわかります。玄関の土間部分を好みにあわせてつくれるのも注文住宅の醍醐味の一つです。
近年、ライフスタイルの多様化やコロナ禍によるアウトドアスポーツの流行によって、ゴルフ、スキー、スノーボードや自転車などのアウトドア用品、バーベキュー用品、子供の遊び道具(野球、サッカー、テニス、三輪車)などを収納可能なシューズクローゼットの需要が高まったと考えられます。
■和室・タタミコーナーを採用する家が減少、面積も10年間で平均6.5帖から4.2帖へ減少
マンションの間取りでは和室、タタミコーナー共に見かけることが少なくなりました。新築戸建における和室・タタミコーナーの設置件数は、2009年の61件から、2021年には41件と20件減少しています。また設置する場合における平均面積も6.5帖から、4.2帖と36%減少しています。
以前は和室=客間という利用形態が主流でしたが、生活のカジュアル化が進み、来客を迎えるためのフォーマルな空間としての和室から、住まい手がくつろいだり、子供を寝かしつけたり、洗濯物をたたむといった毎日の暮らしで活用する空間としてタタミコーナーを設置する人が増加しています。なお、別の調査では、タタミの空間を設置しなかったが、設置しておけば良かったとの声もあります。
■“家事楽”を考えた洗面所が増加、洗面所の面積が大幅に拡大、一方でバルコニーの面積は減少
近年、共働き世帯が増加(※2)しており、家事の効率化が重要視されています。洗面所の面積は2019年の平均2.3帖から、2021年には3.0帖となっており、30%増となりました。洗面所で洗濯から乾燥までを完結させることや、収納を充実させることで家事が効率化できる間取りに変化している傾向が見られました。
またバルコニーの面積を同様に比較すると面積は19%減少。バルコニーがない間取りの大半(27件中23件)には室内干しスペースが設けられており、外に干さず、室内に干す需要が増加しています。
■より開放的なリビングの需要が増加、リビングの面積は微増だが、吹き抜けの設置率が増加
家族が集まるリビングは、注文住宅において最も空間を充実させたいというニーズのある居室の一つです。2009年と2021年を比較すると、面積は平均13.4帖から14.3帖に微増。面積に大きな変化はありませんが、リビングに吹き抜けを設置する住宅が10件から20件に増加していました。シューズクロークなどの収納スペースを充実させる中でも、広いリビングをつくりたいという需要は変わらず、吹き抜けを採用することで、より開放的なリビングにしたいというニーズが高まっていることが明らかになりました。
■玄関手洗いの設置から動線工夫の間取りへ変化
コロナ禍で人気だった「玄関入ってすぐ洗面スペース」の間取りは、2020年に一時的に増加していますが、翌年の2021年からは減少する傾向が見られました。
他方では、玄関から他の居室を通ることなく、直接洗面所に行くことができる動線の採用が、2020年と比較して7%増加しました。
2つの洗面台を設置するよりも、間取りの工夫によってコロナ禍に対応する住宅が増加しています。
【玄関手洗いの設置件数推移と動線工夫の件数】
■住生活研究所について
アキュラホームは、2014年6月に住まいと暮らしに関する調査研究を行う「アキュラホーム 住生活研究所」を企業内研究所として設立しました。世代を超えて長く快適に暮らすことのできる住環境の実現とともに、つくり手と住まい手が末永く協力し、使い込んだ住宅の価値が、新築時の価値を上回ることができるような仕組みと文化の構築を目指しています。
(※1)
これまでの調査結果に追加し、2021年に当社が全国で手がけた住宅のうち100棟。2階建て、延床面積は30坪~40坪(99.17㎡~132.23㎡)。年齢構成割合、家族構成割合は調査概要に記す。
【調査属性】
お施主様の年齢構成
(※2)共働き世帯の増加について
1980年(昭和55年)には専業主婦世帯1114万世帯に対して、共働き世帯は614万世帯だったのが、1997年(平成9年)には専業主婦世帯が921万世帯に対して共働き世帯が949万世帯と逆転。2020年(令和2年)では共働き世帯が1240万世帯で、専業主婦世帯が571万世帯と、この35年間でほぼ正反対の関係になっています。(出典:総務庁発表資料「労働力調査特別調査」「労働力調査」より)
注1
「専業主婦世帯」は、夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。2018年以降は、厚生労働省「厚生労働白書」、内閣府「男女共同参画白書」に倣い夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び失業者)の世帯。
注2
「共働き世帯」は、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。
注3
2011年は岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果。
注4 2013年~2016年は、2015年国勢調査基準のベンチマーク人口に基づく時系列用接続数値。
アキュラホーム住生活研究所では、注文住宅の間取りはお客様の意向をダイレクトに反映していると考え、毎年その傾向を調査し、新たな商品の開発などに活用しています。弊社購買層のボリュームゾーンである延床面積30~40坪の住宅(単世帯)に限定し、全国100棟の間取りを抽出。居室の面積、動線の長さなど様々な観点から傾向を考察しています。今回は2009年から約10年間の間取りを比較することで、各居室の面積の増減や種類の変化、直近のコロナ禍で流行した間取りがその翌年どのように変化したか、などについて傾向調査により明らかにしました。
■10年前の住宅と比較により、設置件数が増加している室は居室面積も増加、減少の場合も同じ傾向を発見
2009年と2021年の各居室の設置件数と面積を比較してみると、設置件数が増加している室は面積も増加しており、設置件数が減少している室は面積も減少している傾向を発見しました。
