J.D. パワー 2023年米国ネット銀行顧客満足度調査℠
~金利の高さ、資金の動かしやすさがネット銀行の顧客満足度を押し上げる~
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. Power(本社:米国ミシガン州トロイ)は、現地時間5月11日に、J.D. Power 2023 U.S. Direct Banking Satisfaction Study℠(J.D. パワー 2023年米国ネット銀行顧客満足度調査℠)の結果を発表した。
本調査は、年に1回、米国のネット銀行*¹ とネオバンク*² に対する満足度を測定している。
*¹ 連邦銀行の認可を受け、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)、米通貨監督庁( Office of the Comptroller of the Currency 、OCC)、米国連邦預金保険公社(Federal Deposit Insurance Corporation、FDIC)のいずれかを主な規制当局とするオンライン/無店舗銀行。
*² 連邦銀行の認可を受けず、銀行免許を持たないオンライン専業銀行。フィンテック企業が、従来型の銀行との提携によりオンラインバンキングを提供。ネット銀行とは別にサンプルを取得しているが、連邦銀行の認可を受けた銀行のみをランキング対象としているため、ランキング対象外としている。
インフレと金利の上昇が加速する中、店舗を持たず、デジタルチャネルでサービスを提供するネット銀行に対する顧客満足度は着実に向上している。
本年調査では、ネット銀行の総合満足度は前年比+14ポイント(1,000ポイント満点)の上昇となった。これは、主に預金金利に対する満足度とモバイルアプリによる口座管理・送金の容易さが評価されたためである。
2023年調査の主なポイントは以下の通り:
新規顧客数が伸び悩む
顧客満足度の大幅な向上にもかかわらず、ネット銀行で新規口座開設を行った顧客数は前年比で-2%の減少となった。新規顧客数の減少はネオバンクにおいて最も顕著で、-6%となった。
新規顧客の属性は様々
ネット銀行に新規に口座開設する顧客の属性は2023年に変化が見られた。富裕層(affluent customers)や大衆富裕層(mass affluent customers)、1万ドル以上の預金残高を保有する顧客が増加した。また、ネオバンクの新規顧客の属性も変化し、経済的に脆弱な状況にある人や4年制大学卒未満の学歴の人が増えた。
無店舗でも問題なし
ネット銀行では、電話の自動応答やオペレーターによるサポートに対する顧客満足度も大きく向上している。満足度向上の主な要因は、担当者の知識、問い合わせ・要求・問題の解決までに要する時間、担当者の礼儀正しさ、電話の指示のわかりやすさである。
オンラインチャットが劣勢
顧客満足度が低下したネット銀行の分野のひとつが、チャットや電子メールによる当座預金口座のオンラインサポートである。オンラインチャットサービスの満足度は-1ポイント低下し、電子メールサービスの満足度は-4ポイント低下した。
J.D. パワー バンキング・アンド・ペイメント・インテリジェンス部門 シニアディレクター ポール・マクアダムのコメント
「米国のリテールバンキングを取り巻く環境が大きく変化する中、従来型のリテールバンクに代わる、店舗を持たないネット銀行は、非常に高い顧客満足度を維持している。魅力的な手数料体系とシームレスなデジタル顧客体験に注力するネット銀行は、実店舗をもつ従来型の銀行よりもさらに競争力のある金利を提供することができ、また、顧客にとって資金移動や口座管理が非常に簡単であることが特徴となっている。既存顧客の満足度は高いものの、新規顧客の増加が今年に入って2%鈍化していることは、魅力的な預金金利の提供に加え、ネット銀行が口コミによる紹介を増やす必要があることを示唆している。」
顧客満足度ランキング
<ネット銀行 - 当座預金(Checking Providers)部門>
第1位:Charles Schwab Bank (チャールズ・シュワブ・バンク)(732ポイント、5年連続の総合満足度第1位)
第2位:Discover Bank(ディスカバー・バンク)(730ポイント)
第3位:Ally Bank(アリーバンク)(729ポイント)
<ネット銀行 - 普通預金(Savings Providers)部門>
第1位:Discover Bank(ディスカバー・バンク)(748ポイント)
第2位:Marcus by Goldman Sachs(マーカス)(736ポイント)
第3位:Ally Bank (アリーバンク)、American Express(アメリカン・エキスプレス)(同点、731ポイント)
※ネオバンクは、弊社規定条件を満たさないためランキング公表対象外。
《J.D. パワー 2023年米国ネット銀行顧客満足度調査℠概要》
年に1回、米国のネット銀行とネオバンクに対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で7回目の実施となる。
■実施期間:2022年12月~2023年2月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:ネット銀行、ネオバンクの顧客
■調査回答者数:8,572人(ネット銀行の回答者数)
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り。
【当座預金セグメント】:「信頼性」(19%)、「カスタマー・サービス」(15%)、「資産の動かしやすさ」(15%)、「資産管理の利便性(モバイルアプリ)」(15%)、「銀行手数料」(15%)、「資産管理の利便性(ウェブサイト)」(13%)、「資産形成への貢献度」(8%)
【普通預金セグメント】:「信頼性」(21%)、「資産の動かしやすさ」(16%)、「資産形成への貢献度」
(14%)、「資産管理の利便性(ウェブサイト)」(13%)、「銀行手数料」(13%)、「資産管理の利便性(モバイルアプリ)」(12%)、「カスタマー・サービス」(11%)
*本報道資料は、現地時間2023年5月11日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2023-us-direct-banking-satisfaction-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。
J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
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