18歳成人「大人の実感」調査【高卒社会人向け】

46.2%が「18歳は大人」と回答、71.7%が「精神的に自立できていない」

ジンジブ

高校生の就職支援を行う「ジンジブ」(大阪市)は、高卒の新社会人(18歳〜20歳)に、「大人の実感」に関するアンケート調査を実施いたしました。本アンケートは、主催する高卒の新社会人向けの研修「ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)」に参加した2025年4月入社の受講生が回答しており、研修は高卒の1年目の成長と企業への定着のサポートを目的に、毎月、東京・大阪・福岡・名古屋・仙台・広島・静岡・岡山・熊本の9会場にて開催しています。

<調査結果サマリー>

● 客観的に「18歳は大人だと思う」は46.2%。 「自分が大人」と自覚する人の67.6%が「18歳」に自覚。

● 18歳は“大人だと感じる”最多の理由は「経済的自立」(60.2%)。 “大人だと感じない”最多の理由は「精神的自立」(71.7%)。

● 「理想の大人」1位は「自立していて自身の力で生活ができる」が59.6%。

<アンケートの実施背景>

2022年4月の民法改正により成人年齢が18歳に引き下げられて以降、高校卒業後すぐに社会人となる若者たちは、法的な責任と権利を持つ「大人」として社会に踏み出すことになりました。

しかし、法的な成人の線引きが変わっても、若者自身が「大人になった」と実感するタイミングや、社会が求める「大人像」には、ギャップが存在しています。

ジンジブ運営の高卒新社会人向け研修「ROOKIE’S CLUB」へは、毎年多くの成人を迎えた18・19歳が参加し社会人としての土台を築いています。進学した同世代よりも早くに自立を選び、責任ある仕事を経験している彼らが、「大人としての自覚」をどのように育んでいるのでしょうか。そこで今回は「大人になったと自覚したきっかけ」や、「理想とする大人像と、実際に社会に出て感じたギャップ」など「大人」についての意識調査を実施しました。

「二十歳の集い」シーズンの今、本調査を通じて、新しく成人世代を迎え入れる企業や、進路を考える高校生・保護者の方々に、高卒新社会人への理解を深めていただくことを目指しています。

<アンケート結果>

1.現在、成人になった自覚や実感はどの程度ありますか?(n=156)

高卒新社会人に、現在の成人としての自覚や実感について尋ねたところ、「とても実感している」(10.3%)と「実感している」(34.6%)を合わせた『実感派』は44.9%となりました。18歳で社会人となり、責任を伴う仕事に携わることで、精神的な自立が促されていることがうかがえます。

一方で、「あまり実感していない」(23.1%)と「全く実感していない」(9.0%)を合わせた『非実感派』も32.1%に上り、約3人に1人が法的な成年年齢と精神的な自覚との間にギャップを感じている実態が明らかになりました。

こうした意識の差を理解したうえで、入社後のOJTや育成施策を通じて、社会人としての責任感や自覚を育む継続的なサポートが求められます。

2.あなたが「大人になったと自覚した」のはいつですか? (n=70*問1より回答分岐)

問1で「成人としての実感がある」と回答した方に、「大人になったと自覚した年齢」を尋ねたところ、67.6%が「18歳」と回答し、半数を大きく上回りました。この背景には、高校卒業後すぐに社会人としての一歩を踏み出すという大きな環境変化が、「大人の自覚」を強く促していることがうかがえます。また、「19歳」で自覚した人が20.6%いることから、社会に出て働き始めてから自覚する方も多いと推察できます。

3.客観的に、18歳は大人だと感じますか?(n=156)

高卒新社会人に、「客観的に18歳は大人だと感じるか」質問したところ、「非常にそう思う」(7.7%)と「ややそう思う」(38.5%)を合わせた『18歳は大人だと感じる派』は46.2%となりました。

一方で、「あまりそう思わない」(28.2%)と「全くそう思わない」(5.8%)を合わせた『大人だと感じない派』は34.0%に上り、「どちらとも言えない」(16.7%)を含めると、過半数が18歳を完全な大人とは捉えていない実態が明らかになりました。