【増減率】
①洗面所及びシューズクローゼット(設置件数:100件中43件増加)・・・面積増加率が大きい
②和室・タタミコーナー(設置件数:100件中20件減少)・・・面積の減少率が大きい
バルコニー(設置件数:100件中25件減少)
③リビング・・・ 面積が微増した居室
【面積増減の大きい居室の設置件数の変化】
【各居室面積の増減率(2009年と2021年の比較)】
■シューズクローゼット設置件数が43件増加、その面積も23%増加
2009年と比較し、シューズクローゼットの設置件数は43件増加しており、10年前と比較し2倍超の設置件数となりました。また設置されたもののうち面積は23%増加しており、ニーズが高まっていることがわかります。玄関の土間部分を好みにあわせてつくれるのも注文住宅の醍醐味の一つです。
近年、ライフスタイルの多様化やコロナ禍によるアウトドアスポーツの流行によって、ゴルフ、スキー、スノーボードや自転車などのアウトドア用品、バーベキュー用品、子供の遊び道具(野球、サッカー、テニス、三輪車)などを収納可能なシューズクローゼットの需要が高まったと考えられます。
■和室・タタミコーナーを採用する家が減少、面積も10年間で平均6.5帖から4.2帖へ減少
マンションの間取りでは和室、タタミコーナー共に見かけることが少なくなりました。新築戸建における和室・タタミコーナーの設置件数は、2009年の61件から、2021年には41件と20件減少しています。また設置する場合における平均面積も6.5帖から、4.2帖と36%減少しています。
以前は和室=客間という利用形態が主流でしたが、生活のカジュアル化が進み、来客を迎えるためのフォーマルな空間としての和室から、住まい手がくつろいだり、子供を寝かしつけたり、洗濯物をたたむといった毎日の暮らしで活用する空間としてタタミコーナーを設置する人が増加しています。なお、別の調査では、タタミの空間を設置しなかったが、設置しておけば良かったとの声もあります。
■“家事楽”を考えた洗面所が増加、洗面所の面積が大幅に拡大、一方でバルコニーの面積は減少
近年、共働き世帯が増加(※2)しており、家事の効率化が重要視されています。洗面所の面積は2019年の平均2.3帖から、2021年には3.0帖となっており、30%増となりました。洗面所で洗濯から乾燥までを完結させることや、収納を充実させることで家事が効率化できる間取りに変化している傾向が見られました。
またバルコニーの面積を同様に比較すると面積は19%減少。バルコニーがない間取りの大半(27件中23件)には室内干しスペースが設けられており、外に干さず、室内に干す需要が増加しています。
■より開放的なリビングの需要が増加、リビングの面積は微増だが、吹き抜けの設置率が増加
家族が集まるリビングは、注文住宅において最も空間を充実させたいというニーズのある居室の一つです。2009年と2021年を比較すると、面積は平均13.4帖から14.3帖に微増。面積に大きな変化はありませんが、リビングに吹き抜けを設置する住宅が10件から20件に増加していました。シューズクロークなどの収納スペースを充実させる中でも、広いリビングをつくりたいという需要は変わらず、吹き抜けを採用することで、より開放的なリビングにしたいというニーズが高まっていることが明らかになりました。
■玄関手洗いの設置から動線工夫の間取りへ変化
コロナ禍で人気だった「玄関入ってすぐ洗面スペース」の間取りは、2020年に一時的に増加していますが、翌年の2021年からは減少する傾向が見られました。
他方では、玄関から他の居室を通ることなく、直接洗面所に行くことができる動線の採用が、2020年と比較して7%増加しました。
2つの洗面台を設置するよりも、間取りの工夫によってコロナ禍に対応する住宅が増加しています。
【玄関手洗いの設置件数推移と動線工夫の件数】
■住生活研究所について
アキュラホームは、2014年6月に住まいと暮らしに関する調査研究を行う「アキュラホーム 住生活研究所」を企業内研究所として設立しました。世代を超えて長く快適に暮らすことのできる住環境の実現とともに、つくり手と住まい手が末永く協力し、使い込んだ住宅の価値が、新築時の価値を上回ることができるような仕組みと文化の構築を目指しています。
(※1)
これまでの調査結果に追加し、2021年に当社が全国で手がけた住宅のうち100棟。2階建て、延床面積は30坪~40坪(99.17㎡~132.23㎡)。年齢構成割合、家族構成割合は調査概要に記す。
【調査属性】
お施主様の年齢構成
建築時の家族構成
(※2)共働き世帯の増加について
1980年(昭和55年)には専業主婦世帯1114万世帯に対して、共働き世帯は614万世帯だったのが、1997年(平成9年)には専業主婦世帯が921万世帯に対して共働き世帯が949万世帯と逆転。2020年(令和2年)では共働き世帯が1240万世帯で、専業主婦世帯が571万世帯と、この35年間でほぼ正反対の関係になっています。(出典:総務庁発表資料「労働力調査特別調査」「労働力調査」より)
注1
「専業主婦世帯」は、夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。2018年以降は、厚生労働省「厚生労働白書」、内閣府「男女共同参画白書」に倣い夫が非農林業雇用者で妻が非就業者(非労働力人口及び失業者)の世帯。
注2
「共働き世帯」は、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。
注3
2011年は岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果。
注4 2013年~2016年は、2015年国勢調査基準のベンチマーク人口に基づく時系列用接続数値。
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