オンライン火葬予約で年間560件分の業務削減　火葬場DXが働き方改革と市民サービス向上を両立　岐阜・沖縄発

LDT株式会社

2025年7月30日 10時31分

お盆（旧盆）を前に、終活や弔いへの関心が高まる時期です。そこで注目したいのが、日本の年間死亡者数の推移です。厚生労働省によれば、2024年の死亡者数は約162万人となり、4年連続で過去最多。2040年頃に約167万人でピークを迎える見通しで、ますます火葬場の需要は高まると考えられています。

岐阜県飛騨市役所と沖縄県うるま市「公益財団法人いしかわ斎苑」は、これまで電話・FAXを利用していた火葬場の予約をデジタル化し、2025年から本格稼働しました。飛騨市では年間約 560 件の予約がオンライン化され電話応対はほぼゼロ。窓口中断と宿直呼び出しがほぼ解消されています。いしかわ斎苑では稼働率が約 1 割向上し、地域の火葬受入能力の拡大にも貢献しています。近年、死者数の増加に伴い、火葬場では担当者の負担増や、順番待ちに関する課題などが挙げられています。デジタル化によって、こうした負担を緩和できると考えています。

■スマート火葬予約　https://smartsougi.jp/kasouyoyaku

１．アナログ予約の限界

火葬場や市役所では「紙」に死者の名前や火葬時間を記載し、FAX等で資料を関係各所へ送るといったアナログな業務に取り組んでいました。こうしたアナログ予約が調整の遅延やダブルブッキングの温床となっていました。当社ではこうした状況を解消しようと、火葬場の業務に特化した形の予約管理などができるサイトを開発。岐阜と沖縄の火葬場に導入した結果、電話応対時間の大幅削減、火葬予約の迅速化など効果を発揮しました。

２．導入効果――遺族メリットと行政・運営の負担軽減

	効果概要
飛騨市	一般競争入札で導入／電話・FAX 応対ほぼゼロ／年間 560 件の業務時間を削減／夜間呼び出し解消
いしかわ斎苑	問い合わせ 30 件→ほぼ 1 件以下／24h 予約で夜間でも枠が即確定／稼働率＋約 10 ％／県内受入枠拡大
共通　遺族のメリット	スマホで葬儀社が空き枠確認→その場で予約完了／葬儀日程を確定、移動の手配などを即開始

３．利用現場の声

■ 飛騨市役所市民福祉部市民保険課のコメント

スマート火葬予約導入で、葬儀社さんは現場で火葬炉の空き時間を即確認・即予約でき、市へ電話する手間が無くなりました。私たち職員も窓口や宿直中の電話対応が激減。年間約 560 件のやり取り時間が大幅に削減され、火葬予約が迅速・確実になったと実感しています。窓口が混雑していても予約電話や火葬時間の調整の対応に追われることが無くなった点もありがたいです。

■ 公益財団法人いしかわ斎苑　上原拓麿様

1日最大30 件あった電話問い合わせがほぼゼロになり、業務中断が解消しました。24 時間予約できるため夜間でも枠が即時確定し、火葬炉稼働率は体感で約1割向上。入力必須項目を絞ったシンプル設計で高齢の葬儀社さんにも扱いやすく近隣のご葬家・葬儀社さんに迅速な火葬手配を提供中です。空いた時間を活用して利用者様へより良いサポートが行えるよう業務改善ができ、今後も地域の為に精進していきます。

４．《スマート火葬予約》主要機能　　　

URL　https://smartsougi.jp/kasouyoyaku

機能	概要
24h リアルタイム予約	PC・スマホ・タブレット対応、キャンセルも可
権限付きカレンダー	空き枠可視化・二重予約防止
自動通知	予約完了・お知らせ配信
CSV 出力	予約・顧客情報を一括管理
ペット火葬モード	人用炉と分離運用で調整ロス防止