また、問1での「自身の成人実感」の『実感派』(44.9%)と、「18歳を大人だと感じる派」(46.2%)は、ほぼ同水準となりました。一方で、いずれも半数には達しておらず、法的に成人であっても、「大人だと感じられない」理由をこの後の質問で見てみましょう。

4.”18歳は大人だと感じる”理由はなんですか? ※複数回答可(n=98 *問3より回答分岐)

問3で「18歳は大人だと感じる」と回答した方に、その理由を質問しました。

「働くこと」が最大のきっかけ:

「働いてお給料をもらった時」(60.2%)が、他の項目を大きく引き離して圧倒的1位となりました。この結果から、高卒新社会人にとっては、「経済的な自立」が大人の実感を最も強く促す要因であることが明らかになりました。

責任と環境の変化:

2位の「責任の重さを感じた時」(38.8%)、4位の「接する人が大人ばかりの時」(22.4%)、5位の「生活習慣が変わったと感じる時」(21.4%)が上位に入り、仕事に伴う責任の増加や、生活環境・人間関係の変化が、大人としての自覚を後押ししている様子がうかがえます。

選挙や二十歳の集いの影響は限定的:

法定成人としての権利に関わる「選挙に行ったとき」(19.4%)や、「二十歳の集いの話題や準備をする時」(7.1%)は、大人としての自覚を強く左右する要因とはなっていませんでした。これらの結果から、形式的な節目よりも、社会人として積み重ねる日々の経験の方が、大人の実感に直結していることが明らかになりました。

5.”18歳は大人とは感じない”理由はなんですか? ※複数回答可(n=53 *問3より回答分岐)

問3で「18歳は大人だと感じない」と回答した方に、その理由を質問しました。

“大人の実感”への最大の障壁は「精神的な自立」:

「精神的に自立できていないから」(71.7%)が、他の項目を大きく上回り圧倒的な1位となりました。この結果から、高卒新社会人が大人としての実感を得るうえで、自己の内面的な成熟や自立意識が、最も大きな壁となっていることが明らかになりました。

経済的な自立とのギャップ:

「大人だと感じる理由」では経済的自立、すなわち「給料をもらうこと」が最上位であった一方、「大人だと感じない理由」では「経済的に自立できていないから」(47.2%)が「お酒や喫煙など規制が多いから」と同率の2位に入りました。この結果は、「収入は得ているものの、完全に自立した生活を送れているわけではない」という、現実的なギャップを反映しています。

環境と制限の影響:

2位の「友人に学生が多いから」(49.1%)は、周囲の環境が学生時代から十分に切り替わっていないことが、自身の大人の実感にも影響していることを示しています。さらに、「お酒や喫煙など制限が多いから」(47.2%)も上位に挙がり、法的な年齢制限が残っている点も、大人としての自覚を妨げる一因となっていることがうかがえます。

6.あなたにとって理想の「大人」とはどんな人ですか?(n=156)

「自立」が最大の理想(59.6%):

「大人だと感じる理由」で最も多かった「経済的な自立(お給料)」という結果を踏まえ、「理想の大人」においても、「自立していて自身の力で生活ができる」が59.6%と圧倒的な1位となりました。この結果から、この世代にとって、金銭面・生活面の自立が、大人であることの前提条件として強く意識されていることが明らかになりました。

「意思決定力」と「両立力」への関心:

2位の「意志を持って行動し、自身で判断できる」(39.7%)と、3位の「仕事とプライベートを両立できる」(39.1%)がほぼ同水準で続きました。単なる自立にとどまらず、自律的に判断する力や、仕事と私生活をバランスよく整える力を重視している様子がうかがえます。

内面や関係性を重視する傾向:

「他人のことを理解し尊重できる」(29.5%)、「誰とでもコミュニケーションを取れる」(22.4%)、「誠実で周囲から信頼されている」(21.8%)など、他者との関わり方や内面的な資質に関する項目も上位に並びました。理想の大人像は、仕事上のスキル以上に、人としての在り方や人間関係の築き方を重視していることがうかがえます。

