約9割の教員が「企業の支援をもっと手厚く」と回答──企業に求める支援は「職場見学・体験実習」が最多(41%)、障害のある生徒の進路指導に携わる教員102名に調査
教育現場から届いた切実な声とは
障害者就業支援を通じて“誰もが自分らしく生きる社会”を目指す株式会社スタートライン (本社:東京都三鷹市、代表取締役:西村賢治)は、障害のある生徒の進路指導に現在携わる教員102名を対象に「障害者生徒の社会進出に関する実態調査」を2025年7月30日〜8月1日に実施しましたので、調査結果をお知らせします。
▼調査トピックス
・約9割の教員が「企業の支援をもっと手厚くしてほしい」と回答
・企業に求める支援は「職場見学・体験実習」が最多(41%)
・進路指導における課題として、教員から多くの改善点が挙げられました
▼調査結果の詳細
1…約9割の教員が「企業の支援をもっと手厚くしてほしい」と回答
障害のある生徒の進路指導に現在携わる教員102名を対象に「障害のある生徒たちの雇用や受け入れについて、企業側にもっとサポートを手厚くして欲しいと思うか」を伺うと、約9割が、障害のある生徒たちの雇用や受け入れについて、企業側に「もっとサポートを手厚くしてほしい」と回答しました。

2…企業に求める支援は「職場見学・体験実習」が最多
企業側に手厚くして欲しいと思うサポートについて伺うと、「入社前の職場見学や体験実習の実施」が41%で最多の回答となりました。次いで「共に働く従業員に対する障害特性に関する教育研修」が37%、「障害者雇用専門の相談窓口の設置」と「教育機関との定期的な連携・情報交換」が35%と同率の回答でした。

3… 進路指導における課題として、教員から多くの改善点が挙げられました
進路指導において「もっと支援すればよかった」と感じている点について、教員からは以下のような声が寄せられました。
「職場体験をもっとさせてあげたらよかった。」
「どうしても進路が限られているので、本当に生徒が何をしたいかの熱心な寄り添いができていない。」
「我々の知識が不足しているので、知識をもっと付けるようにしたい。」
「企業とのコミュニケーションが必要であった。」
「本人の特性を説明する必要があるのにそれを企業側に十分伝えられなかった。断腸の思いです。見た目にはなかなか良い点がわからないので、企業側に十分の説明をしておく必要があります。」
「保護者との連携。」
「学校と就労先との連携を密にしたり、進路先の幅をもう少し広く考えてあげられれば良かった。」
「もっといろんな企業を訪問すればよかった。」
「特性を理解した上のキャリア形成が必要。」
「合理的配慮の担当者として、入学当初より結果保障はできかねることをお伝えしていますが、学習ステップがうまくいくと、就労にも希望がでてきます。当たり前のことですが、もう少し社会も門戸を広げる取り組みをしていただきたいと思います。」
まとめ
500社以上の障害者雇用を支援してきた当社の障害者雇用エバンジェリストによるコメント

吉田 瑛史(株式会社スタートライン 障害者雇用エバンジェリスト)
パナソニックグループ、マイナビ、パーソルグループを経て株式会社スタートラインへ入社。企業支援、障害者支援、人事、組織管理、業務開発、就労移行支援、研修/講師、農福連携、マーケティング、エバンジェリストなど、多岐にわたる役割で、500社/5,000名以上の障害者雇用に携わった経験を「障害者雇用」をより良くするために伝道する「障害者雇用エバンジェリスト」。
障害のある生徒の進路指導に携わる教員の皆様から寄せられた声には、現場での葛藤や、もっとできたかもしれないという思いが詰まっていました。「職場体験をもっとさせてあげたかった」「企業とのコミュニケーションが必要だった」といった言葉は、企業側にも“受け入れ準備”の余地が残されていることを示しています。
企業の皆様には、ぜひ「採用の前段階」から障害のある若者との接点を持っていただきたいと思います。職場見学や体験実習の機会を設けることは、本人の理解を深めるだけでなく、企業にとっても“共に働くイメージ”を具体化する貴重な機会になります。
また、従業員への障害特性に関する研修や、教育機関との情報交換も、受け入れ体制の質を高めるうえで重要です。障害者雇用は「制度」ではなく「関係性」で成り立つものです。企業が一歩踏み出すことで、若者の可能性が広がり、組織にも新たな価値が生まれます。
スタートラインは、500社以上の障害者雇用支援の経験を活かし、企業と教育現場の橋渡し役として、より良い社会づくりに貢献してまいります。
・障害ある生徒の“卒業後”・・・『社会の選択肢が揃っていない』7割~理由:「職場の受け入れ体制不備」51%、「就労支援制度の不足」41%~
・8割強の働く障害者が「辞めたい」と感じた経験・・・原因は「周囲から必要とされない」が最多~仕事して良かった理由の最多は「成果や貢献が認められたとき」~
・【実態調査】民間企業で3年以上働く障害者に聞いた!就活で感じた困難&本当に欲しかった支援とは?
<調査概要>
【調査対象】障害のある生徒の進路指導に現在携わる教員、102名
【調査方法】IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
【調査期間】2025年7月30日~8月1日
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株式会社スタートライン
ABA(応用行動分析)やCBS(文脈的行動科学)、第三世代の認知行動療法に基づいた効果的で専門的な支援で、障害者雇用の新しい「場」づくりから定着支援までワンストップで実現する会社です。
「自分をおもいやり、人をおもいやり、その先をおもいやる。」の企業理念のもと、2009年創業以来、障害者雇用支援の領域において障害者の「採用」と「定着」に重きを置き、障害者雇用支援サービスサポート付きサテライトオフィス「INCLU」を運営。障害者雇用に関する総合コンサルティングを軸に、屋内農園型障害者雇用支援サービス「IBUKI」、ロースタリー型障害者雇用支援サービス 「BYSN」、企業/障害当事者向けカスタマイズ研修、在宅雇用支援、障害者採用支援などサービスメニューを拡充しています。一つでも多くの選択肢をつくり、多様な人々の可能性を拡張することで、誰もが自分らしく生きる社会を目指しています。

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