7.実際に社会で働いてみて、自身の理想の大人像とギャップを感じたことを教えてください。

自由回答では、理想として描いていた「大人像」と、実際に社会で働く中で感じた現実との間に、さまざまなギャップがあることが浮かび上がりました。特に多く挙がったのは、経済的・時間的な余裕のなさといった現実の厳しさや、精神的な未熟さに対する自己認識のズレです。加えて、想像以上に大きい仕事の責任、さらには職場環境や人間関係へなど、働き始めて初めて直面する理想と現実のギャップが分かりました。

<自由回答 ※回答より一部抜粋 n=156>

▼精神的なギャップ

・18、19歳になると自然に大人になると思っていたが意外とまだまだ子供。

・精神的には子供のままな気がする。

・なかなか大人っぽい落ち着き方ができない。経験の浅さが出ているのかもしれない。

・もっと考え方や行動が変わるかと思ったが、結局は自分の意識の問題なのだと知った。

責任の重さと「自由」の本質

・お金がある程行動に責任等があるため、お金=自由という考えは違うのだと感じた。

・責任の重さも学生の頃とは全く違い、言葉や行動にも責任をもって取り組まなきゃいけない。

・一人暮らしになって何でも責任が自分に来る。僕がミスをすると上司にも迷惑がかかるとわかった。

仕事のスキルと体力

・理想は仕事が終わってすぐに家のことも全部して毎日同じ時間に寝ること。実際は家事をする体力もなくてすぐ寝転がってしまう。

・趣味などに時間やお金をかけている「大人」はとてもすごいと思う。自分は余裕がない。

・理想はどんな仕事も迅速にさばけて定時で帰ること。実際は一つの仕事に時間がかかってしまう。

・電話応対しながらパソコンをいじれると思っていたが、実際は電話で精一杯。

職場環境と人間関係

・厳しい先輩だったら仕事やって行けるかなと思ったが、優しくてむしろ楽しく仕事ができている。

・堅苦しいと思っていたが、実際には柔らかく楽しく仕事をしている。

・大人は本音と建前を使い分けるものだと思っていたが、実際は本音がダダもれな人もいる。

・社会人は黙々と仕事をしているイメージだったが、先輩がフランクに話しかけてくれた。

経済性と生活のリアル

・実家暮らしをしていれば貯金も沢山あり、旅行も沢山出来ると思っていたが、実際は将来のための貯金をするのも大変。

・思っていたよりも出費が多くて欲しいものもあまり買えない。

・給料から引かれる税金が多い。

・経済的に自立して生活していくことが難しいと感じた。

8.2026年から始めたいことがあれば教えてください。※複数回答可(n=156)

最も回答率が高かったのは、将来の生活や自己成長に直結するジャンルでした。

回答者が2026年に「活動的な生活の再開(国内旅行・運動)」と「将来への備え(金融・貯金)」、そして「自己成長(習い事・資格)」に最も大きな意欲を抱いていることを示しています。これは、経済的な安定とQOL(生活の質)の向上を同時に追求したいという現代人の傾向を反映していると言えそうです。

<アンケート結果からわかること>

本調査から、「18歳を大人だと感じる」と回答した人は46.2%で、高卒新社会人にとって「“大人になった“実感」を強く左右するのは、法的な年齢だけではなく、経済的・精神的な自立の度合いであることが明らかになりました。

「大人になったと自覚した年齢」では67.6%が「18歳」と最も多く、次いで「19歳」が20.6%でした。高校卒業後すぐに社会人としての一歩を踏み出すという大きな環境変化が、「大人の自覚」を強く促していることがうかがえます。「働いてお給料をもらった時」を大人になった実感のきっかけにあげた人は60.2%と最も多く、収入を得ることが大人であるという意識形成に大きく影響していることがうかがえます。一方で、「精神的に自立できていないから」を大人の実感が持てない理由としてあげた人は71.7%に上り、精神面での自立が多くの高卒新社会人にとって課題となっている実態が浮き彫りになりました。

また、理想の大人像としては、「自立していて自身の力で生活ができる」が59.2%で最多となり、「意志を持って判断できる」(39.5%)、「仕事とプライベートを両立できる」(38.9%)と続くなど、高卒新社会人は単に働いている状態ではなく、主体的に判断し、生活を成り立たせている状態を「大人」と捉えていることがわかります。

こうした結果から、企業には18歳での社会人デビューを「精神的に大人へ移行する過程」と捉え、一人ひとりの状況に応じたきめ細かな育成を行うことが求められます。

<調査概要>

【調査期間】2025年11月10日~2025年11月21日

【調査方法】高卒の新社会人向け研修「ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)」の参加者へのアンケート回収

【調査対象】高卒の新社会人(18歳~22歳)

【有効回答】N=156人

■ 株式会社ジンジブ

ジンジブは「高卒」の若者のための社会課題解決企業です。同じく“高卒社長”である佐々木満秀が、「夢は、18才から始まる。」をスローガンに掲げて事業をはじめました。高校生のキャリア教育や、就活の情報提供、就職後の定着やスキルアップやキャリア形成、転職時の情報提供やサポートを行います。

代表取締役社長:佐々木 満秀(ささき みつひで)

本社所在地:大阪府大阪市中央区南本町2-6-12 サンマリオンタワー14階

拠点:大阪本社・東京・福岡・名古屋・仙台・広島・新潟・岡山・熊本・静岡

設立:2015年3月23日(グループ創業1998年9月1日)

株式情報:東京証券取引所 グロース市場(証券コード:142A)

HP:https://jinjib.co.jp/

●高卒就活採用支援サービス「ジョブドラフト」

高卒新卒で就職する高校生は、限られた情報や期間の中で、社会経験や自己理解の機会など、やりたいことや向いていることを考える期間が少ない中、就職先を選んでおり、将来に対して漠然とした不安を抱えています。

情報不足、理解不足などで納得できる企業選択ができず就職し、入社後にギャップを感じてしまうことが、入社1年目の「超早期離職」の要因の一つといえます。

将来について考えるきっかけを与えるキャリア教育支援「ジョブドラフトCareer」や、これまでは文字情報のみの求人票でしか収集できなかった求人情報を、高校生に向けた発信をする就職情報アプリ「ジョブドラフトNavi」や、高校生のための合同企業説明会「ジョブドラフトFes」を運営し高校生が自分の意思で未来を形作るためのサービスを展開しております。

また、卒業後の生徒には、高卒第二新卒や既卒者へのリスキリングと就職・転職を支援する「ジョブドラフトSchool」「ジョブドラフトNext」を運営し、社会に出た後にも寄り添っております。

●人材育成サービス「ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)」

「ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)」は高卒の新社会人に向けの、企業への定着と「同期と一緒に成長」することを目標にキャリアに向き合う毎月の研修プログラムです。1年間を通して社会人として必要なマインドセットとスキル育成を行います。視野を広げ、物事の見方・捉え方が変わることで、自ら学ぶ楽しさや気付く力が身に付きます。

また、多数の企業が集まりチームビルディングを行い、社外の受講生と同期の関係を築きます。グループワークを中心に、新入社員が直面する様々な課題やその対策について共に学び、社会人の心構えと基礎スキルを身に付けます。

研修には元教師、キャリアコンサルタント資格保有者、現役人事などの様々な社会経験を持つファシリテーターがチームと向き合い、進行や客観的なアドバイスを行い、視野を広げるお手伝いをします。面談やレポートを通じて、受講者が安心して働けるようにサポートを行っています。高卒新社会人の1年目の成長と離職率低減・定着・育成をサポートします。

▲「ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)」の様子

<ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)に関するお問い合わせ>

株式会社ジンジブ ルーキーズクラブ運営局

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TEL:06-7777-7779

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06-7777-7779
代表者名
佐々木満秀
上場
東証グロース
資本金
301万円
設立
2014年02月